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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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スノーゴーレム

「こいつ、鳥タイプか。やっかいだな」


 氷菓樹から飛び降りた俺は、改めて相手の姿を見据えた。

 そこでようやく顔をあげて相手の姿をしっかりと見る。

 白い雪の塊。

 そこにいたのは、白い雪の塊のような魔物だった。

 どうやら俺と同じく、氷菓樹の実を狙っていたらしい。


 魔物。

 この世界には魔物がいる。

 だけど、俺は今まで魔物と直接遭遇する機会はなかった。

 それは、俺の住むケイオス村の魔物避けの効果がしっかりと効いていたからだ。


 村にある魔物避けはそれを中心にして村全体と森の一部をカバーする働きがあるという。

 森の中では奥に進むほどにその効果がなくなり、ある一定程度村から離れると普通に魔物と遭遇してしまう。

 その目安として、森の中には注連縄があった。


 俺はこれまでその注連縄よりも手前までしか行ったことが無い。

 別に注連縄は目安であり、それより手前でも魔物と遭遇することはないわけではないのだそうだ。

 そして、それは時季も影響しているのだという。

 つまり、今のように雪が積もる冬の時季には、本来なら注連縄の内側でも、冬場は魔物と遭遇することがあるらしい。


 スノーゴーレム。

 今、俺に攻撃をしてきたのはそんな名前の魔物だ。

 土でできたゴーレムではなく、雪でできたゴーレムだ。

 こんなふうに雪だらけの季節だから魔物も村の近くによってくるのだろうか。

 スノーゴーレムは雪で構成された体を持つ魔物なのだが、その姿かたちはさまざまだ。

 今回は鳥のように空中を飛ぶタイプだ。


「っち。羽を飛ばす遠距離攻撃持ちか」


 小さな小鳥のような姿で空中を飛びながらも、俺に向かって本来は存在しないであろう羽を飛ばしてくる。

 スノーゴーレムは生物ではない。

 なので、羽なんかあるわけねえだろ、と思うのだが、本物の鳥の羽を模したような雪でできた羽毛のついた羽で攻撃してきた。


 その雪の羽による攻撃を避けながら、ノクジルアックスを構える。

 何度も飛ばされる羽を避けたり、ノクジルアックスで弾いたりして守りを固め、攻撃の機会をうかがう。


「今だ」


 十数回もの攻撃をしのぎ続けた。

 雪の魔物に体力という概念があるのかは分からないが、何度も何度も攻撃を避けたのがよかったのだろう。

 らちが明かないと見たのか、羽を飛ばす遠距離攻撃をやめて、鳥型スノーゴーレムが接近してきたのだ。

 それを見て、ノクジルアックスを振り上げて構える。


 内気功を起動する。

 全身の経絡にたいしてほとばしるように闘気を流し、内気功・輪転を行う。

 そして、そのうえでノクジルアックスに対して外気功・属性強化を行使する。

 使うのは白闘気と黄闘気、それにわずかに青闘気。

 これまで何度も愛用の斧を強化して振ってきたことで、しっかりと木製の柄も強化を行ったほうが攻撃力が高まることも分かってきたからだ。

 青の木属性闘気で柄を強化し、振り下ろした際の木のしなりを十全に活用し、威力を高める。

 そのままスノーゴーレムへ叩き込む。

 特攻効果のある黄闘気を混ぜ合わせたノクジルアックスをぶち当てる。


 鳥の形をした雪の魔物の鋭いくちばしが相手の飛翔に合わせて勢いよく俺に向かってき、その途中で斧とぶち当たった。

 ドンっと大きく低い音が雪景色の中に響く。

 そして、次の瞬間俺とスノーゴーレムはお互いに後方に弾き飛び、しかし、次に動き出したのは俺だけだった。

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