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助けた2人と帰りますが…

お待たせしました。 本日2話目投稿です。


 よろしくお願いします。 

 

 …結果を見れば、大人の女性は助かった。…命は、だが。


 フェアが回復している間に自分は少女を起こす。


 何度か呼びかけると、ボンヤリとしながら起きあがるが、今は余裕が無いので軽く頬を張り、しっかり覚醒してもらう。


 頬を張った後「おい、大丈夫か? 此処がどこだかわかるか?」と聞くと、だんだん思い出してきたのか若干震えながら「はい。」と答える。


 「此処に居たモンスターは自分達が討伐した。 そして今相方が君と居た女性を魔法で癒している。 彼女が回復し終わるまで、何故こんな所で碧ラクーンに襲われていたかを話して貰えるかい? 衛兵の人の話だと、碧ラクーンは草原の水辺付近に出没しているって事だったし。」と自分がそういう風に言う。


 すると、少女は暫く俯いていたが、やがて意を決したのか涙目になりながら此方に謝ってくる。


 「すみませんでした。 私と癒やして貰っている母は共に初級の5の組合員です。 名前は私が[フラム]、母が[ミーナ]と言います。」


 「ん。あぁ…、自分は将明、妖精の彼女はフェアだ。」

 

 「あ、ありがとうございます。 それでですね、いつも2人で依頼を受けてこなしているんですが、今回私達は、中級に上がる為の試験を受けー」


 「マスター。取り敢えずですが、女性の回復終わりました。 ただ、体を起こせる程回復している訳では無いので、出来ればマスターに背負って頂いて、私達2人で周囲の索敵をしながら帰る事を提案します。」と言うので、「わかった。」と返し、女性を背負う。


 フラムに「話の腰を折ってスマナイ。 取り敢えず話の続きは移動しながらで良いか?」と聞くと、「はい。 問題ありません。 此方こそ助けて貰った上に母まで背負って頂いて、本当にすみません。」と申し訳無さそうに謝罪してくる。


 「気にするな。」と告げ、城下街の入口に向け歩き出す。


 周囲の確認をしている彼女に、「話の続き、良いか?」と聞くと、確認を続けながら「分かりました。」と返してくる。


 「ーええと…、私達がアソコに居たのは、中級に上がる試験を受ける為の訓練に、それぞれがソロで紅ウルフを5体ずつ倒すって依頼を受けたからです。」


「…ん? ちょっと待った。紅ウルフの依頼は自分とフェアも受けているぞ?」 


 と不思議に思い、そう尋ねると、「あぁ、紅ウルフ等の数が多いモンスターは何組でも受けられるんです。」と答えてくれる。


 「わかった。続けて?」


 「はい。それで草原に行く為に、二手に別れている道の所まで来たら、いきなり水辺のある左前方の奥の方から紅ウルフが2体走って来たんです…。 1体ずつ倒す事にして武器を構えたら、その後ろから2体を追い掛けるように碧ラクーンが走って来ました…。 母がとっさに私を突き飛ばし、庇ってくれなければ、母より体力の低い私では死んでいたかも知れません。」と青い顔をしながら語ってくれた。


 「…そうしたら[碧ラクーンは、水辺から勝手に飛び出してきた]と言うことで良いかな?」


 とフラムに確認を取った所で、城下街の入口が見えてきた。


 …良し、取り敢えず衛兵の人に説明だ。

此処までお読みいただきありがとうございます。

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