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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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指圧マッサージ

 体内の気を内気功でコントロールし、全身を滞りなく流れるようにイメージする。

 だが、ところどころでその流れが悪く、どうしても気持ち悪さを感じる場所がある。

 それを解消しようと、あれこれと手を尽くしてみた。


 いまだ乳飲み子である俺だが、その中でも内気功を使わなくともある程度力を発揮できる部分がある。

 それは、手だ。

 理由はわからないが、赤ん坊でも握る力は意外と強い。

 その握力を利用し、手の届く範囲にある気の巡りの悪い場所を指で押してみる。

 イメージするのはツボ押しだ。


 体の前面――お腹や腕なら、指が届く。

 そのあたりの気の流れが悪い部分を、ぐっと押したり、撫でたり、時には軽く叩いてみたりする。

 こんな方法でいいのかと思ったが、意外にもそれなりに効果があった。

 気が停滞していた部分を指で指圧したりすると、それなりに改善したような感触を得られた。

 なので、できる範囲で経絡の流れを整える指圧マッサージに勤しんだ。


 もしかすると、子どもの体だからいいのかもしれない。

 凝り固まった大人の体を指圧するのと比べると、この世に生を受けてからまだ数か月しか経たない子どものほうが悪いところが少ないだろうし、反応もいいのだろう。

 あれこれしていると思ったよりも気の流れがよくなった。


 そして、それに伴い全体的な変化も感じ取れた。

 手が届く範囲しか手当てできなかったのに、全体的な気の流れがよくなり、それに伴い体にため込む気の量も増えたみたいなのだ。

 それまではすぐにお腹に余剰としてたまっていた気が、溜まりにくくなってきた。

 体全体の容量が増えたのかもしれない。


 さらに、指圧マッサージを行ったことによる変化は続く。

 毎日の指圧とハイハイ運動を行うことによって、それまでよりも経絡を流れる気の速さも変わってきたのだ。

 それまでは小川のようにちょろちょろ流れていたものが、川の水量が増えたことで勢いが増したとでも表現すればいいだろうか。


 そんな量と勢いが増した経絡は、胴体部分をスタートして体の末端にまで流れていき、そして末端部から胴体部へと戻っていく。

 そうすることで、今度はそれまで感じていた気の滞りの残りの部位、つまり俺の手が届かない背中や足のほうなんかの流れの改善にも繋がったのだ。

 手が届かないので指圧できないからどうしようかと思っていたのだが、水量が増したことで川の流れに変化が起きた、みたいな感じで強制的に滞りが改善されてしまった。

 まあ、多少はストレッチのように、手が届かない部分にも刺激を与えていた。

 それも効果があったのかもしれない。


 とにかく、俺の体を流れる気は劇的に改善していった。

 そして、それが好循環を生んだ。

 経絡の働きが良くなると、体を動かしやすくなる。

 なので、体を動かしていくと、新たに気になる部分が見つかり、それを改善するために指圧マッサージやストレッチを行い、さらに体の動きが良くなる。

 それに、子どもの体は毎日どんどん成長するものだ。

 日々変わる体を観察し、それに合わせて経絡を整えていく。



 そうして俺は――

 指圧

 ハイハイ

 内気功

 そんな修行を毎日繰り返した。


 気が付けば――

 数年の月日が流れていた。

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