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第二十六話 阿弥陀如来の話

阿弥陀如来は、最も人気のある如来で、

西方にある極楽という仏国土を持っています(極楽浄土)。

無量寿仏・無量光仏ともいうことがありますが、

空間と時間の制約を受けない仏であることをしめしています。

像形は、装身具を着けない質素な服装の如来形で、

九品印を結ぶ姿で表されることが多いのです。

「九品印」とは阿弥陀仏が衆生を九種類に分類して

救済するのですが、

親指と他の一指で丸を作った手の所作で決まります。


阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来、大日如来の区別は

顔付き、体付きを見ても見分けが付きませんが

手付きの印相を見れば少しは見分けが付きます。

よく座禅の時に結ぶ手の形を定印といいますが、

阿弥陀如来は弥陀定印と言って

親指と他の指で丸を作っていますが、

釈迦如来、薬師如来、大日如来(胎蔵界)の三如来は

丸をつくりませんので、

見分けることが出来ます。

阿弥陀三尊として祀られるときは、

脇侍に観音菩薩(特に聖観音)・勢至菩薩を配します。


密教においては、

五仏(五智如来)の一如来として尊崇されることが多いようです。

阿弥陀如来は四十八願をかけて厳しい修行をされた末、

悟りを開いて如来になられた仏さんで

我が国では一番多く礼拝されております。

阿弥陀如来を本尊とする浄土系の宗派が、

在家の信者にただ念仏を唱えるだけで

難しい修行をしなくても極楽往生出来ると説いたのに併せて

八大地獄の有様などの話を吹き込んだため、

一般大衆は地獄に堕ちることなく浄土に行けることを願い、

阿弥陀如来が圧倒的に支持されるようになりました。



阿弥陀如来像と言えば

「鎌倉大仏」が有名ですが、

神奈川県では唯一の国宝指定の仏像です。

与謝野晶子の和歌に

「かまくらや みほとけなれど 

釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」

とありますが、

鎌倉の大仏は弥陀定印ですので

阿弥陀如来以外ありえないのです。

ちなみに奈良の大仏は毘盧遮那仏で、

史実の人物としてのお釈迦様を超えた

宇宙仏の中心の仏で、

真言宗などの密教では

大日如来と呼んでいるようです。


ところで我々が死んだときに

阿弥陀様が迎えに来てくれると言いますが、

信仰心が篤くしかも現世で多くの善行、

功徳を積まれた善男、善女は

阿弥陀如来が二十五の菩薩を連れて

臨終者の枕元まで迎えにきてくださるそうで、

お寺によってはそのような像があります。

しかし、私のように信仰心も薄く功徳などに縁がなかった者は

阿弥陀如来の代理の方しか見えないうえ、

雨戸のようなお粗末な蓮台に乗せられ

それから長い時間を極楽往生することになると言いますから、

なるべく死ぬのは先に延ばしたいと思っています。

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