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この世界にはどうやら魔王が最強でほかにも獣人族エルフ族小人族がいるようです  作者: 1010
第2章

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第5話「魔族の村」

「話す、ねぇ」


グラムが肩を鳴らす。


「悪くねぇ」


にやりと笑う。


「どうせなら、ちゃんとした場所でやろうぜ」


「ちゃんとした場所?」


セリアが警戒した声を出す。


「俺らのとこだよ」


さらっと言う。


「……それって」


「魔族の村」


沈黙。


セリアの顔が固まる。


「いやいやいや」


一歩下がる。


「それ完全にダメなやつでしょ!?」


「何が」


「全部!」


即答だった。


グラムは少しだけ考えてから、


「まぁ、普通はそうか」


と納得する。


「普通じゃないしな」


リオが横から言う。


「お前基準にすんな!」


セリアがツッコむ。


だが、すぐに真顔に戻る。


「……危ないよ」


小さく言う。


「囲まれるかもしれない」


「可能性はあるな」


グラムはあっさり認める。


「でも——」


リオを見る。


「来た方が分かるぜ」


その言葉は、どこか本気だった。


「俺らが何なのか」


少しだけ空気が変わる。


ゼルヴァは何も言わない。


ただ観察している。


(……誘導か)


リオは考える。


罠の可能性。


だが——


(情報は多い方がいい)


そしてもう一つ。


(どうせ、いずれ関わる)


なら、早い方がいい。


「いいよ」


リオが言った。


「行こう」


「ちょっと!?」


セリアが振り向く。


「軽すぎない!?」


「重く考えても結果同じでしょ」


「いや変わるかもでしょ!」


「変わらないよ」


あっさり。


セリアは頭を抱える。


「……もういい」


諦めたように息を吐く。


「行くよ」


「いいの?」


「一人で行かせる方が無理」


その言葉に、リオは少しだけ目を細めた。


グラムが笑う。


「決まりだな」


踵を返す。


「ついて来い」


森の奥へと歩き出す。


ゼルヴァも無言で続く。


リオとセリアも、その後ろへ。


進むほどに、空気が変わる。


重い。


濃い。


「……なんか、息苦しい」


セリアが呟く。


「魔力が濃いからね」


「これ普通なの?」


「魔族にはね」


やがて——


視界が開けた。


そこにあったのは、村だった。


だが人間のそれとは違う。


木々を削り出したような建物。


地面に直接刻まれたような道。


そして——


視線。


無数の視線が、一斉に向く。


「……来たか」


誰かが呟く。


「人間……?」


「いや……」


ざわめき。


その中で。


一人の魔族が、リオを見て固まる。


次の瞬間。


「……っ」


膝が、落ちた。


ドサリ、と。


完全な跪き。


それを見て——


空気が凍る。


「おい……」


「なんで……」


動揺が広がる。


一人、また一人と。


“感じてしまう”。


「……まさか」


誰かが呟く。


その言葉は、誰も口にしない。


だが全員が理解し始めていた。


中心にいるのは——


誰か。


セリアの手が、無意識に震える。


(これ……まずい……)


完全に“異物”として認識されている。


いや、それ以上。


「……面白ぇな」


グラムが笑う。


楽しそうに。


「ここまで分かりやすいとはな」


ゼルヴァは、静かに目を細める。


「……確定に近づいたな」


リオは周囲を見渡した。


(……やっぱり、こうなるか)


懐かしい光景。


何度も見てきた反応。


だが——


「ねぇ、リオ」


セリアが小さく言う。


「これ……どうするの?」


答えは、まだ決まっていない。


だが一つだけ、確かなことがある。


ここはもう——


“無関係でいられる場所”ではない。

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