第33話 幕間 お茶は三つ
文書名、居室三〇二・■■録(■■)。■■者■■。場■■■。■■■■。
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居室三〇二には、日課がある。
六時、いつも通りカーテンを開ける。朝になった。この部屋には窓はない。
七時、いつも通りお茶は三つ。二つはあっちに届けて、一つはこっちの分。
九時、いつも通りの床。それからまた確認。
『隊長機、反転。単騎。』
『接触。交戦。─』
『─排除』
『未帰投、一。』
読める字が、日に日に減っていく気がする。減っているのは、字ではないのかもしれない。
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もしも、あの人がいなければ。
もしも、あの人がこなければ。
もしも、もっとうまくやれたら……。
もしもの話は、もしもの話。どうやって? そこを推理してほしい。
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いた。声を数えられるものが。
同じ数え方を、知っている。
この人なら、奥の奥まで、読む。
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耳は優秀だ。比べることすらできない。多くはわたせない。
削る。
数はいらない、数は意味がない。
歌はいらない、歌は熱くする。
勝ちは要らない、居なくなれば。
ずっと居なくなれば最良。
残ったものを、もう一度読む。もう一度、削る。
部屋の隅には、電話がある。古い型だ。この部屋より、ずっと古い。手で取る形を、している。
留守番の赤い灯は、今日も点かない。数える機械が、部屋にある。数は、〇のままだ。
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カーテンを閉める。夜になった。窓はもうないが、閉める。閉めなければ、夜が来ないので。
明日も、日課がある。お茶は、三つ。




