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アーレンと仲間たちの旅は、へんてこな武器から始まった  作者: 凩冬馬


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第26話 新たなる旅路

翌朝、

白鷺の港へ向かう道を、三人は並んで歩いていた。


アーレンはどこか足取りが軽い。

「よし、今日からまた旅だな!」

とでも言いたげな背中だ。


レムはというと、

手元の設計図を見つめながら歩いている。


(……この部分、もっと軽くできるかもしれません……

船に乗ったら試してみましょう……)


完全に“技術屋モード”だ。


そしてジュリアンは――


「……はぁ……シオリ殿……

いや、しかし……また会える……いや、でも……」


上を見たり下を見たり、

ぶつぶつ言いながら歩いている。


アーレンが呆れたように笑った。


「おいジュリアン、前を見ろ。

転ぶぞ」


「わ、分かっている!」


(……絶対分かってませんよね……)

レムは心の中でそっとつぶやいた。


港に着くと、

見慣れた二人の姿があった。


「イオリさん! シオリさん!」


イオリとシオリが、

船の前で一行を待っていた。


「おはようございます、皆さま。

帰りの船も、父上の船をお使いくだされ」


アーレンが深く頭を下げる。


「イオリ、本当に助かる。なんていい奴なんだ、あんたは!」


イオリは少しだけ表情を引き締めた。


「実は……皆さまにお伝えしたいことがござる」


全員がイオリを見る。


「父上より、中部王国との通商の交渉を命じられました。

そのため、もしよろしければ…

途中まで、ご一緒させていただきとうございます」


「!!」


ジュリアンの顔がぱっと明るくなった。


「もちろんですとも!

むしろ、ぜひ同行していただきたい!

中部王国には、わたしの父も多少のつてがあります。

交渉のお手伝いもできるはずです!」


シオリが嬉しそうに微笑む。


「ジュリアンさま……ありがとうございます」


ジュリアンは耳まで真っ赤になった。


アーレンが笑う。


「だったら、グレイフォードに来た方が早いな。

そこでジュリアンの家に寄ってヘンリック様に目通りしてから、

王国の担当者に会うほうがいいだろうな」


「うむ、拙者もそう思っておりました」


イオリもどこか嬉しそうだ。

アーレンと旅をするのが楽しみなのだろう。


そんなやりとりをしていると――


「おーい、レムどの!」


白鷺の鍛冶屋が、

包みを抱えて走ってきた。


「昨日のアレ、できたぞ!」


「えっ、もうですか!?

そんな、急がなくてもよかったのに……」


「面白ぇ仕掛けだったからな!

寝ずに作っちまった!」


レムは包みを受け取り、

目を輝かせた。


「ありがとうございます……!

これで船の上でも研究が進みます……!」


鍛冶屋は豪快に笑った。


「代金は……そこの坊ちゃんに請求しとくからな!」


「えっ」


ジュリアンが固まった。


「い、いや……その……

わたしは別に……」


シオリがくすっと笑う。


「ジュリアンさま……?」


「……払います」


ジュリアンは財布を取り出し、

しぶしぶながらも鍛冶屋に代金を支払った。


アーレンが肩を叩く。


「レムの分まで悪いな、ジュリアン」


「ええい、うるさい!」


こうして、

一行は再び船に乗り込んだ。

白鷺の港がゆっくりと遠ざかっていく。


レムは試作品を抱え、

胸の奥がわくわくしていた。


(……これで、地底人への対策が一歩進みます……

もっと改良できるはずです……)


アーレンは潮風を受けながら笑い、

ジュリアンはシオリの方をちらちら見て、

イオリは静かに海を眺めている。


こうして、一行は、

西の町グレイフォードへ向けて出発した。


旅はまだ続く。

そして、地底人との本当の対峙は、

これから始まるのだった。

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