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アーレンと仲間たちの旅は、へんてこな武器から始まった  作者: 凩冬馬


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第19話 鬼頭家の里

イオリにとって懐かしさあふれる場所ですが、

レムにとってははじめて見るものばかり。


でも、彼らは観光で来ているわけではありません。

いよいよ鬼頭家の里に向かって旅立ちます。

謎を解くカギがそこにあると期待しながら・・・

白雲家の屋敷に足を踏み入れた瞬間、

レムは思わず息を呑んだ。


木の香りが漂い、どこか懐かしい温かさがある。

大陸の石造りの家とはまるで違う。


「イオリ!? 本当にイオリか!」

奥から飛び出してきた男は、

大きな声とともにイオリを抱きしめた。


白雲友春―イオリの叔父にあたる人物だ。


「叔父上、ご無沙汰しております」


イオリが丁寧に頭を下げると、

友春は豪快に笑った。


「堅苦しい挨拶はいい! いやあ、立派になったなあ!」

その明るさに、レムは少し緊張がほぐれた。


レムは一歩前に出て、

イオリに習ったばかりの東国語で自己紹介した。


「レムと申します。イオリさんに同行しております。

突然の訪問で失礼いたします」


発音はまだぎこちない。

だが、言葉を選ぶ慎重さは伝わった。

友春は目を丸くした。


「おお、国言葉を話せるのか! すごいじゃないか!

イオリ、お前、ちゃんと教えてやったんだな!」


イオリは少し照れたように頷く。


「うむ。レム殿は覚えが早いのでござる」


レムは頬を赤らめた。


「イオリさんに……ご迷惑をおかけしないようにと思いまして

…お礼ぐらいはキチンと皆様の言葉で言えた方がいいと思いました…」


その言葉に、友春は豪快に笑い、レムの肩を軽く叩いた。


「いい心がけだ! ここではその気持ちが一番大事なんだよ!」


そのやり取りを見ていた源兵衛が、静かに微笑んだ。

「大陸の客人…そのお気持ち、さすがはイオリさまのご友人」


レムは胸が温かくなるのを感じた。


落ち着いたところで、イオリは例の武器を取り出した。

友春は手に取り、しばらく眺める。


「ふむ……これは確かに、めずらしい武器じゃの。

だが、わしには詳しいことは分からん」


そして、ふと思い出したように言った。


「そうだ。イオリ、わしの母上の妹、瑞穂さまを覚えておるか?」


「もちろんでござる」


「瑞穂さまは今も鬼頭家の里で神官をしておる。

あの方なら、この武器のことも何か知っているかもしれん」


レムは思わず身を乗り出した。

「その……お会いしてもよろしいのでしょうか」


「もちろんだとも。

あの方は気難しいように見えるが、根は優しい。

イオリのことも、きっと喜んで迎えてくれる」


イオリは静かに頷いた。


「おばあさまの生まれた里。

拙者も、久しく訪れておらぬ」


友春は真剣な表情で言った。


「今の時期、里へ向かう道は霧が濃く、

道も険しいが……お前なら大丈夫だろう」


友春と源兵衛に見送られ、

イオリとレムは白雲山へ続く山道へと足を踏み出した。


山の麓からすでに霧が漂い、

ときおり吹く風を受け、白い靄がゆっくりと流れている。


「……すごい霧ですね。

まるで、山そのものが呼吸しているようです」


レムは思わず呟いた。


イオリは頷き、山を見上げた。


「白雲山は、島の象徴にござる。

霧も雲も、この山の“気”のようなものだと言われておる」


巡礼者の一団が、鈴の音を響かせながら山道を登っていく。

観光客らしき人々も、霧の中で楽しげに歩いている。


「賑やかですね……もっと静かな場所かと思っていました」


「ここの山頂には神々が住んでいるという信仰があって、

一生に一度はこの地にお参りをする文化があり申す。

鬼頭家の里は、こうした巡礼者や観光客を受け入れて

世話をすることを生業としているのでござる。」


霧が濃くなるにつれ、

空気がひんやりと変わっていく。


レムは少し身を寄せながら言った。


「イオリさん……なんだか、胸が高鳴りますね」


「うむ。

拙者も同じでござる。

見えない力によって、この山に呼ばれておるのかもしれぬ」


やがて、木々の間に灯る行灯の光が見えてきた。


その先に――

白雲山の霧に包まれた、鬼頭家の里が広がっている。

陽気なイオリの叔父に出会ったレム。

勢いに押されながらも、次なる目的地の情報を得ることができました。


さぁ、鬼頭家の里では何が彼らを待ち受けているのでしょうか?


鬼の正体とは?そして、その驚愕すべき能力とは?


次回をお楽しみに!

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