-4- 交錯する探索
炎天下。
真夏の空から降り注ぐ光が、茂った草木たちの緑を鮮やかに照らしている。
その下を一匹の蟻が這いまわり――やがて壁に行く手を阻まれた。
灰色のブロック塀。
そこには、3人分の黒い影が映っていた。
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「会社は倒産、周りは森、おまけに空からも木に隠れて見えない。......身を隠すには十分すぎるくらいね」
イザベラが手元のタブレットを見ながら言う。
「セレスティア島にもこんな森あったんですね...」
「建造当初の人口林だろう。行政の管轄でこの荒れようとはな...」
エドワードは辺りを見回し、やがて何かに目を止めた。
視線の先には閉ざされたシャッター。
――バコッ...
「多分...壊れてますね」
エリナが、少し開いたシャッターの中を覗く。
中は暗かった。
だが通路の奥のほうに――光?
「下がれ。俺がやる」
シャッターをつかむ手が、日光できらきらと輝く。
バキッ...ガガガ......
耳障りな音とともに、廃墟の内部が姿を現していった。
「待て」
先を行こうとしたエリナを片手で制し、エドワードは拳銃を取り出す。
「俺が先を行く。イザベラ、後ろは任せた」
イザベラが頷き、腰へと手を伸ばした。
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暗闇の中を進む光が二つ。
二人の拳銃に取り付けられたライトが、同時に壁のサイン板を照らす。
【電源室】
ギィィィィィ......
重々しい音を立てて、電源室のドアが開かれる。
「ブレーカーを探せ。電気が生きてるかもしれない」
「...望みは薄いけどね」
イザベラがため息交じりに言う。
「ブレーカーってどんな形して――」
暗闇の中で、エリナがなにかに躓いた。
体勢を崩したその時、彼女の手に何かが触れた。
ドサッ...ガチャン
鈍い音とともに電灯がついた。
「いたたた...あれ、電気つきました?」
照明の明かりが、倒れこんだエリナを照らしていた。
「暗いのに歩き回るから......」
イザベラがそう言って手を差し伸べる。
彼女たちには目もくれず、エドワードはドアの外を見つめていた。
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垂れ下がったケーブルの横を、エドワードは迷いのない足取りで進んでいく。
「ペンダント、変わりはないか?」
「んー……」
ペンダントの石は、ただ青く光っている。
「なら、部屋を一つずつ探すしかないな」
彼は立ち止まり、ドアノブへと手をかけた。
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数十分後
三人は廊下を歩いていた。
「やっぱり、何もないんじゃないの?」
掲示板に張られたポスターを横目に、イザベラが言った。
エドワードは何も言わない。
エリナは、視線をゆるゆると落とした。
「そもそも、こんな廃墟に人が住めるとは思えないわ」
イザベラの瞳が、隣を弱弱しく歩く少女を捉える。
「......本当に、父探し?」
エリナと目が合った。
「えっ...いや...本当ですよ......」
エドワードが立ち止まる。
廊下の突き当り、一枚のドアの前だった。
「余計なことをいうな、イザベラ」
金属の手がドアノブへとかけられる。
「これは、依頼だ」




