表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
68/87

混沌

 ゴクリ。

 森の中で一人、注連縄を見ながらつばを飲み込む。

 この先には魔物がいる。

 少なくとも魔物避けの効果範囲の外であることは間違いない。

 そんな場所へと自分から行くのは間違っているのだろう。

 が、これよりも内側エリアで氷菓樹の実を採取できる機会はかなり少ないのは確かだ。


「よし、行くぞ」


 食欲と好奇心、そして恐怖心までもを原動力に俺はその注連縄の下をくぐり、その先へと進んでいった。

 いけないことをしているという背徳感と、ジェットコースターやお化け屋敷のようなスリル感みたいなものも俺の背を押す。

 駄目だ駄目だと思いつつ、あっという間に注連縄の下を潜り抜け、その先へと足を踏み入れた。


「……な、なんだよ。やっぱりたいしたことないじゃないか。さっきまでの森と一緒、じゃあないみたいだな?」


 独り言をつぶやく。

 なんでもないと心に言い聞かせるように俺の口から出たその言葉だが、その直後に自分自身で否定してしまった。

 だってしょうがないだろう。

 注連縄の手前と向こう側。

 そこで明確に違いを感じ取ってしまったのだから。


 いつか、この注連縄の手前で木こりの先達に聞いた話では、これはただの目印で実際には注連縄を越えなくても魔物が出るという話だった。

 なので、これが明確な境界線ではないということだったはず。

 だけど、俺の目には違いが感じ取れる。

 いつ魔物が出ても逃げられるように闘気を目に集めていたのだけれど、それまでと見える色が違ったのだ。


 ここまでの村のそばの森の中は、雪が降り積もるこの時季の影響もあり、基本的には黒い気の色を主体として木々の青や土の黄色が見えてもいた。

 しかし、注連縄を越えた先に見える気の色はもっと複雑なのだ。

 色は多分五色であることに違いないのだろうけれど、それぞれの色に濃淡があり、複雑に混ざり合っている。

 迷彩柄というか、マーブル模様というか、そんな感じだ。

 パッと後ろを振り返り、先ほどまでいた森の色を確認する。

 やはり、ここまで複雑ではなく、もう少しシンプルな色使いという印象を受ける。


 混沌。


 俺が受けた注連縄の向こう側の印象はその一言に尽きる。

 魔境の色は村周辺よりも混沌としているのだ。

 これは魔物避けの効果なんだろうか?

 魔物たちからしてみれば、村側の整った気配は近寄りがたく、色がまじりあったこちらのほうが住みやすいのか。


「でも、今は冬だからまだ黒が強いんだよな。春になればさらに複雑化するかもしれないし、そうなったら内気功・迷彩の難易度が上がるかもな」


 混沌としている魔境ももちろん雪が降っている。

 これが雪のない時季になれば、さらに色に変化が現れ、周囲の色に自分の肉体の闘気の色を合わせる迷彩はやりづらくなるに違いない。

 そうなれば、魔物たちに見つかる危険も今よりずっと増えるだろう。


 とはいえ、今は冬だ。

 しかも、俺は雪の寒さに対しての守りを固めるために外気功・属性強化を行っている。

 着ている防寒具に雪(水)に強い土(黄)闘気を纏わせている。

 迷彩のように気配を断っていない。

 十分に気を付けて魔境の探索をしないとな。


 そんな風に考えて、さらに目に闘気を集中させると見付けてしまった。

 これまで採取してきてだんだんと減ってきてしまっていた氷菓樹の実がなっているのが早速発見できてしまった。

 すぐに回収へ向かいそうになったが、ぐっと堪え、再度周囲の確認をしながら音をたてないように気を付けつつ、その氷菓樹まで向かっていった。

お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけけますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ