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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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気の色

「知らんかった……。気には色が複数あるんだな……」


 斧で木を伐るときに、伐りやすい場所を探すために内気功で体内の気を目に集中させるようにして観察を行う。

 その時に、木に流れている気の流れのいいところや悪いところを見つけることができ、隕鉄製の弱い斧でも俺は木の枝などを切ることができている。

 そして、その時に見えた気の流れは青だった。

 だからだろうか。

 俺はなんとなく、気というものは青色なのだと思い込んでいた。


 いや、違うか。

 ほかに色があるとは思わなかったからか、気の色なんてものを意識すらしていなかったように思う。

 だが、それは誤りだった。

 今回、俺が闘気を目に集めて自分の持つノクジルアックスを観察しなおして気が付いたのだ。

 気には色が存在し、そしてそれは青一色ではない、ということに。


 ノクジルアックスは金属である斧部分と、木製である持ち手部分の二つがある。

 この二つの属性を持つ素材でできた斧をより気で強化しやすくなるように、斧の内部に気の通り道を作ろうと考えた。

 普段俺がしているような、斧を覆うようにして闘気を纏わせるのではなく、斧の内部を素早く気を移動させるためだ。

 そして、そのためには既存の素材が持っているかもしれない気の通り道を利用しようと思ったわけだが、木製の柄の部分はおぼろげながら青色の気が、金属部分は白色の気が見えたのだ。


 青と白の気が、点々と散らばるように存在している。

 何度も確認するが、木と金属で内包する気の色は確かに違っている。

 そんなことがあるのかと思いつつ、俺は自分の体の中に流れる気にも注目することにした。

 今までは体内にあると感じてはいたものの、色を意識したこともなかった自分の気の色は何色なのか。

 それが疑問になったので、実際に見てみる。


「まじか。俺の気の色って五色もあったのか」


 木や金属と違う人間の気の色があるのかとも思ったが、違うようだ。

 俺の体内には木と同じ青色の気があるし、金属と同じ白色の気もあった。

 そして、それ以外の色もある。


 青・赤・黄・白・黒。


 五種類の色を持った気が俺の体内にはあったのだ。

 ……なんで今まで気が付かなかったんだ?

 自分でも不思議だが、本当に意識していなかったとしか言いようがない。

 逆に、今は意識をしてしまったが故か、気には色が存在しているのが当たり前のようにも感じてしまう。


「……そういえば、色については前にガウェイン先生が気になることを言っていたっけか。なんだったかな。たしか、水は黒だとか言ってたような?」


 なんの話で出たんだったか。

 はっきりとは覚えていないが、たしかそんなようなことを言っていた気がする。

 俺の常識的な色の認識でいえば、水は青色をしているイメージだが、ガウェイン先生は水は黒だと言ったことがあったと思う。

 それを聞いたときは、そういう風習があるのかと思った。

 色の認識はその土地や風習で違うこともあるだろうから、この世界ではそういうふうに水の色を認識している人が一般的なのかと思ったのだ。


 だが、もしかすると違うのかもしれない。

 気になった俺は、実際に確認してみることにした。

 水に宿る気の色は何色なのか。

 それを闘気を集めた目で、確認するために水場に溜まった水を見る。


「黒、か。ってことは、水の中にある気は黒色ってことなんだな」


 木は青、金は白、水は黒、か。

 もしかすると、俺が認識している闘気って前世で聞いた五行説という考え方に近いのかもしれない。

 たしか、木・火・土・金・水だったっけ?

 ってことは、火は赤か?

 で、土は黄色?


 そう考えた俺は、慌てたように地面を見た。

 木の根っこや草が覆い茂った森の中。

 そんななかで、草を払いのけて見た土の中の気は、たしかに黄色をしていたのだった。

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