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メイド共観察日記~それを編集して小説に~  作者: ナレーショナー: [データ削除済]
第0章 終わりを告げる夜明けの暁
14/27

13 悪夢再び 弐

前回までの『ラブライ[させるかあぁぁ!!!

 いろんなところに喧嘩(けんか)売りたいんですか?! ゴーハウス、ゴーハウスですよ!]

『ここは天界だ。あらゆる所有権が我にあるはずだが』

[ここは記録室、つまり私の部屋ですよ! いくら大家といえども、他人が住んでいる部屋に挨拶もなしで入室したりしません!]

『ふも、一理ある』

[ふむでは?]

『ふむ、ここは一度引くとしよう』

[まったく、乙女の部屋へ勝手に入ってくるのはNGですよ……って、また来るつもりなんですか?!]


前回までのあらすじ


ニルソニアが赤ちゃんプレイに目覚めかける

        ↓

ローゼ、授乳プレイに目覚めかけたことが判明

        ↓

ニルソニアからの首環プレイというか、首環攻め

        ↓

   ローゼ、(いや)すぎて気絶

        ↓

  夢を見ていると、棒人間出現

        ↓

      殴りかかる

        ↓

何故か、ナレーショナーにあたる

         イマココ⤴


[嘘は言ってません。ほんとの事も言ってませんが]



     †     †     †




「よかった。本当によかった。殴った、拳が当たったのが見知らぬ女性で!」


「じゃあその見知らぬ赤の()()に殴られても文句ないですよね! 私天使ですが!!」


ナレーショナー、床に崩れ落ちて女座り(横座り)している。心なしか、翼が(しお)れてしまっている。

棒人間、何を考えているか、外見からは全く予想できない。

専属メイド、まさかの主の声を聴き間違える痛恨のミスをやらかす。


「おいコラ。未来の私。見知らぬ天使(ひと)を殴って謝罪しない方がミスでしょうが! しかも、声のことが書いてあるのは前回でしょうが!」


いきなり、虚空に向かって常人には理解できないことを喚き散らす天使。

その奇行をローゼと棒人間は白い目で見ていた。


[メアさん......失礼。間違えました。棒人間さんは理解出来るはずなんですけどね。

 話の本筋と関係ありませんが、ローゼさんが、無意識のうちに棒人間さんと同じ行動をとっていたと、知ったら心底嫌がるでしょうねぇ]


「自分を無視するな! って、え? 私の事そんな目で見ていたんですか?」


激昂していたが、いきなりキョトンとした顔になるナレーショナー。そのまま、二人の方を向く。

視線を向けられ、ローゼは様々な罪悪感からサッと目を背け、棒人間は様々な思惑から口を開いた。


「大天使サマの賢慮(けんりょ)貴意(きい)は、(わたくし)ども愚人には到底、理解も及びませんが」

一旦、言葉を切る。

「さっさと本題入ろうぜ。こちとら結構待機させられてんだ。待つのも飽き飽きしてんだよ、一日が五週間に感じるぐらいには、な。――なぁ、天使サマよぉ。俺はいったいいつまで待たなきゃなんねぇんだ?」


先ほどまでの慇懃無礼(いんぎんぶれい)さはどこへやら、うってかわって棒人間は、けだるげな口調で催促する。

忘れていたナレーショナーが慌てふためきながら答える。


「ほ、本題に入りましょう。ローゼさんに殴られたことは水に流します」

[二人から、白い目で見られたことと、私にシカトされたこと。いろいろ忘れてますね、過去の私]

「ローゼさん、あなたに伝えるべきことがあります」


と、そこまで言ってローゼの姿がないことに気づく。


「あの~ローゼさんは何処に」

「私ならここです――よ!」


ブンッ!!


棒人間の背後から音もなく忍び寄っていたローゼが、上げていた手を振り下ろした。


「おっと、危ねぇ」

「ええい、避けるな!」


難なく避けられていた。だって、体、細い棒だもの。頭大きいけど。


さすが、駄メイド。人の話よりも自分の欲望を優先したらしい。

いや、主を侮辱されたことへの怒りが理由だとすると、メイドの、従者の鑑かもしれないが。


[うーん、半、半ってとこですかねぇ。ウザさに対する怒り50%、侮辱に対する怒り50%。

あ、そうそう、ちょっとこれ関係ないんですが、地の文を書いているとどうしても堅苦しい文章になってしまうんですよね。でも、堅苦しい方が第三人称神視点にはいいですよね。私天使ですが。

――やっぱり、私が長々と語ると話が進まなくなりますね。どうしましょうか。

あ、一旦現場にお返ししまーす]


「この状況で返されても! あぁ、もう! ローゼさん! 振りかぶらないでください! それじゃあ当たるものも当たりません! 棒人間さん! 逃げないでください! ってやっぱり逃げて! ローゼさん! そのバールのようなもの、どこから出したんですか?! え? 置いてあった? メモと一緒に? メモには『これを使え』と書いてあった?」


[あっちゃー、そっちに出たかー]


「……なるほど。この忙しい時に、しかも私の方に出やがるんですか! あの我らが父(アホ)は! ああ、もう、二人ともおちつイッガフゴガ!?」


ナレーショナー、棒人間から、肘打ちを鳩尾に、ローゼから、バールのようなものを頭に、くらってしまい、倒れふした。

『不幸な事故だった』

[元凶が何言ってるんでしょうね]



     †     †     †



「お二人とも、落ち着きましたか」

「「ハイ、スミマセンデシタ」」


二人はナレーショナーに正座させられていた。

あの後、ユラっと、フラっと、起き上がって聖母のような笑(般若のごとき)みを浮かべた(笑顔をした)ナレーショナーが、(悪魔ごときで)天使の威厳を(は太刀打ちできない)見せつけて、(オーラを身にまとい)二人を非暴力的に鎮めた(血の池に沈めた)



「お二人とも、和解してください。ほら、太ももつねりあったりしない」

「なあ、天使サマよぉ。和解というなら俺たちも和解といこうじゃねえか」


棒人間は、ヘラヘラしながら言った。


「どういう事ですか?」


ナレーショナーが聞き返すと、棒人間は肩をすくめ。


「おまえ、さっきゴタゴタの最中に『避けないでください』とか言ってなかったか?」

「キノセイデスヨ?」

「気のせいか?」

「ハイ、キノセイデス」


ナレーショナーの眼が、だんだんそれていった。

それていった先には、体の横で手をスッと挙げているローゼがいた。

いい逃げ道が出来たとばかりに、ナレーショナーは嬉々として問いかけた。


「何でしょうか、ローゼさん」

「そもそも和解は無理です」


それを聞き、ナレーショナーの感情は一変した。


「えーと、何故でしょうか」

「理由は忘れました」


ズッコケそうになるナレーショナー。


「忘れたんですか?」

「はい、忘れました。ですが、とても腹立たしいことがあったことは覚えています――嘘です。全部覚えています」


ナレーショナー、今度はこけた。起き上がりながら、


「何の嘘ですか!」


と叫ぶ。

意図的か無意識か、そんな天使を無視しながらローゼは、


「そこの尺取虫(シャクトリムシ)が我が主――ニルソニア様を侮辱したのに謝罪していないことが理由です」

と、怒りをあらわにした。


「俺がしゃくとりむ「なら、和解はしなくていいので話だけでも聞いてください。謝罪はまた後日」――科白(セリフ)かぶせんなよ!」


ムッとする棒人間。それには目もくれず、ローゼ、


「それなら聞いてあげなくもな」





――ガアアァァァンンンッ!!!




突如、空間が揺れた。

慌ててローゼと棒人間が立ち上がる。その際、互いの太ももをつねっていた手が離れる。


「なんですか?! ――ッ! ヤバい!! マズいですよ!! 早くしないとローゼさん、帰れなくなります!!」


天使がローゼにとって聞き捨てならない事を言う。


「帰れなくなるって、一体ここは何処なのですか? 夢、だとしても知らない場所が出てくる訳ありませんし」


喋っている途中から体が透け始めるローゼ。


「その疑問もまたの機会に! 棒人間さん、話を要約して伝えてください!」


その要望に応えた棒人間。

心なしか、逃げまくっていた頃よりも大きくなった下腹部に片手を当てて、頬をポッと染めながら、


「もうすぐ産まれるみたい」


と、はにかんだ。ように見えた。表情が顔がないゆえ、確証はない。

それが、ローゼが最後に見た光景だった。

あれ? 棒人間さん男だったよな。


棒人間の太ももってつねれるの?


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