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 **ヴァルドの独り言**


 今日もあの4人組が来た。真面目に人の忠告を聞いて、最初のスライムと角うさぎの納品だった。本当真面目だ。狩った数も4人だとちょうどいいぐらいだった。無茶も無理もしていないし、さぼってもいないちょうどいい量。

 自分のことじゃないのに、なんか嬉しくなった。


 それに、今日はあいつら街仕事を受けてくれた。冒険者は派手な討伐が好きなやつが多くて、街仕事は後回しになることが多い。受付が無理やり仕事を受注させたりできないからいつももやもやしていたが、今日は4件も片付いた。それも全員ちゃんと終了のサインを貰ってきた。優秀だ。これだけやれば、初心者でも生きていける。あいつらは育ちが良いように見えるから荒事の多い冒険者として大丈夫かと心配していたが、ほっとした。


 討伐も丁寧で素直に忠告を聞く、そういうやつは伸びる。奴らがどこまで成長するのか楽しみだ。

 自分のことじゃないのに、何か気になるものを持っている。今後も見守りたいものだ。



 **歌を聞いていた女性の独り言**


 今日も、タイミングよく例の4人組の歌が聞けた!本当にラッキー!!

 わたし思ったんだけど、あんなに美しい人たち、やっぱり、あの4人組はどこか異国の王子様じゃないだろうか。品のある美人が兄王子様、少しやんちゃで甘いマスクの弟王子様、眼光鋭い美形は2人を守る騎士様でいつもにこにこしている小柄な彼はきっと2人のお世話をする従者だ。


 権力競争に敗れて国を脱出してきたに違いない。育ちの良さそうな丁寧で品のある物腰、手入れのされた髪や真っ白な指先の美しさ気品のある麗しいお顔。まばゆいぐらいの煌めきを感じる。あの黒曜石のような神秘的な瞳に見つめられると吸い込まれてしまいそうだった。絶対王族だったでしょ。


 懐かしいような切ないような異国の音楽。いい。本当にいい。どんな経緯かわからないけど、歌を歌って稼がないといけないぐらい遠くから彷徨ってきたのであれば、わたしたちがお助けしないと!!そんな使命感が出てくる。


 キャロンと相談しなくては。わたしたちで王子様をお守りしなくては!熱い気持ちが沸き上がってくる。彼らを助けるために街の他の女の子たちにも声をかけよう!!


 そういうことで、こみ上げる熱意でいつの間にか街の若い女子の間で4人を見守る隊が出来ていた。


 1.決して抜け駆けしてはいけない。

 2.絶対に迷惑をかけてはいけない。

 3.歌の対価は必ず支払う。

 4.万が一追手が来たら絶対守る!!

 5.みんなで彼らを守ろう!!


 ハルが聞いたら、追手って何?って驚くだろうけど、いつの間にか権力競争から逃げてきた某国の王子様たちというような誤解がどんどん積み重なっていた。


 誤解は誤解のまま妄想へと昇華され、今後ハルたちが広場で歌えば、誤解のままの逃げてきた王子様という境遇に思いを馳せ涙ぐむ人も出てきて、レンくんが、僕たちの歌を泣いてくれるほど、感動してくれたんだと喜ぶようになったとか。そしてそれを見た人たちは、無邪気な弟王子様が・・・と胸がきゅんとするのだった。


 この胸がきゅんとする4人組は密かにそして素早く街の女子たちに浸透していった。この街最初に胸きゅんしたリエナは、親友のキャロンと一緒に王子様見守り隊を運営していくことになるが、それは少し先の話。



 **商業ギルドの職員たち**


「それにしても、今日の冒険者ギルドの依頼者凄かったな。」


「ああ、びっくりするぐらい顔が良いけど、目つきが鋭くて、どきっとしたよな。」


「片付ける倉庫を一周回ったら、すぐに何人必要か声かけてきて、捨てるもの、残すもの、残すものは仲間分けして、インデックスをつけ整理して片付けてしまった。あれは人を使ったことがある経験のある奴だ。」


「そうだ。あの目で睨まれると誰も拒否出来なかったな。綺麗な顔なのに、やり方がえげつなかった・・・。」


「ただし、あっと言う間に望んだ以上の成果が出て、ノルマ達成の評価しか出来なかったな。」


「なんか凄い奴だった・・・。」




 **街の薬師の独り言**


 今日は本当にびっくりした。あんなに美人なのに男性だったなんて。彼は、上品で丁寧で真面目で真剣に薬作りに臨んでくれました。


 調剤スキルもお持ちで、久しぶりに本気で教えることになるなんて。

 いやー、長い薬剤師人生で、あんなに早く毒消しの調剤が出来る人を見ましたよ。物凄く優秀でしたね。傷薬もすぐでしたね。あんなに覚えがいいと教えることがすぐになくなってしまいそうでした。本当に天才っているんですね・・・。


 彼がこの街に来てくれて良かったです。わたしが死ぬ前にすべての薬の調薬を覚えてもらえるといいのですが、彼には期待したいところですね。



 **畑の住人たち**


「いやー、今日は驚いたな。」


「ああ。今日のめんこい男の子はよくやってくださった。」


「ああ、あんなにめんこいのに、剣の腕前もそこそこだったし、火魔法まで使えたんだ。びっくらした。」


「畑の外敵のもぐらをどんどん討伐してくれてありがたかったですね。」


「今回で全滅させてくれたから、当分安心じゃ。」


「めんこい、いい子でしたねー。」



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