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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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勉強の成果

 森の中に存在する注連縄という境界線。

 その内側で、俺は薪や柴を拾い集めていく。

 親に用意してもらった籠を背負い、森で拾った木の枝を次々と入れていく。

 この村からそれほど離れていない森の中では、木々は材木ギルドの財産として扱われている。

 が、だからといって自然と落ちた枝などまでを厳重に管理しようとはしていないみたいだ。

 というより、そこまではできないのだろう。

 せいぜい、村の人間が気軽に森に入って勝手に木々を傷つけないようにという意味合いが多いのだと思う。

 人と魔の境界線に位置する森の中で完全な管理体制を敷くには、さすがにギルドの目が行き届かないからだ。


 そして、材木ギルドである以上、木以外は割と寛容だったりする。

 俺は薪や柴を拾い集めながらも、ほかにも森の恵みを手にすることができていた。


「お、これは食べられるキノコだな。ラッキー。今日のご飯にしよう、っと」


 その一つが、倒木に生えているキノコである。

 森の中で無数に生えているキノコの中でも食べられる種類は限られているが、これは確か食用のキノコだ。

 見た目は毒々しいオレンジ色をしているので、一見すると毒キノコに見えてしまう。

 というか、そっくりな見た目で実際に毒があるキノコもこの森には生えている。

 なので、安全を考えると見送るのが無難なキノコなのだけれど、キノコの傘が毒キノコと比べてわずかに開いており、そしてそこに点々と小さな黒点があるのが食べられる証拠なのだ。

 これなら、その特徴がはっきりと見て取れるため、安心して今日の夕食にできる。


「学校での勉強も実際に役に立つものだね」


 食べられるキノコとそうでないキノコを識別しながらそんなことを思ってしまう。

 実は俺はかなりキノコに詳しくなっていた。

 それは俺が通っていた学校に置いてあった本がきっかけだ。

 ほとんどの本は聖書のように文字だけが書き連ねてあったのだが、キノコについて書かれた本があり、それにはキノコの特徴について、文章だけではなく簡単なイラストまでつけて解説しているものがあったのだ。


 もちろん、カメラもないこの世界で正確なキノコの絵があるわけではない。

 が、その本をもとにして、俺は自分の家で母や祖母に実際に本に書かれていたキノコが食べられるのかどうかを確認したのだ。

 そして、その本の情報は確からしいと知った。


 それからは、写本作業で誰かがミスしてしまった紙の余白などを使って、そのキノコの本のイラストを描きまねたり、実際に祖母が食卓に出すキノコを見せてもらったりして自分でも描いていたことがあるのだ。

 内気功で頭や手指に気を集めることで、実物を見てのデッサンが上手にできたり、記憶の定着が効率よくできたこともあり、この地域で食べられるキノコなら、ほぼ見分けがつく。


「ま、それでも本当に食べられるかは持って帰ってばあちゃんに確認しないといけないだろうけどな」


 いくら勉強で覚えたといっても、そこは長年の経験がある年の功には勝てないだろう。

 持ち帰って、本当に毒キノコではないかを確かめないとまだ怖いかな。

 そうなると、俺が一人でキノコを独占して食べるわけにはいかないだろうから、その分多くキノコを見つけて帰りたいところだ。

 俺はその後も薪拾いを続けながら、食べられるキノコや野草も籠へと入れていったのだった。

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