属性強化
俺の気を使って物を強化する外気功・外纏。
それをさらに発展させ、強化したい物質が本来持つ気の色に合わせて、その色の気で外纏を行うことで強化効率を向上させる技法。
俺は新たに生み出したこの技にも名前を付けることにした。
その名もずばり、外気功・属性強化だ。
これは、白色の気を使ってノクジルアックスの斧の刃を強化したほうが木が良く伐れたことから名付けたものだ。
その物質がもともと持つ気の色――つまり属性に合わせて行う強化のことだ。
が、その後にいろいろ試した結果、属性強化というネーミングは別の意味でもより適していたと気が付いた。
それは、気の色に対応した属性はそれぞれに弱点となる関係性があったからだ。
自分の復習のためにも、分かりやすくまとめてみようと頭を整理する。
気には色が存在している。
青・赤・黄・白・黒だ。
そして、それらの色はそれぞれ、木・火・土・金・水に対応している。
このなかで、俺は白色の気を使って金属であるノクジルアックスを強化した。
そして、その白の気で強化した金属製の斧を使って、木を伐ったわけだ。
実はこれは、白=金が青=木に対して弱点を突いている、つまり特攻効果があったらしい。
そのために切れ味が向上したらしいのだ。
弱点関係はほかにもある。
例えば分かりやすいのは、火と水の関係だろうか。
一般的な考えとしても、火に水をかけると消える、というのは当たり前だろう。
このことから、赤の気は黒の気に対して不利な関係にあるらしい。
ちなみに、黄色の土は青の木に弱いらしく、弱点になる。
これらの関係性については、五色すべてがある鍛冶場で属性強化をしながら、どれがなにに弱いかを調べて判明した。
木(青)は土(黄)に強い。
火(赤)は金(白)に強い。
土(黄)は水(黒)に強い。
金(白)は木(青)に強い。
水(黒)は火(赤)に強い。
多分これであっているはずだ。
最初はちょっとややこしく感じたけれど、図にすると割と簡単に理解できた。
要するにこれは、あれだ。
五芒星のように配置するとわかりやすい。
木・火・土・金・水は、それぞれ一つ飛ばしの属性に強い。
要するに、じゃんけんのような相性関係があるらしい。
で、それが何だという話だ。
そう思わないこともないし、言われたら困る。
結局斧を強化するときには金(白)での強化をするだけで、せいぜい柄の部分を木(青)の気で纏わせるくらいだ。
わざわざ、斧を火(赤)や水(黒)で強化することはないし、やっても木の伐りやすさはそこまでだった。
なにもしないよりはいいけれど、金(白)での強化のほうが効率が良かったからだ。
なので、木こり仕事を行う上ではあまり意識してもしなくても関係ないと言える。
だが、鍛冶仕事では話が別だった。
この属性強化が結構役立つのだ。
特にこれまでよりもより効率的にできるようになったのが、刃物の研ぎだ。
砥石を使って金属の刃を研ぐ仕事は、鍛冶仕事では火で金属を鍛えた最後に絶対に行う重要な仕事だ。
この研ぎ仕事で俺は砥石を属性強化して刃物を研いだ。
砥石はどうやら石だからか土の一種らしい。
そのため、土属性の黄色の気で属性強化を行う。
が、その時、金属に対して特攻効果のある赤色の気でも強化を行ったのだ。
すると、それまでよりもはるかによく研げるようになったのだ。
同じ砥石を使っているのに不思議なくらい違う。
なんなら、鍛冶屋に持ち込まれたいつから手入れをサボっていたんだと思うような錆びた刃物でも、割と短時間で研げるようになり、新品のようにピカピカにできるようになった。
この成果に気を良くした俺は、さらにさまざまな物へ外気功・属性強化を試し始めたのだった。
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