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異世界に転生したけど、木こりをやってます ~斧と闘気で生きる辺境開拓ファンタジー~  作者: カンチェラーラ


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やりやすさ

「やっべ。めちゃくちゃ楽だ。これは、もう、レイラなしじゃいられない体になっちゃったかも」


 魔境の森を探索してすでに半日が経過した。

 道中では適度に藪を鉈で切るなどして道の整備をしつつ、水場の様子の確認や薬草などの採取をしつつ、ときおり現れる魔物と戦っていた。

 いつも通りの行動。

 だというのに、今までとは比べものにならないほど動きやすい。


 理由は一つ。

 今日はレイラが一緒だからだ。

 二人での探索というだけで全く違うのだ。


 といっても、レイラ以外だとこんなにやりやすさを感じなかったと思う。

 俺の基本方針は魔物から隠れながら進んで、情報収集しつつ、森の奥に進むことにあるからだ。

 もし、レイラ以外の一般的な探索者なら一緒にいても俺とは行動指針が違って、むしろ動きにくかっただろう。

 魔境という危険な場所に入るのは同じでも、そのなかで安全な場所で換金価値の高い素材を得るために魔境の森に入る探索者たちとは俺の動きは異なるからだ。

 だが、レイラは我欲を出すこともなく、俺の言うことを聞いてくれ、指示に従ってついてきてくれる。

 それだけでも、一緒にタッグを組んだのがレイラでよかったと思えてしまう。


 が、それだけではなく、レイラが魔術師であるというのが一緒に行動するうえで大きなアドバンテージとなっている。

 例えば、魔物を倒した後のこと一つをとってもそうだ。

 火狐という魔物を倒し、その体を解体するとする。

 解体作業自体は俺がナイフを使ってササっとやってしまうのだが、解体すれば血が出るのは避けられない。

 だが、その血の処理を魔術が使えるレイラはやってくれた。


 俺のナイフや手、服が血で汚れても魔術で水を出して洗い流してきれいにしてくれる。

 これだけでも非常にありがたい。

 清潔を保つ意味でも、血の匂いを付けて森の中を移動しなくてよくなる点でも、とても助かるのだ。

 さらには、解体して皮や肉、魔石などは持ち帰るためにマジックバッグに入れるが、そのほかの部位は捨て置くことになる。

 この時も、魔術を使って地面に穴を掘り、それらを埋めてしまえるのだ。

 その場で放置すると、例えばそれが俺の切り開いた森の中の道であれば、そこに魔物が近寄ってくるかもしれないし、それによってほかの探索者がその魔物に襲われてしまう可能性もある。

 そういうのを防ぐことができるわけだ。


 戦闘後の後始末だけでも、レイラの魔術があるだけで全く違うわけだが、魔物との戦闘の際にも俺の負担が減ることとなった。

 俺は基本的に森の中を移動する際には内気功・迷彩を使って気配を隠して、なるべく魔物から襲われないようにしている。

 が、それでも魔物と戦闘になることはあるし、相手が単独であるとは限らない。

 つまりは、魔物が複数で現れるケースもそれなりにあるのだ。


 そういうときの戦闘では、斧を持って戦う俺は頭を使って戦いを進める必要があった。

 が、レイラが魔術を使って複数の魔物を同時に牽制してくれるおかげで、俺は目の前の相手に集中し、いかに早く魔物の群れの数を減らすことができるかを意識すればよくなった。

 このおかげで、一回ごとの戦闘がずっと楽になり、戦闘にかかる時間も大幅に減った。

 戦闘時間の減少は体力の消耗を防ぐことができる。

 それだけではなく、怪我をするリスクも減らすことができるので大助かりだ。


「ありがとー。さっきは助かったよ、レイラ。魔術で相手を抑えてくれたから、楽に勝てた」


「ううん。少年こそすごいね。その斧で簡単に魔物を倒せる強さがあるのは正直驚き。すごい」


「えへへ。でも、さっきから戦闘以外でも魔術を使っているけど大丈夫? しんどくなってない?」


「平気。消耗の少ない魔術しか使ってないから大丈夫」


「そっか。無理はしないでね。それじゃ、先に進もうか」


 ブレナンパーティーにいた運び屋ギーグもたくさん細々とした魔術を使っていたが、今日のレイラはそのギーグよりもたくさんの魔術を使っている。

 が、実力の違いからか疲れた様子などまったく見せず、ぴんぴんしている。

 はたして、こういう魔術の使い方が魔術的な成長につながるのかどうかが俺には分からないが、無理ない範囲で甘えさせてもらおう。

 こうして、俺とレイラはお互いを褒め合いながら、さらに森の奥へと進んでいったのだった。

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― 新着の感想 ―
酷い言い方になるけどレイラさん凄い便利な女…! 気付けばいない生活を考えられなくなるやつやこれ…!
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