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この世界にはどうやら魔王が最強でほかにも獣人族エルフ族小人族がいるようです  作者: 1010
第2章

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第4話「交差する刃」


「排除対象」




その一言で、空気が裂けた。




次の瞬間。




ゼルヴァが消える。




「——っ!」




セリアが反応するより早く、リオの背後に現れる。




手刀。




一直線に首を狙う。




——止まる。




ガキン、と硬質な音。




見えない“何か”に弾かれた。




「……防ぐか」




ゼルヴァがわずかに目を細める。




リオは振り向きもしない。




「初対面でそれはどうなの」




「確認だ」




「物騒だね」




言葉は軽い。




だが、空気は完全に戦闘。




「セリア、下がって」




「で、でも——」




「いいから」




低い声。




セリアは歯を食いしばって、一歩下がる。




(……信じるしかない)




ゼルヴァが再び動く。




今度は正面。




高速。




残像が揺れる。




「遅い」




リオが呟く。




足元の影が動いた。




——ゴーレム。




瞬時に形成された黒い塊が、ゼルヴァの進路を塞ぐ。




衝突。




弾ける。




だがゼルヴァは止まらない。




そのまま回転し、蹴りを叩き込む。




ゴーレムの一部が砕ける。




「……硬いな」




「それ、試作品だから」




リオがようやく振り向く。




「壊す前提で作ってない」




「なら——」




ゼルヴァの魔力が一段上がる。




「壊す」




空気が歪む。




見えない圧が広がる。




(まずい……!)




セリアが感じる。




直感的な危機。




だがその瞬間。




ドン、と重い音。




「そこまでだ」




グラムが間に割って入った。




腕でゼルヴァの攻撃を受け止める。




地面が沈む。




「どけ」




ゼルヴァが低く言う。




「どかねぇよ」




グラムは笑う。




「面白くなってきたとこだろ」




「遊びではない」




「分かってる」




一歩、踏み込む。




「だから止めてんだよ」




その言葉に、わずかに重みが乗る。




ゼルヴァが目を細める。




「……理由は」




「まだ分かんねぇ」




グラムは正直に言う。




「でもな」




リオをちらりと見る。




「今ここで殺すのは、違う気がする」




直感だった。




だが、彼にとってはそれで十分だった。




「非合理だ」




「そうだな」




「なら排除する」




再び動こうとするゼルヴァ。




だが——




「やめとけ」




リオが口を開く。




静かに。




それだけで。




空気が、止まる。




「……命令のつもりか」




ゼルヴァの声が冷える。




「違う」




リオは首を横に振る。




「ただの提案」




「内容は」




「今やっても、決着つかないよ」




事実だった。




ゼルヴァは強い。




だが、リオもそれ以上に“底が見えない”。




「それに」




続ける。




「君、まだ確信してないでしょ」




図星だった。




ゼルヴァの動きが、わずかに止まる。




「“王かもしれない”段階で殺すのは、リスク高い」




「……」




「違ったら、ただの損失」




合理的な言葉。




だからこそ、刺さる。




沈黙。




数秒。




やがて——




「……一理ある」




ゼルヴァが魔力を引いた。




完全に納得したわけではない。




だが、“今ではない”と判断した。




「判断は保留する」




そう言って、距離を取る。




セリアがようやく息を吐く。




「……終わった?」




「一応ね」




リオが軽く言う。




グラムが肩を回す。




「はー……危ねぇな、お前ら」




「止めたのはお前だ」




ゼルヴァが返す。




「だろ?」




笑う。




そして、リオを見る。




「で?」




「なに」




「どうすんだよ、これから」




問い。




単純だが、重い。




リオは少しだけ考えて——




「とりあえず」




肩をすくめる。




「話す?」




その提案に。




グラムは笑い、ゼルヴァは無言で見つめる。




そしてセリアは——




(この人ほんとに……)




少しだけ呆れながらも、目を逸らさなかった。




敵でも味方でもない。




まだ定まらない関係。




だが確実に——




何かが、動き出していた。

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