第十二話 弥勒菩薩の話
今日は弥勒菩薩のお話です。
地蔵菩薩のお話で少し触れましたが、
弥勒はお釈迦様の次にブッダとなることが約束された
菩薩(修行者)で、
お釈迦様の入滅後56億7千万年後の未来に姿を現われて
、多くの人々を救済するとされています。
それまでは兜率天で修行(あるいは説法)しているといわれ、
中国・朝鮮半島・日本では、
弥勒菩薩の兜率天に往生しようと願う信仰(上生信仰)
が流行したそうです。
弥勒菩薩像はインドでは
水瓶を手にする像として造形されましたが、
中国においては、
唐までは足を交差させ椅子に座る像として造像され、
元・明時代以降は弥勒の化身とされた布袋として
肥満形で表されたと言うのも
お国柄があって興味深いです。
一方、飛鳥時代の日本では
半跏思惟像として造像が行なわれました。
すなわち椅坐して左足を下ろし、
右足を上げて左膝上に置き、
右手で頬づえを付いて瞑想する姿です。
大阪・野中寺の金銅像(重文)が
「弥勒菩薩」という銘文をもつ
最古の半跏思惟像だそうですが、
京都の広隆寺の弥勒菩薩像は特によく知られており、
国宝に指定されています。
また50円切手の図案になっている
中宮寺の木造菩薩半跏像も弥勒菩薩として有名です。
広隆寺と中宮寺の弥勒菩薩はともに飛鳥時代の作で
見間違うほどよく似ていると思うのは私だけでしょうか?
いずれも熱烈な女性のファンが多いですね。
前述のとおり、
この方は如来になることが約束されているわけで、
如来形の仏像もあります。
有名な弥勒如来像としては、
前述の奈良の東大寺の木像(通称「試みの大仏」)(重文)や、
当麻寺金堂の塑像(奈良時代、国宝)、
興福寺北円堂の運慶一門作の木像(国宝)などがあります。
ところで弥勒の下生は56億7千万年後とされていますが、
この気の遠くなる年数は、
弥勒の兜卒天での寿命が4000年であり、
兜卒天の1日は地上の400年に匹敵するという説から、
下生までに4000×400×360=5億7600万年かかるという
計算に由来するのだそうです。
そして、後代になって
5億7600万年が56億7000万年に
入れ替わったと考えられていますが、
宇宙科学においては約50億年後に
地球が太陽に飲み込まれると予測もあるそうで
これは単なる偶然の一致なのでしょうか。




