表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/90

空洞回路

 食事の際に祝詞を唱えることで、その食事から摂取したものを消化し、体内で気を生み出すことができる。

 生み出された気は自然と全身へ巡るが、体内の気の飽和度がマックスを越えるとお腹のほうに沈殿するようにして溜まってしまう。

 俺は子どもの時からその気の沈殿を避けるために、積極的に内気功・輪転を使用して体を動かし、気を消費してきた。


 だが、最近は内気功・輪転を行っても体内に気の沈殿が起こるようになってきていた。

 それは、自分で少ないながらも稼ぎを得て買い食いすることがあったり、あるいは森で野草やキノコ、薬草なんかを採取し、それを煎じて摂取することでかつてよりも気を取り込む量が増えていたからだ。

 なんとか気を消費して沈殿を防いできたものの、いずれはそのうちお腹の中に塊ができてしまうのではないかという気がしている。


 そう遠くないうちに、俺は体内の気を消費しきれなくなる。

 であれば、その気が沈殿する場所を自分の好きなところに変えてやろう。

 つまり、お腹の中で気が塊になるのを避ける代わりに、別の任意の場所に沈殿することを容認してみようと考えた。


 その場所こそ、俺が経絡と認識している部分だ。

 体の中にはお腹のあたりで発生した気が手や足、あるいは頭に向かって移動するルートがあり、それを経絡と呼んでいる。

 いつもならば、内気功・輪転を行う際にはその経絡という流れに沿って気を移動させているわけだが、その気の流れをより高速化するための回路、あるいは線路を作る。

 そのための材料は沈殿してしまう気の塊だ。


 つまり俺は、いまだ感覚でしか捉えられていない曖昧な存在である気を、それ自体を使用して気のレールを作ってしまおうと考えた。

 気はツボで滞留したり排出されたりするので、そのツボとツボをつなぐようにした、水道管のような内部を気が移動する管と認識してしまうのがいいかもしれない。


 体内の気がその管を通って全身を行き渡り、そしてまたお腹のほうへと戻ってくる。

 ……これって血液が流れる血管みたいだな。

 自分でイメージしていてそんなふうに思ってしまった。

 だが、血液よりももっと高速で動くような、それこそ電気が流れる回路のようなものをイメージする。

 これは、より体内を流れる気の移動速度が上がるようにしたいという思いからだ。


 そんなものを作ることがそもそもできるのか。

 それすらもわからない。

 が、魔導刻印なるものがあるのであれば、可能性はゼロではない、と思いたい。

 そう考えて、俺は自身の体の中に気の高速移動回路を作ろうと意識する。

 体内に満ちる気をそれまでとは逆にギュッと押し固めて固体化するようにイメージする。

 お腹から徐々に、内部が空洞になった管を作るように、それがもともとイメージしていた経絡の流れと一致するように想像しながら、整備していく。

 時間がかかる。

 が、焦らない。

 立ったまま、目を閉じ、自身の肉体だけに意識を集中してそれを作り上げていく。


 どれほどの時間が経ったのだろうか。

 よくわからない。

 が、経絡二つ分の回路が出来上がった。

 体の前後の正中線を走る二つのルートだ。

 まだ、ほかにも経絡はあるけれど今はとりあえずこの二つだけ。

 だが、この二つだけを空洞回路として気の高速化ができるようになった。

 さらに回路を増設すればもっと速くなるはず。


 こうして、俺はそれまでよりもはるかに体内での気の移動速度を向上させることに成功したのだった。

お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけけますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ