表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーレンと仲間たちの旅は、へんてこな武器から始まった  作者: 凩冬馬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/84

第52話 通じ合う心

砦建設の監督を任されてから三日。

アーレンは連日、夜明けとともに起床し、職人たちと図面を確認し、兵士たちと作業の段取りを決めていた。


「アーレン、こっちは梁の固定が終わったぞ!」


「了解! 次は南側の壁を優先してくれ!」


兵士たちはすっかりアーレンにを気に入って、彼の指示に迷いなく動くようになっていた。


(……悪くない。)


アーレンは胸の奥で小さく呟いた。

父のような圧倒的な存在感はない。

だが、自分なりのやり方で、現場をまとめることができている。


ジュリアンの方も順調らしい。


毎日、書簡を通じてフレドリックとヘンリックへ進捗を報告し、職人たちとも良い関係を築いているようだった。


(あいつも、あいつなりに頑張ってる。)


アーレンは少し誇らしく思った。


昼過ぎ、職人たちが休憩に入った頃。

アーレンは一人、砦の外周を歩いていた。


(透明化に対抗するには……

視覚以外の感覚を使うしかない。)


砦の周りの木々を切り倒して、視界を確保することは決まっているのだが、視界がいくら良くても、対象が見えなくては意味がないのだから、透明化対策は必要である。ただ、まだ明確な答えが出なかった。


その日の夕方。

アーレンが図面を見ながら職人と話していると、背後から声がした。


「アーレン、ちょっといいか?」


振り返ると、先日勝負を挑んできた兵士が立っていた。

もう酒は飲んでいない。


「どうしたんだ?」


兵士は頭をかいた。


「この間は悪かった。

あんたの強さがよくわかった。

……それで、頼みがある。」


「頼み?」


兵士は真剣な表情で言った。


「俺たちに、あんたの剣を教えてくれないか?

地底人と戦った経験があるのは、あんただけだ。

俺たちも……強くなりたい。」


アーレンは少し驚いたが、すぐに笑顔になった。


「いいだろう。

明日の朝、訓練場に来い。

全員まとめて鍛えてやる。」


兵士は嬉しそうに笑った。


「おう!ありがとな、アーレン!」


アーレンはその背中を見送りながら、静かに息を吐いた。


(……これでいい。)


自分の役割が、ようやく見えてきた気がした。

この砦はこの兵士たちが命懸けで守るのだ。

だが、相手は普通の敵ではない。


夕暮れの空を見上げながら、アーレンは新たな決意を胸に刻んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ