29.ケニーとの朝食(2)
今日の朝食は、
・露店で出すシカ肉をハーブ調味料で焼いたもの
・ヘビ肉の肉団子入り野菜たっぷりスープ
・ガーリックトースト、
・ドレッシングの掛かったサラダ
・デザートは、フルーツ盛り合わせ
「おいしそうな匂いだ。では、いただきます。」
ケニーさんは、シカの肉にかじりつくと黙って食べ、皿に戻した。
「・・・なんですか、これは・・」
「それを露店で出そうと思ってます。」
「露店で出すようなレベルの料理じゃないですよ・・・。」
「売れると思いませんか?」
「・・・絶対に売れます!でも、値段設定が・・・これは難しいですね・・・。
露店ではなく、貴族向けのレストランにしませんか?」
「う~ん。貴族相手は面倒そうなのでいやなんです。
料理人が欲しいとか、レシピ教えろとか言われたって、教えないし料理人渡さないし。」
「なるほど。これは・・・ちょっと時間をいただけますか?」
「まあ、一通りゆっくり味わってください。お代わりもあるんで。」
「はい。」
「俺は、飯の前にさっきの宿場に残してる荷物とか荷車とか取って来ますね。」
そう言って、俺は亜空間経由で戻り、宿屋に止めてた荷車と部屋に置いていた荷物を亜空間に収納し、
サーチで様子を見て、変化が無い事を確認してから家に戻る。
「もどりました。」
「おかえりなさい。」
「荷物持って来たんで、これでいつでも行けますよ。
食事終わって人心地付いたら、ウィダスに移動しましょう。
マディ、俺にも朝食をお願い。」
「はい。こちらに用意しています。」
「ありがと。いただきます。」
朝食を食べた後、ローズマリーとレモングラスでハーブティーを淹れて貰い、
食後のお茶をしながらいろいろ現状の話をする。
「この飲み物も、おいしいですね。香りが素晴らしい。」
「頭がすっきりする効果があるそうですので、朝早起きした時なんかにいいそうです。」
「そんな効果まであるのですか。これはリルさんですか?」
「効果については私ですが、飲み物にして気軽に飲むという発想はハルト様です。」
「ハーブはいろいろ使い道がありますからね。」
「本当に、どこからそのような知識を・・・。
魔法が使えるだけでそんなに知識はないですよね。」
「まあ、魔法以外にもいろいろ知ってたりするんです。」
「まだまだいろいろ秘密が御有りのようですね。」
「まあね。詮索しないでいてくれると助かります。」
「分かりました。」
「ではもうそろそろウィダスにいきましょうか。」
「はい。」
「護衛が全くいないと警戒されるかもなので、クシェル、アリーヤ、ファギー、
ちょっと付き合ってもらっていいかな?
護衛の振りしてほしいので武器と装備着て来て。」
「はい。分かりました。」
「ウィダスは初めてなので緊張しますね。」
「ギルド証はまだなんですが大丈夫ですか?」
「銅ランクですか?私の護衛という事で話ますのでまま入れるはずです。」
「念の為に、装備ちょっと新調しておこうか。」
俺は、手持ちの鉄から細身の片手剣を3本作り出す。
「剣はこれ使って。」
「装備系は、ちょっと時間かかりそうだから、今度サイズに合わせて作るね。
古い剣は、再利用するから俺に渡して。」
「ありがとうございます。」
クシェルは、受け取った剣を見ながら、
「重さは、いままでの剣と変わらないのにかなり細身なんですね。」
「ああ。かなり圧縮して作ってるから、鉄の量はいままでの剣と変わらないよ。
なので、すっごい頑丈でいままでの剣と打ち合っても、欠ける事はないはず。
それに、包丁や渡しているナイフ並みに切れるので気を付けてね。」
「はい。素晴らしい剣をありがとうございます。」
「あと、扱いにくかったら調整するから言ってね。」
「私は、もう少し短めで軽い方が使いやすいです。」
アリーヤだ。斥候と言う事でそういう特殊な物がいいのかもな。
剣を受け取って、短く成形し直す。
余った鉄に少し追加して、棒手裏剣を6本ほど作ってあげる。
「長さはこれくらいでいい?ついでに棒手裏剣も作ってみた。どうかな?」
「棒手裏剣ですか?」
「近距離で投げて刺すだけの物だけど、投げナイフよりも隠しやすいし軽いので使いやすいと思うよ」
「アリーヤだけいいなぁ~。」
ファギーが少しすねた感じで言ってるが、あまり装備に時間かけてもなので、
「まあ、今度またリクエスト聞いていろいろ作るから・・。いまは我慢してね。」
「準備が出来たらいくよ。」
「はい。」
ケニーさんを連れてウィダス近辺の森の中に作った地下部屋から外に出て、
ウィダスに向かって荷車を引きながら歩いている。
「ウィダス・・・ですね。それに荷車と荷物も・・。魔法とはすばらしい物ですね。」
「これを使えるのが、この世で唯一俺だけなら安全なんでしょうけど、
魔法使いは俺だけでなく他にもいるので・・。
力を持ってるだけで狙われるなんて事はあるでしょうけどね。」
「魔法使い同士の戦いですか・・・。想像もしたくないですね。」
「基本は先制攻撃出来た方が勝つんだろうけど、
相手が何をするのか情報があれば対策は可能なので、情報戦でもあるんでしょうね。」
魔獣相手では、先制攻撃の奇襲のみの力業でやってるけど、魔法使い相手の場合には、
いろいろありそうだな。
じゃあ、現状の確認してみよっか。
護衛は・・・2人が宿場から外に出て街道を進み、冒険者達の方に移動しているな。
状況を知らせに行ってるみたいだな。
銀ランクの奴と、大銅ランクのやつが2人で移動中か。
冒険者側に動きはないな。




