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なにになろう? ―「もしも魔法が使えたら」の未来―  作者: コペルニクス2号


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第33話 幕間 お茶は三つ

 文書名、居室三〇二・■■録(■■)。■■者■■。場■■■。■■■■。


 *


 居室三〇二には、日課がある。


 六時、いつも通りカーテンを開ける。朝になった。この部屋には窓はない。


 七時、いつも通りお茶は三つ。二つはあっちに届けて、一つはこっちの分。


 九時、いつも通りの床。それからまた確認。


『隊長機、反転。単騎。』

『接触。交戦。─』

『─排除』

『未帰投、一。』


 読める字が、日に日に減っていく気がする。減っているのは、字ではないのかもしれない。


 *


 もしも、あの人がいなければ。


 もしも、あの人がこなければ。


 もしも、もっとうまくやれたら……。


 もしもの話は、もしもの話。どうやって? そこを推理してほしい。


 *


 いた。声を数えられるものが。


 同じ数え方を、知っている。


 この人なら、奥の奥まで、読む。


 *


 耳は優秀だ。比べることすらできない。多くはわたせない。


 削る。


 数はいらない、数は意味がない。


 歌はいらない、歌は熱くする。


 勝ちは要らない、居なくなれば。


 ずっと居なくなれば最良。


 残ったものを、もう一度読む。もう一度、削る。


 部屋の隅には、電話がある。古い型だ。この部屋より、ずっと古い。手で取る形を、している。


 留守番の赤い灯は、今日も点かない。数える機械が、部屋にある。数は、〇のままだ。


 *


 カーテンを閉める。夜になった。窓はもうないが、閉める。閉めなければ、夜が来ないので。


 明日も、日課がある。お茶は、三つ。


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