エピローグ
ルミエールは三人の部下の力で元の世界に戻ることに成功した。
ルミエールたちが見たのは、平和そのものとなった元の世界だった。
「こ、これはどういうことじゃ!? 魔王様は一体……」
「じょ、情報を収集してきます」
ザメールの報告によると、魔王は勇者と結婚したとのこと。
……はぁ? と素で言ってしまった。
自分たちの努力は一体何だったのだろうか。
まぁ魔族が一族郎党皆殺しになっていないだけでも良かったとしよう。
それともう一つ驚いた事があった。
自分のCDがこの世界で売られていたのである。しかも結構な数。
調べてみると、一人の人物が浮かんだ。
「あんの糞魔法使い、こことあっちを往復してCDを売りさばいていたなんて……」
「こちらの世界でもルミたんの声が聴けるとなると光栄です! 」
「だまらっしゃい」
突っ込む気力もない。
このままでいても仕方ないので王都にいる魔王様を訪ねる。
「ここに魔王様がいると聞いて来たのですが……」
「おぉ、ルミエール。いや、ルミたん!」
「誰がルミたんじゃあ! って魔王様!? 」
「苦労をかけたな。ルミたん」
「だからルミたんはやめてください! 」
こうしてルミエールは元の世界へと戻った。
■ ■ ■ ■ ■
王都広場特設ステージ。
そこにルミルミは立っていた。
帰還してから二か月。周囲を固められ、逃げ場を失った三百才半ばの魔法少女がそこにいた。
憎き勇者、愛すべき魔王、そして人類、魔族。エルフドワーフ獣人鳥人に淫魔や妖精たち。
種族の垣根を越えて、国家を挙げた嫌がらせが始まる。
『いぇーい! 皆ぁ元気ぃー!? 』
「「「「「「元気ぃー!」」」」」」
『明日の天気を知りたいかーい?』
「「「「「「知りたい知りたいー」」」」」」
『明日の天気はぁー!雨ぇ!』
「「「「「「うおおおおおおおっ!」」」」」」
『それでは皆準備はいいかい!? 』
「「「「「「キュートッ!」」」」」」
『スイート?』
「「「「「「チャーミング!」」」」」」
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