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無限の魔法使い  作者: 志野 勇希
4.港町ウィダス
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3.引っ越し(2)(家構造画像)


亜空間経由で、さっき作った家の建築予定地に移動する。

一旦、作った亜空間を消してしまい。綺麗に周りを整地し直す。


塀は、簡易的に作ってたので、綺麗に成形して行く。

塀の高さは、3m程度に増設し、厚さは1m程度にした。

塀の外側は、登れないように土で棘を付けた。

上部も引っかからないように細く尖った形にした。


そして、門のような物は作らない。

塀の向こうから入る事は無いからだ。

俺が出る時には、適当に穴を開けて出ので必要ない。


下手に作って、迷って来た来た人が入ろうとするのは避けたい。

塀も高く作ってるので、頑張らないと乗り越えれないだろう。

頑張って乗り越えるような事をすれば、こちらも攻撃すればいい。

これで、敷地周りは完成だな。


次は、家の間取りを考える。

地面に、線を書きながら大体の間取り構成を考える。

基本的には、今の地下部屋と同じ間取りで考えているが、いくつか改善を行う。

まずは、玄関は今の間取りはあまりに広すぎるので、小さくしておく。

リビング、キッチン、洗濯場や脱衣室、お風呂などはそのままの大きさだ。


今まで寝室に使ってた部屋は、子供用寝室に変更だ。

マディとリルには個室をあげようと思ってる。

寝る時間と起きる時間がそれぞれ違ってたので、気を使ってたみたいだし。


マディには、手間をかけさせる事もあり、パン工房の部屋を追加してあげる事にした。

パン窯は、少し大き目のサイズにした。

あと発酵などで、生地を何回も寝かせをしているので、それぞれを寝かせる場所や、

器具なんかも置いて置ける。

喜んでくれればいいんだけど・・・。

これはマディが移動しやすいように、キッチンの横に配置した。


せっかく外に作ったので、各部屋から外に出れるようにもしておいた。

それぞれに、ウッドデッキを作って行く。

ウッドデッキには、屋根も付けておく。

外でバーベキューしたり、縁側のように座って外の景色を眺めたり出来るようにする。


洗濯場からも、外の干場に出れるようにしておく。

ここにも、屋根を付けて雨の時でも濡れないようにする。


地下の部屋も作って置く。

これは、肉を熟成させる為の部屋だ。

肉の熟成は、出来るだけ冷えた場所がいいので地下にした。


大体の間取りを、地面に書いて確認したので、実際に家を建てて行こう。

まずは基礎作りだ。

基礎は、日本ではコンクリで固めて行うのだが、俺は魔法で土を固めて行う。

基礎の目的は、骨組みをしっかりとした地盤に置く事。

それと地面から染み出てくる雨水の対策や、上下水道の位置決めなどだ。


上水道は、井戸だ。

そして、下水は、浄化槽にすべてつながる。

下水道には、鉄のパイプを通して行く。

可能な限り、錆びないように内側を鏡面仕上げにしている。

浄化槽は、家から少し離れた所に設置している。

どうしても、臭いが出るだろうから・・・。


地下にも部屋を作る予定なので、基礎の段階で考慮しておかないといけない。

こちらは、地下なので基礎は打たず、そのまま部屋にしている。

と言うのも、魔法で土を固めているだけなので、基礎の代わりになっている為だ。


間取りに沿って、骨組みを支える為の基礎を作り、基礎工事は終了だ。

基礎だけ見ても、大体どんな家になるか想像が出来る。

今回の家は、コンクリート造だ。

鉄筋は無いので、土を固めた物を柱にしている形だ。

木造建築とも考えたのだが、一般的には木は加工しやすいのだが、

俺の場合には、やり直しの効かない、木は扱いづらい。

特に、鉄が少なく釘が使えない今は、木造は難しい。


壁は、土で作った壁にした。

コンクリートの壁って感じだ。

音や振動を防ぐし、頑丈だし、湿気なんかも通さないしで、木の壁よりもメリットが大きい。

その代わり、見た目が無機質な感じになるので、上から木の板で化粧する予定だ。

まずは、一通りの骨組みと壁を作って行く。


屋根を三角にするかどうかは迷った。

三角にすると、雪、大雨や風の対策になるので、都合良いんだろうけど、

作るのが面倒そうだし、それに見合ったメリットも少ないだろう。

雪降る訳でも無いからね。

なので、勾配を付けただけの平らな屋根にした。


ガラスが無いので、窓の意味はあまりない。

なので、窓を止めて外に出る為の出口を多く作る事にした。

木で出来た引き戸を付ける感じにした。

開け閉めも楽だし、外にも出やすい。


結局出来た家の間取りは3LDKなんだが、いろいろおまけがついてるので、

結構豪勢な家になった。


外壁はまだ悩んでる。

今は、土で作っているので、コンクリートの打ちっぱなしのような外観だ。

「う~ん。やっぱり木のお家かな~。」

木の板を少し重ねる感じに付けよう。

上側の板を重ねるので、下側から取り付けて行く。

一番下の板を取り付けると、次の板はそれに少し重ねる感じに付ける。

これを繰り返しながら一番上まで取り付けて行く。

確か、木を重ねる事で水が中に入りにくくなるので、よく使われるやり方だった気がする。


これで、家の形になった。

次は、内装をやって行こう。

まずは水回りから終わらせよう。


お風呂場は、今までと同じように作って行く。

前は、湿気を抜く為に空気穴を開けていたけど、今回は・・・。

露天風呂風にするか・・・。

せっかく作ったのだが、壁を1方向だけ取り払う。

そこに、木で作ったふすまを付けて完成だ。

ここを開けると、庭が見える感じになる。

お風呂に入りながら、外を見る事が出来るようになった。

需要があるかどうかは分からないけど・・・。嫌がるかな?

まあ、掃除の時には楽だからいっか。

水汲み用の井戸も設置済みだ。


脱衣所は、前と同じく、洗い場とリビングにつながる様にしている。

洗濯ものを、洗い場にすぐ持って行けるようにしてる。

棚なんかも、新たに作って設置しておいた。


洗い場は、前と同じ形だが、外に干場を作ったので、

そこへの出入りが出来るようにしている。


干場は、それほど広くないが、物干し竿をいくつか設置しているので、

洗濯ものを干しやすいだろう。

木製のハンガーなんかも時間があれば作ってあげよう。


キッチンの配置は出来るだけ、変えないようにしておいた。

ただ、かまどの排煙とかの作りは改造している。

今までは、地面までの穴が煙突の代わりになってたが、今回はちゃんと煙突を作った。

煙突の理由は、煤対策だ。

遠くから煙が見られる可能性はあるが。街道や、町から見える訳では無いので、

余り気にしていない。

それに、いつもきっちりと乾燥された薪や炭を使っているので、

煙もそれほど上がらないはずだ。

キッチンからも、ウッドデッキに出れるようにしている。

バーベキューとかやる時に使うだろうと思う。


パン工房は、パン窯と、作業用の机、発酵を行う為の棚なんかを設置している。

ここは、生地を寝かすので、出来るだけ雑菌が入らないように、リビングへの出口のみだ。


マディとリルの部屋は、それほど広くないけど、6畳くらいの部屋だ。

机、棚なんかを用意してあげる。

ベッドは、今のを持ち込む予定だ。


子供達用の寝室の大きさは前と同じだが、棚と机を追加した。

基本勉強なんかは、リビングでやるのだが、作業台的な物を用意してあげた。


子供用寝室と、マディとリルの部屋からは、ウッドデッキに出れるようにしている。

ここには、椅子と机を用意して、外を眺める事も出来る。

そのまま外に出る事も出来るけど、裸足で出そうでちょっと危険かもしれない。

風呂場に、外から入れるようにしたので、裸足で出たら、そっちから入って貰わないとだな。


トイレもリルの部屋の隣と、子供部屋の隣に用意した。


大体出来たが、夕日でもうすぐ日が沈みそうだ。

みんなを呼びに行って、感想と要望を貰おっか。

「すっご~い!!木だ!木のお家だ!」

アリスは感激の声上げて走り回ってる!


「おお~。そんなに今までと変わらないんだな・・・。

おお!外だ外に出れるぞ!ミーアこっち来てみろ!」

「待ってよ~。すご~い。外だ~。」

ジャックも、ミーアもご満悦だな。


「ハルト様・・・これは・・・パン工房ですか?」

「そうだよ。マディ用に作ったんだ。おいしいパン焼いてね。」

「はい。こんな立派なパン工房・・・。夢だったんです。」

涙を堪えて、うなずいてる。

喜んでくれたみたいでよかった。


「私達に部屋なんて・・・。ハルト様も部屋がないのに、こんなのいただけません。」

「マディは朝早いし、リルは夜遅くまで作業しているから、寝る時に気を使ってたでしょ。

なので、別部屋に分けたってだけなので、気にしないで。」

「そういう事でしたか・・・。はい。ありがとうございます。」

「それに、自分の部屋でいろいろ実験出来るのもいいでしょ。」

「そうですね。薬剤作る作業とかは、集中しないとなので助かります。」


「広くなったので、掃除は大変になるけど、頑張ってね。」

「はい!がんばります!」

「そういえば、洗濯場見た?外に干せるようにしたんだよ。」

「これは・・・。ハルト様に魔法使っていただかなくても、早く乾きそうですね。

雨の日でも干せそうです。」

リルも気に入ってくれたみたいかな。


「じゃあ、荷物をこっちに持ってきて、今晩からこっちで寝ようか。

じゃあ、とりあえず今から一通り荷物を運んでおくね。

みんなは、こっちの家で足りなさそうなものや、要望があったら考えておいて。」

「は~い。」


俺は、地下部屋に戻って、ありったけの荷物を回収していく。

なんか、マディの家から荷物を強奪したのを思い出すな・・・。

今度は自分の家だけど・・・。

全部荷物を回収できたのを確認する。


2か月間住んだだけど、最初の家からの引っ越しだな。

もう、このランプが付いてないと、前も見えない家からは出れるのか。

ここでは、アリスと一緒に、すぐにジャックやミーア、マディにリルと暮らしていた。

生活の安定の為の最初の家として、十分に役割は果たしてくれた。

もう使わないので、潰してしまおうかとも思ったが、

アイカに外から行く時に使えそうなので、亜空間は残しておこう。

急いで潰す必要もないしな。


俺は家に戻り、回収してきた荷物を所定の場所に置いて行く。

「これで生活出来そうかな?」

「はい。大丈夫だと思います。」

「ほかに何か必要な物あった?」

「とりあえずは大丈夫じゃないかと思います。必要になった時にお願いするかもしれませんが。」

「了解。とりあえず今日からこっちが俺たちの家だ、よろしくね。」


そういえば、家の外やってなかったな。

「外やっておくので、夕飯になったら呼んで。」

「はい。」


近場の森に行き、木を80本ほど根っこから掘り起こして、収納して行く。

あわせて、果実の木も見つけたら収納して行く。

今の時期だと、みかん、りんご、ナシなんかだ。

あと、まだ実はなってないが、リルに教えてもらった、

レモンや、みかん、柿の木も回収していく。


ある程度回収が終わったら、次は植え替えの作業だ。

まずは、塀の外側に果物が生らない木を植えていく。

この木の目的は、目隠しだ。

塀は3m程度なので、木を植えておく事で、近場に来てもわかり難くなるんじゃないかと思う。

余りに、塀に近いと獣が木を伝って入って来るので、塀から5mほど離して植える。

5mほどの等間隔で飢えて行く。

1辺100mで作ったので20本。これを、ずらして2列作る。

さらにこれを、4辺すべてに行う。


程よく目隠しにはなるけど・・・綺麗に揃いすぎだな・・・。

まあ、雑草生えたりして、その内自然になるかな。


次は、塀の内側には、果実の木を植えて行く。

家から外を見た時に、塀が見えるのはあまり景観が良くないので、果実の木で隠して行く。

ついでに、果物も収穫できるから便利だ。

出来るだけ、種類ごとに分けて、収穫する時に一気に出来るようにしておこう。

間隔も結構広めに開けた。

確か、そんな事をTVで見たような気がする。

たしか、リンゴの木を植える間隔は広くしないと、根が絡むとか、栄養の取り合いをするとか。


後は、家の近所に畑を作ろう。

畑は、10m四方くらいの大きさの物を6つ作ろう。

4つずつ使って、2つを休耕させる感じだ。

そしてたら、2年に1回畑を休ませる事が出来るので、良い循環だろう。

場所を決めたら、3mほど掘り起こしてから、石を除けた土を戻す。

この時に、雑草などを細かくして、混ぜておく。

こうする事で、土が柔らかくなる・・・はず。

肥料になりそうな、解体済みの獣の骨もあわせて細かく粉状にして混ぜておく。

確か、カルシウムが、良い土にするんだった気がする。


家の中に戻ろうとすると、みんな縁側にいて俺の作業を見てたみたいだ。

「畑を作っていただけたのですね。」

「少し休ませないといけないとは思うんだけどね。」

「新鮮な野菜が食べれるのは良いですね。料理がもっと美味しくなりますよ。」


「夕ご飯は、こちらにお持ちしますね。」

「いいね!そうしよ。」

マディの提案で、みんなで夕飯を外で食べ、新し家を満喫だ。

まだ、細かいいろいろの改造はあるだろうけど、太陽のある生活になった。

挿絵(By みてみん)


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