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第30話 見えざる敵
谷間での戦闘が終わり、
馬車が再び動き出したあとも、
レムの心は落ち着かなかった。
(……透明化……
本当に……見えなくなるんですね……)
さっきの襲撃。
地底人たちは、
気配も足音もほとんどなく、
まるで“空気そのもの”になったように迫ってきた。
レムは震える手を胸に当てた。
(……これじゃ……
近くまで来ないと、まったく気づけません……
こんな魔法があるなんて……)
アーレンが前方で言う。
「レム、大丈夫か?」
「……はい。
でも……対抗策を考えないといけません……
このままじゃ……危険すぎます……」
レムの声はいつになく真剣だった。
(……透明化を見破る道具……
何か方法があるはずです……
絶対に……)
レムの中で、
“技術屋としての闘志”が静かに燃え始めていた。




