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次の日、領主館から使者が訪れた。
えー。立派な使者さん!何したっけわたしたち!!ひゃー。内心どきどきしていたけど、トモさんへ平常心で淡々と、きちんと礼をした使者から手紙を受け取り、その封を開けていく。
「ああ、秋祭りに俺たちも参加して欲しいって書いてある。」
「秋祭り!お祭り!!いいね!」
「え?本当ですか?」
「何で参加するのですか?」
「まずは俺の酒、ハルの料理、後は4人で歌って欲しいそうだ。」
「わたしたち、この街の人って認識されてきたのかな。ちょっと嬉しい。」
料理を通じて、串焼き屋さん騎士団や冒険者ギルドの酒場、領主館の料理人、市場のおばちゃんたちとも知りたいなってきたし、露店も評判いい。歌を歌っても喜ばれてきたけど、心のどこかでは、自分たちはこの街の住人ではなく、ふらりと立ち寄っただけの異邦人のような気もしていたから、今回のお誘いは本当に嬉しい。
「俺の酒も、ジュンの傷薬や回復魔法、ハルの料理に、レンのアクセサリー、騎士団や冒険者ギルドでの稽古、もう俺たちすっかり街の一員だろ。」
「そうだよ。僕たち結構貢献しているよ!!」
「ええ、今回は街の一員として参加しましょう。」
「酒は、寒くなってきたし、芋焼酎にするか。アルコール度数高すぎるか。そもそも焼酎はまだそれほど多く出していない。好まれるかわからん。ワインやエールの方が無難か。」
「お祭りならエールが主で、ワインは特別っていう感じでいいんじゃないですか。」
「そうだな。飲みなれたエールに、少しワインにするか。ワインは王都でしか飲めない高級な酒だっていう認識みたいだし、驚かれるかもな。はは。」
「ハルさん、料理は何にするの?」
「ラーメンにしようと思います!!昨日のラーメン美味しく出来たので食べてもらいたいなと思います!!」
「とんこつラーメン美味しかったねー。あれはいいよ!!」
「とんこつラーメンと、もうひとつわたしが好きな魚介の出汁を使った北海道ラーメンも出します。この街は海辺の街でもあるので、ダンジョンの恩恵の魔物の骨から作ったとんこつラーメンと海の恩恵の魚介ラーメンはいけると思うんですよ。」
「祭りでラーメンって大変じゃないか?」
「あー。僕手伝う!!売り子をするよ!」
「わたしもお手伝いさせてもらいます。」
「なら、頑張れ。」
トモさんが心配そうにしているが、日本にいる時、何度も食べにいったラーメン屋が記憶に残っているからきっと大丈夫!
「あと、歌だよね。どうする?」
「せっかくだから、今まで歌ってきた歌を歌えばいいんじゃないか。新しい歌を歌ってくれとは書いていないしな。」
「はいはい!提案です!!わたし素敵な衣装を作りたいです!!」
「「「はっ??」」」
「せっかくのお祭りだから、アイドルが着るような衣装が着たいです。一生のうち一度ぐらい着てみたかったんです!」
「待て待て待て!」
なんかトモさんがめちゃくちゃ慌てている。でも、着てみたいんだものー。
「えー。でも、お祭りですよ。いつもと同じ歌でも、衣装だけでもお祭り仕様にしませんか?」
「あー。僕賛成!!コスプレみたいでいいじゃん!」
「そうですね。少し恥ずかしいですが、秋祭りですから、少々の華やかさはあってもいいかもしれません。」
「お祭りだよ!トモさん!!」
「そうだよ。どうせ楽しむならとことん楽しもうよ!」
「ああ。そうだな。どこかで吹っ切れないとな。なんだか、アルノーもうきうきしているみたいだ。そんな気持ちが伝わってくる。いいかもな。」
「わーい!衣装はわたしが作ります!!」
「わかった。もう。衣装は任せた!手紙によれば、酒も料理も金は出してくれるそうだ。人様の金で動く時は準備万端が基本だ。どれだけかかったかきちんと書き付けておくこと。酒もラーメンも限定何食と最初から決めておこう。衣装代はアルノーが出したいようだ。館に置いている衣装を材料に使ってもいいと言っているぞ。」
「出納簿はきちんとつけます!!衣装代、アルノーさんありがとう!!立派な衣装を作ります!!」
秋祭りまで2週間、お酒の準備、ラーメンの仕込み、歌の練習も歌う順番も決めていく。わたしは始終ウキウキしている。家の中で歌い続けると近寄ってくる精霊か妖精がいることにも気づく。歌っているそばからくるくる回っていて可愛い。一緒に秋祭り楽しもうねー!!




