24.冒険者村(1)
冒険者村か・・・。それなら、農村と紛れているので判らないな。
その冒険者村の全員が盗賊なのか。
その中の一部が盗賊なのか、冒険者の村なだけで、盗賊とは関係ないのか・・・。
取り合えず、潜伏場所になりそうな場所の情報にはなるな。
でも、町でそんな噂聞いた事なかったんだがな・・・。
ギルド側でも把握していないってどういう事だろ?
なにかありそうだな・・。
まあ、場所が判ったら見に行ってみよう。
他にも情報が聞けないか、聞き耳を続けたがめぼしい物はなくケニーさんも戻って来た。
「ケニーさん、冒険者村って聞いた事あります?」
「冒険者村ですか?どんなのなのです?冒険者だけの村って感じなのです?」
「う~ん。判らないんですが、そんな噂を聞いたので・・。」
「聞いた事ないですね。」
「ケニーさんも知らないですか。この近所にあるらしいんですが・・。」
「こっち側への貿易は、私の主ルートなので、もしもそういった噂があれば、
なにか聞こえてくると思うのですが・・。」
「ケニーさんが知らないという事は、公になっている情報ではないって事なんですね。
ギルドマスターもなにも言ってませんでしたし。」
「ギルドマスターも知らないなら、意図して隠されている情報でしょうね。
一部の者だけしかしらず、伝えるにも何らかの条件があるような感じじゃないですかね。
という事は、王国にも報告は上がってない、非合法な村なのかもしれませんね。」
「非合法・・・。」
「ええ。通常村や冒険者の活動は、なんらかの税金が取られるはずなんです。
それを払わずに活動しているのかもしれませんね。
さらに、法に触れるような事も許されている場所でしょうね。」
「なるほど。それで非合法って事なんですね。
俺もギルドに納品する時には、税金取られてるんだよな。
ケニーさんや皮屋に出す時には、払ってないけど・・。」
「それは、私の方で払ってます。それも含めた金額で購入させていただいてますので。
私達が、素材なんかを冒険者ギルド以外から購入した場合には、別途税金がかかってますので。」
「そういう事だったんですね。で、税金を払わないで商売する為の村って事ですか。」
「そうですね。単純な話で、税金分だけ安く買え、高く売れるという事です。
例えば冒険者としては、狩った獲物を直接商人に売ればギルドに税金を払う必要が無くなります。
商人としては、直接購入する事で安く仕入れる事が出来ます。
町の外での仕入れは、入町税だけで済みますから税金もかかりません。
さらに、税金の無い町で商品を売れるので安い金額で売れます。」
「でも、それって税金で賄ってる、インフラや治安などは守られないって事ですよね?」
「冒険者村なら、治安なんかはそういう物でしょうし、インフラの整備がされてないのも、
そういう物として受け入れられるんじゃないでしょうか?
ただ、獲物の買い取りや、家を建てたり、食料の備蓄など、
事前に大量の資金は必要になるでしょうけどね。」
「その大量の資金は回収できるって事ですか?」
「時間さえかければ、回収出来るんでしょうね。私も想像の範疇を超えませんけど。
ただ、そんなに長く続くものでも無いとは思うんですけどね。
冒険者の口をふさぐのは難しいので、
すぐに王国に見つかって何らかの対処されると思いますよ。
なので、メリットは少ないはずなんですけどね。」
「なるほど。メリットはそんなにないのに、やってる理由がある訳ですよね。」
「それが、盗賊行為なのかもしれませんけどね。」
「西の街道の封鎖ですか?」
「そうなのかもしれませんね。」
「となると面倒ですね。組織化された盗賊という事か。
そしてレスリー商会の関与も強くなったって事ですね。」
「確かに。レスリーほどの資金力があれば、冒険者村の維持が出来るかもしれませんね。
それでも、私にはメリットは少ないとは思うのですが・・。ほかの意図があるのかもしれません。」
「ほかの意図?」
「西の街道の封鎖だけでなく、戦力としての冒険者というか私兵に近いような。」
「クーデターみたいな事ですか?」
「いま、王都側では貴族同士の武力抗争が始まりそうだと噂があります。
もしかしたら、そんな物にも関連しているのかもしれませんね。」
「ああ・・。そんな噂がありましたね。
俺が東の盗賊討伐に駆り出されたのも、それを警戒して騎士団が動けないとかが理由でした。」
「なるほど・・そうだったんですね。その冒険者村の情報はどこから手に入れたんです?」
「まあ、いろいろと手を持ってるんです。
でも、場所まで判らなかったので、すぐに調査には向かえないんです。」
「そうなんですか。」
「明日の2番目の宿場に付いたら、場所も分かるでしょうから、少し調査に行ってきますね。」
「はい。気を付けてください。ここまで情報が隠されているという事は、
かなり厳重に警戒しているでしょうから。」
「ですよね。気を付けます。」
その日はそれで就寝し、翌朝2番目の宿場に向けて出発する。
相変わらず、歩くのは遅いので荷車に乗せられて荷物と一緒に運ばれる。
引いてくれる荷引きの人には悪いなぁ~。
後続の冒険者4人は、俺達が町出てもまだ宿にいるようで、かなり時間経ってから出発したみたいだ。
なので、距離的には数時間分くらい離れている。
お昼になり、俺達がお昼ご飯を食べている時くらいに、後続の冒険者達は街道から外れ南に向かい、
俺達が2番目の宿場に付く頃には、冒険者の村らしき所に付いたようだ。
場所としては、街道の南側の森に隣接する農村のようだ。
俺が見回りに来た時にそばを通ったんだが気が付かなかったな。
結局、こっちの護衛とは接触しなかったようだな。
それならそれでいいだろう。
宿に到着すると、
「私はまたここでも商品を販売してきますね。」
「盗賊の村が見つかりましたので、俺はちょっと行ってきますね。」
「どうやって・・・というのはあれですね。場所はどこなんですか?」
「1番目の宿場から2番目の宿場の途中を南に折れて森の近所の農村ですね。」
「そんな所に。」
「行ってみないとどんな所かは判らないですけどね。
村じゃなくてただのたまり場って感じかもしれないですし。」
「そうですね。気を付けてくださいね。」
「今は様子見だけなんですぐに終わるんですけど、
ちょっと寄る所あるので少し遅めになるかもです。」




