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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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使い分け

「ふう。ようやくできたな。時間かかったなー」


 内気功・迷彩を使えるようになってからさらに一か月以上が経過した。

 その頃になってようやく、俺はノクジルアックスを効率よく強化する方法を見つけることができた。

 迷彩は割とすんなりとできるようになったのに対して、こちらはかなり時間がかかってしまった。


 森で木こり仕事をするうえで、金属としては脆いノクジルアックスで木を伐るのは簡単ではない。

 それをなるべく斧に負担をかけず、太い幹を持つ木を伐ることができるようにするために、俺は外気功・外纏を使っていた。

 だが、その外気功をさらに効率よくできないかと考えて、自身の肉体でも行った経絡の強化を物質に対してもできないかを試行錯誤していたのだ。

 その過程で、木製の柄と金属の刃では気の色が違うことに気付き、なぜか隠密行動を可能とする内気功・迷彩にたどり着いたというわけだ。


 しかし、本命はそこではない。

 今よりももっと斧で木を伐りやすくするためには、森の小動物から身を隠す迷彩ではなく、斧の強化を素早く・効率的に行いたいのだ。

 そのために、斧を俺の気で纏わせるだけではなく、内部を高速で気の移動をさせようと思っていた。

 これが、なかなかの難題だった。


 自分の肉体では、肉体に満ちた気が飽和状態となってお腹の中に沈殿する感覚があった。

 沈殿した気を経絡の強化に利用するという発想自体は間違っていなかったと思う。

 だが、それを俺の肉体以外でも同じようにしようというのが間違いだったのかもしれない。

 俺の気を斧に纏わせることはできても、内部を満たすのは大変だし、そこからさらに気の通り道である経絡を作るというのも困難を極めた。


 そこで俺は、この方法を一度捨てることにした。

 そもそもの話だが、すでにある経絡を強化するのと違い、ノクジルアックスの柄や金属部分は経絡がないのだから、難易度が違って当然なのかもしれない。

 そこで、発想を変えてみることにした。


 斧の効率的な強化でも着目したのは気の色だ。

 これまでは、俺は自分の気に複数の色が存在することを認識していなかった。

 それゆえに、外気功・外纏を行うときも、色分けなど関係なく手先のツボから出せる気を斧に纏わせていた。

 これを変える。


 つまり、俺は指先から出る気の中でも、木製の柄には木が本来持つ気の色である青色の気を中心に流し込むことにした。

 そして、その青の気の上を滑らせるようにしてさらにその先にある金属である隕鉄製の斧部分を金属が持つ白色の気で覆うようにしたのだ。

 これが大当たりだった。


 本来、その素材が持つ気の色で外気功・外纏を行うことで、それまでよりも少ない気の量でも効率的に斧を強化できたのだ。

 特に、刃先の切れ味や耐久性が上がったのは大きい。

 今までよりも深く斧を食い込ませることが可能となり、それによって、俺は太すぎない大きさの幹を持つ木であれば、ノクジルアックスで伐り倒すことができるようになったのだ。


 強化する対象に合わせて、自分の使う気の色を調整する。

 言葉で言うのは簡単なのだが、ここに至るまでに時間がかかってしまった。

 だが、この発想が出たことにより、それまで内気功・迷彩をしていたのが役立ったと思う。

 体の中で周囲の景色に合わせてカメレオンのように任意の色の経絡に流れる気の量を常に調整し続けるという行為をし続けていたからこそ、斧に対してもできるようになったと感じている。

 こうして俺も、ようやく一人前の木こりに近づくことができた。

 一人でも斧を使って木を伐ることができるようになったのだった。

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