機関室の攻防
シャインとヤーコンは、どこからともなく現れてくるアンドロイドを、超古代の武器と覇道のダブル攻撃でくぐりぬけ、ようやく機関室の扉の前に辿り着いた。
「ヤーコン殿、ここが機関室です。この中に操作盤があります」
シャインはそう言うと、ブラスターキャノンを肩から降ろし、バックパックからビームサーベルを取り出した。
「おっ、光る剣ですね。直ったんですか」
「ええ、王宮でエネルギーを補充できました」
そう言うと、シャインはビームサーベルを機関室の扉の横にある小さな窓のような部分の近くに差し込んだ。
火花が上がり、扉の中で何か唸るような音が聞こえる。シャインは壁に刺さったビームサーベルの角度を変えたりして扉を開けようと細工していた。
その時、ヤーコンは、なにか気配を感じ振り返ってみて驚いた。
10メートル程先に、少女がいた。4.5歳だろうか、ぼろぼろの服を着た薄汚れた女の子が泣きながら立っている。
ヤーコンは混乱した。なぜこんなところにこんな子供が・・
少女は何も言わず、べそべそ泣きながらトコトコと近づいてきた。
ヤーコンは、呆然としたまま少女を見つめていた。
少女は、ヤーコンに数メートル位まで近づいた時、豹変した。
目にも止まらぬ速さで背中から自分の背丈程もある長い剣を抜き出し、ヤーコンに向かってものすごい勢いで振り下ろした。
ヤーコンの記憶は一旦そこで途切れ、次に覚えているのは、目の前でシャインが少女と斬り合っている場面だった。それは、不思議な光景だった。体格的に優れた超戦士のシャインが妙に長い剣を扱っている少女に完全に押されている。押されているどころか、シャインの身体には無数の刀傷がついており、ヤーコンが見ているほんの数秒の間にも数箇所切られていた。
「子供の形をしたアンドロイドか!」
ヤーコンは我に帰ると、印を結び呪文を唱え始めた、が、目の前で、少女の長剣が深々とシャインの胸に刺さり背中へ突き抜けた。
「カー!」
ヤーコンが気合を入れて覇道を放つと少女の動きが一瞬止まった。
シャインは、胸に剣が突き刺さったまま、ビームサーベルを横に薙ぎった。サーベルは的確に少女型アンドロイドの頚部を切り裂き、頭部が床にゴンと落ちて転がった。
シャインは、腕を上げたまま固まったように立ち尽くしている。
「シャイン殿!」
ヤーコンがよろめきながら近づいていくと、シャインは自分の胸から生えている剣を鷲づかみに引き抜き、顔を上げヤーコンの方に向き直し表情ひとつ変えず話しかけた。
「ヤーコン殿、突き飛ばしてすみません。最後のアンドロイドが小児タイプとは想定外でした。あれは、小型ですが基本性能は他のタイプと同じなもので、ああしないと間に合いませんでした。お怪我はありませんか?」
「・・・ええ、・・私は大丈夫です・・それよりシャイン殿こそ・・」
「・・ヤーコン殿、お願いがあります。既に私の稼動可能率は10%を下回り、自発歩行が困難になってきました。機関室の扉は開きましたので、私を操作盤まで連れていってもらえませんか」
そう言いながら、シャインは尻餅をつき口端からピンク色の液体を流し始めた。
「・・わかりました」
ヤーコンはシャインを抱きかかえ開いたばかりの機関室の扉の中へ入っていった。




