連携
シャインはブラスターを降ろし、後ろを見た。
そこには、胸の前で印を結んでいるヤーコンの姿があった。
「ヤーコン殿」
「いやあ、シャイン殿、恐ろしいおなごですなぁ、大丈夫ですか」
「今、あれが一瞬止まったのは、ヤーコン殿が・・」
「そうです。あの巨大ゾンデを止めたのと同じ覇道を使ったのですが、ほとんど効果がありませんでしたな」
「いえ、ヤーコン殿が来なければ、今頃、私はあれに切り刻まれていました」
「あのおなごはいったい・・」
「この「ギガベース」の自己防衛機能。侵入者を排除するためのアンドロイドです」
「アンドロイド・・ああ、先日ケイン様を襲ったメイドのような機械と同じものですか?」
「はい、このタイプは、「ギガベース」専用のもので、侵入者を殺戮し排除するためのみに作られています。施設内部に傷をつけないよう火気類は持っていませんが、刃物による白兵戦に特化した専用タイプで、斬り合いに持ち込まれたら、私などひとたまりもありません。近づかれる前に撃ち壊さないと勝てない相手ですが、まさかブラスターまで避けるとは想定外でした。ヤーコン殿の覇道のおかげで助かりました。しかしヤーコン殿はなぜここへ・・」
「ああ、砦の中をどうしてもみたくて・・好奇心に勝てず来てしまいました。ところであのおなごのようなのは他にもいるのですか」
「あのアンドロイドは「ギガベース」には全部で10体装備されているはずです。あと9体はいます。あのスペックだと私一人ではほとんど勝ち目がありません。・・・ヤーコン殿、ぜひご同行願いたいのですが」
「おお、私でお役にたてるのであれば喜んでお供しましょう。ところでどこを目指して進んでいるのですか?」
「機関室です。機関室にはケイン殿がこの「ギガベース」をコントロールするように設定できる操作盤があります。この「ギガベース」を止めるにはそれしかないでしょう」
「あっ、新手が来ましたよ」
ヤーコンは、シャインの肩越しに、女の姿を見つけ知らせた。
シャインは振り向いてブラスターキャノンを構えるとヤーコンに合図を送った。
ヤーコンは胸の前で印を結び、呪文を唱えた。
女は、ものすごい勢いで二人に向かってきたが、一瞬、見えない何かにぶつかったように動きが鈍った。
シャインはその動きを的確に捉えてブラスターの熱線を叩き込んだ。
女は、ブラスターの衝撃と自身の勢いが相殺され、真横にはじき飛び、壁に激突した。
壁に映った映像を見ていたガーゼル王は、顎鬚をいじりながら黙っていた。
ジーザ王子は画面に映った二人の男と銀色の女の戦いを見て驚嘆の声を上げた。
「あれが、黒ずくめの戦士ですか・・もうひとりは、魔導師ですね。あの信じられないような動きの女といい、なんという戦いだ・・」
味方がやられているにも関わらず、ジーザはその戦いに魅入られている。
「あの者どもはどこに向かっている?」
ガーゼル王が学者に尋ねた。
「どうも、『砦』の中心に向かっているようです」
「中心?中心には何がある?」
書物をめくり調べながら学者が答えた。
「・・・機関室です」
「機関室?」
「ここ司令室が頭であれば、機関室はいわば心臓になります」
「心臓とな・・うぅむ・・」
それっきりガーゼル王は黙りこくってしまった。
そうしている内にも、ガーゼル王たちの見ている映像には、シャインとヤーコンが次々と刺客を倒し、機関室へ向かっている姿が映し出されていた。




