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この世界にはどうやら魔王が最強でほかにも獣人族エルフ族小人族がいるようです  作者: 1010
第5章「勇者と討伐隊」

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第5章 第1話「召喚された者」

王都の中心。

大神殿。

石造りの広間に、光が満ちていた。

白い光。

人工的ではない。

魔力が——可視化されている。

「——始まります」

神官が低く告げる。

周囲に並ぶ人影。

王族。

貴族。

将軍たち。

全員が、中央の台座を見ている。

その上に——

一人の少年が立っていた。

細い体。

真っ直ぐな目。

まだ幼さの残る顔。

だが——

その目は、揺れていない。

「……ガビ」

隣に立つ男が、低く呼ぶ。

ガルドだった。

「準備はできているか」

「はい」

即答だった。

迷いがない。

「怖くないのか」

「怖くないです」

「なぜ」

「正しいことをするから」

ガルドは少しだけ——

その答えを聞いた。

(……純粋だな)

だが、それ以上は言わない。

感想は、必要ない。

「始めろ」

神官たちが動く。

詠唱が始まる。

光が——強くなる。

ガビは目を細めない。

まっすぐに前を見ている。

(これが——俺の使命)

生まれたときから、言われてきた。

お前は選ばれた者だ。

魔王が現れたとき、立ち向かう者だ。

疑ったことは——

一度もない。

「——覚醒」

神官が告げる。

光が弾ける。

ガビの体に——

何かが、流れ込む。

力。

圧倒的な力。

「……っ」

息を呑む。

痛みではない。

でも——

(なんだ、これは)

自分のものではない感覚。

もっと——外から来る何か。

だが一瞬で——

消える。

「……終わりました」

神官が頭を下げる。

広間に拍手が響く。

歓声。

喜び。

「勇者様——!」

「ついに——!」

「世界が救われる——!」

その声の中で。

ガビは、まっすぐに立っていた。

(やるべきことがある)

それだけを、思っていた。

誰も気づかない。

その力の源が——

どこから来たのかを。

遠く。

見えない場所で。

「——接触、完了」

声が——あった。

誰にも聞こえない。

「個体ガビ——介入済み」

「認識なし」

「予定通り」

静かに——

記録される。

ナイは——

何も持たない。

何も感じない。

でも——

(動いた)

駒が、動いた。

それだけで——

十分だった。




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