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次の日、草原ダンジョンで薬草を山ほど採取し、『穂草』の在庫も増やした。その後4人はばらばらに行きたいところへ行くことにして一旦解散。
わたしは、ハントさんのところへ行き、お酒と交換にホールケーキとシフォンケーキとバウンドケーキの型を受け取った。なかなか良い出来だったので、追加でフィナンシェの型もお願いした。お代はやっぱりお酒で、トモさんにバウンドケーキ1本渡してお願いしたら、材料と樽さえあれば、あっという間だからと気前よく造ってくれた。
串焼き対決もしてきた!モランさんにどやっと自分の力作を出して見る。
「おう、坊主の作る串焼きもなかなかやるな!この香辛料、塩だけじゃないな。隠し味はなんだ?」
「隠し味はハーブですね。草原ダンジョンで薬草を採る時に一緒に探しました。ローズマリー、タイム、セージ、オレガノ、ジュニパーベリーを見つけましたよ!」
「おお、いいな。なかなかいいな。俺の塩串焼きはこの街一番だが、坊主のハーブ串焼きも負けちゃいないな。このハーブは草原ダンジョンか。」
「ええ、草原ダンジョンの1階に生えていました!!」
「興味がある。どんなのか分けてもらえないか?」
「いいですよ!!モランさんの料理の腕があるのであれば、このハーブも使いこなせるでしょう。塩だけでこれだけ美味しいのです。絶対この国一番の串焼きになるはずですよ!!」
わたしはそう言うとバックから採ったばかりのローズマリー、タイム、セージ、オレガノ、ジュニパーベリーの束を渡す。
「なんだ、ただの草じゃないのか?あ?」
鑑定の持っていない人には草もハーブも区別しにくいのかもしれない。鑑定をつけてもらっていて本当に良かった!
「モランさんはあんな美味しい塩串焼きが作れる料理人です。その草の匂いを嗅いでみてください!」
「あ?ああ・・・。お、こ、これは。良い香りだ。あ、こっちは肉の匂い消しに効果がありそうだな。この残り香はこれか。」
さすが凄腕の料理人、いけると思ったんだよね!
「ただの草だと思っていたが、確かに料理のアクセントになるな。ハーブというのか、これからはこれらも取り入れていくか・・・。坊主は俺に料理勝負ふっかけてきたんだよな。俺にハーブをお勧めしてきたが、勝ちたいのか、どうしたいんだ。」
「え?勝ちたいというのか、ここの串焼きの美味しさにびっくりしたんです。で、自分も料理で負けたくないって思ったのですが、料理って勝ち負けないですよね。一緒に美味しいを探していくのが一番いいかなと思ったり・・・へへへ。」
「ははは。面白いな坊主!俺は俺の塩串焼きに自信がある。これは俺の力作だ。でも、坊主のハーブ串焼きも悔しいが美味しいと思った。美味しいものが目の前にあるのに、それを追求しないやつは料理人じゃねぇな。もっと旨いものが作れるのなら、坊主にでも頭をさげりゃ。」
おう。かっこいい!!これぞ料理人!美味しいを追求するとそうなるよね!!
「坊主、俺がハーブを極めて美味しい串焼きを作ってここで売ってもいいのか?」
「ええ、いいですよ!わたしは串焼きを売るつもりはありませんから。ただ、もっと美味しいものが作りたいって思っただけです!」
「わかった。坊主のハーブ俺が極めてやるぜ!」
「極めるのはお願いしたいです!あと、坊主じゃなくて、ハルです!!これからもよろしくお願いします!!」
この後、街一番の塩串焼き屋は、街一番のハーブ串焼きも提供するようになり、街に一気にハーブが広がり、鑑定持ちの見習い冒険者たちが、せっせと草原ダンジョン1階で薬草だけではなくハーブも採取するようになり、街のあらゆる料理店がハーブを料理に使う工夫をしていくことになり、街の肉料理がほんのり美味しくなっていった。ハーブについて広ることは、わたしとしては、美味しい料理が増えて嬉しい。ハーブが受け入れられるのも嬉しい。モランさんありがとう!




