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**4人が帰ってからの騎士団では**
騎士団長、レンと最初に知り合ったマーベル、トモと戦ったダグ、ハルと一緒に食堂でご飯を作ったマルシェ、救護班のボルクにラウルが夜の集会場に集まった。
5人は長机を囲み、いつものように飲み物を手にしていた。
「あいつらが予定どおり5日間終了したな。今回の功労賞はマーベルだな。よくぞ、レンと顔馴染になってくれた!」
「いや、俺は、たまたまで・・・。」
猫を助けようとしたレンを助けただけなので、少し言いよどむマーベル。何か特別なことはしていないのだ。
「だが、おまえがレンと知り合えなかったら、他の3人とも出会えなかった。ジュンのあの回復魔法!トモの旨い酒、ハルの旨い飯、どれだけのもんだったか!!」
「ええ、ジュンの回復魔法は凄かった!この街に住む元騎士団で欠損のある奴は全部治療してもらった!!光の精霊も寄ってきていたぐらいだ。」
自分も欠損を治してもらったボルクは既にジュンに心酔していた。ジュンを見る目がハートに近い。
「ああ。何人かは騎士団に戻りたいと言ってくれている。喜ばしいことだ。」
「怪我しか治せないと恐縮していたが、怪我なら何でも治せるんだ。あれは今後も要望が多いだろう。領主様がそろそろ気づきそうだ。」
「だな。トモの酒の旨さも、ハルの飯の旨さも領主様気づいているかもしれん。」
「ああ、トモの酒は旨い。あれはスキルだというが、あんな旨い酒は飲んだことがない!今まで日本酒とウイスキーという酒は商業ギルドから納品してもらっていたが、今回は特別に露店でしか売っていないエールとハイボールという酒を出してくれた。今後は商業ギルド通してくれと言われたが、商業ギルドも騎士団には文句が言えんのだろう。ちゃんと納品してもらおう。うししっだな。」
旨い酒を思い出し、団長がしてやったりの笑顔だ。
「トモの酒もそうだが、ハルの『穂草』も凄かった。あの家畜の餌があそこまで旨くなるんだ。驚きだろ。草原ダンジョンの2階に行けばいつでも生えているあれだぞ。『穂草』が食べられるようになれば、これで見習いや初級の冒険者が食べるものに困ることがなくなる。もともとうちの街は草原のダンジョンのおかげでスラム街はないが、それでも貧困のものはいる。」
「あの子から、『穂草』のレシピも貰ったよ。タダでいいって言うから、少しはお金を押し付けておいたが、ハルは『穂草』の価値を知らなかった。ただ、美味しい。大好きっていうだけだったよ。」
マルシェは人の好いハルの顔を思い出し、自分の顔もつい笑ってしまいそうになる。あの子は孫みたいなもんだと苦笑する。
「おにぎり、親子丼、カツ丼。だったか。ハルの作る『穂草』料理は、家畜の餌だと思えんぐらい旨かった。あれはなんだ才能か。」
「あの子は家事スキルを持っているって言っていたねぇ。料理なんて手元が見えないぐらい早いんだよ。それに洗濯掃除裁縫等がめちゃくちゃ上手に早くできるスキルだそうで、わたしが欲しかったよ。」
「そうなんだ、あの子たちの価値は想像よりも高い。あの一番若いレンですら、稽古をすればどんどん強くなっていく。吸収する速さが驚くほどだ。レンはあと、火魔法と細工師のスキルも持っていると言っていた。多才だ。」
「彼らはいずれ領主様に呼ばれるな。」
「ああ。きっと呼ばれる。」
「その時は俺たちがフォローしよう。」
「マーベル、レンとは密に連絡を取れ!定期的に騎士団に稽古に来てもらえ。縁を切るな。」
「ああ、わかった。あいつらは目立つからな。なんとか手を離さないようにする。」
「前に、街の女の子たちの噂を聞いた時に、女は妄想がすげぇなって思っていたが、あいつらの多芸な才能を目のあたりにすると、どっかの国の王子様だったとか、それを見守る公爵家の貴公子だったとか、王家に雇われた料理人だったとか嘘じゃないかもなって思うようになってきた・・・。」
「俺もそれは心の底で思っていた。あいつら指先まで綺麗で上品で、高貴な雰囲気がするんだよな。騎士団の中にいると優雅で浮いているというのか。」
「あー。それそれ。ジュンなんかいい匂いがして、どこぞの未亡人かっていうぐらい艶があって、あいつやばいな。」
「黒目黒髪も艶々で異国情緒あふれているよな。」
「ハルはいつもにこにこだけど、物凄く旨い料理を何十人分もアッと言う間に作る。あの技術は王家で鍛えてきたといっても嘘だと言い切れないね。」
「それも含めて、俺たちがやつらを守る!!」
団長の言葉に嘘はない。本物の言葉。4人のために騎士団の心は団結した。
「「「おおー!!!」」」




