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アーレンと仲間たちの旅は、へんてこな武器から始まった  作者: 凩冬馬


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第56話 新兵器のお披露目

翌日の夜、

領主館の大広間には、砦の完成を祝うために多くの人々が集まっていた。


兵士、職人、町の有力者たちが席を埋め、豪華な料理が並び、酒樽が次々と空になっていく。


半年に及ぶ大工事の成功を祝う宴は、まさに町全体の祭だった。


アーレンとジュリアンは、今日の主賓として最前列の席に座っていた。


二人の働きは町の誰もが知るところであり、ヘンリックも誇らしげに二人を紹介した。


「アーレン、ジュリアン。よくぞ半年間、砦建設をやり遂げてくれた。

この町は、お前たちの努力に救われたと言っても過言ではない。」


大広間に拍手が響き、アーレンは少し照れながら頭を下げた。


ジュリアンは胸を張り、どこか誇らしげだった。


そして、予定していた“次の段階”へと移る時が来た。

ヘンリックが杯を置き、アーレンたちに目を向ける。


「フレドリックから噂はきいているぞ、ジュリアン。お前が言っていた“新しい武器”というのは何だ?」


ジュリアンはニヤリと笑い、レムを手招きした。


「父上、そして皆さま。本日は砦の完成だけでなく……


我々が開発した新兵器のお披露目も兼ねております!」


ざわめきが広がる。


レムは緊張した面持ちで前に出たが、目はどこか誇らしげだった。


「では、中庭へ移動しましょう。」


夜風が心地よい中庭には、すでに複数の人型の木製の的が並べられていた。


フレドリックとヘンリックは最前列に立ち、期待に満ちた目でレムを見つめている。

レムは深呼吸し、試作品のハンドキャノンを構えた。


「では……いきます!」


「ポンッ!」という軽い破裂音とともに、赤い粉が前方へ勢いよく噴き出した。

粉は地底人に見立てて密集体型を模した的にべったりと付着し、次々と赤く染めていく。

ヘンリックが思わず声を上げた。


「これは……面白いな!透明化していても、これなら一目瞭然かもしれん!」


フレドリックも身を乗り出した。


「素晴らしい!すぐにでも欲しいぞ!」


レムは顔を真っ赤にしながら満足げだった。


続いて、ジュリアンが連射式クロスボウを構えた。

レールの上に載せた箱には五本の矢が収められている。


「では、こちらも!」


ジュリアンがレバーを操作すると、矢が次々と発射され、

赤く染まった的に正確に突き刺さっていく。


「おおお……!」


観客たちからどよめきが起きた。

フレドリックは興奮を抑えきれず立ち上がった。


「これだ!この二つを組み合わせれば、透明化した敵にも対抗できる!

すぐにでも量産したい!」


ヘンリックも満足げに頷いた。


「親衛隊にも使わせよう。それと、王の前で披露する価値がある。」


ジュリアンとレムは顔を見合わせ、同時にニンマリと笑った。

アーレンはその様子を見て、心の底から嬉しくなった。


(これは……二人の功績だな。)


宴はその後も盛り上がり、酒と笑い声が絶えなかった。


しかし、夜も更けた頃――


「伝令!伝令にございます!」


大広間の扉が勢いよく開き、第一の砦からの伝令が駆け込んできた。

場の空気が一瞬で凍りつく。


「第一砦が地底人の……攻撃を受けました!」


フレドリックは立ち上がった。


「何だと!?」


伝令は息を切らしながら続けた。


「トラップはきちんと作動し、襲撃も露呈したのですが、今までとは規模が違いまして、かなりの数が襲来した模様です。こちらも敵も何人か討ち取ったようですが……

死体は見つかっておりません。そして……兵士が数名、連れ去られました!」


大広間にざわめきが広がる。

フレドリックは険しい表情でアーレンに向き直った。


「アーレン。すぐに砦へ向かえ。状況を確認し、戻って報告せよ。」


「了解!」


アーレンはフレドリックの部下数名を連れ、夜の闇の中へと駆け出した。


(まさか……もう動き出したのか?)


胸の奥に、冷たい緊張が走った。

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