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第一章 過去の世界について

「あーあー…ちゃんと映ってる…ね…!!よし!!」


風で木々が揺れ、葉はザーザーと音を立てて、風に吹かれていた

…という光景が環境音でまず浮かび上がった

というのも映像の一番初めはある生物の顔が画面全体に映り込んでいて、背景がほとんど見えない状態にあったからだ

その生物は目が前に付いており、そこから鼻、口、その他もろもろの位置や形から考察するに…

うむ…きっとこれは旧人類の「ニンゲン」という種族に違いないだろう

「ニンゲン」という生物は二足歩行で高い知能を持ち、独自の言葉で話すこともできる哺乳類の生物だ

見た目に関してはほとんど我々と変わらないため、見た目に関しては難しく考える必要性はない

だが、多少なりとも違う要素があり、呼び名も何故か同じなため、我々は旧人類と今の人類を分けるために昔の人類を「ニンゲン」今の人類を「人間」と言い分けている

年齢は…見た感じ大体10~20歳くらいだろう

だが…性別は一切わからないな…

旧人類のメスであれば胸が膨らんでいて、体が少しスリムである

逆にオスの場合は肩幅が広くて、骨格がかくかくしている

また、これはあまり確証的で、メスの方が可愛く、髪が長い。オスの方がたくましく、髪が短い傾向にあるケースが多い。

ただ、この旧人類はどちらともいえない。中性的な見た目だ

そして、言葉は旧人類の言語体系の一つ「ニホンゴ」だろう

私、「ニホンゴ」嫌いなんだよな…だって、難しいじゃないか

まぁ、そんなことを言っていても仕方ないわけでもあるが…


「やっほー。こんにちはー!!人類最後の生き残りです!!」


…人類最後の生き残り…これが本当ならば、これは旧人類が残した最後の映像ということか

それが本当ならば世紀の大発見と言えよう

なんせ、この映像には旧人類が滅んだことに対する確信が突けるものが入っている可能性が極めて高い

私は気分を高めながら映像の続きを視聴する



「今日は~…って今日とか言わなくていいか。とにかくこれを見れてるってことは未来人ってことだよね?んまぁ、いっぱい気になることあると思うけどさ~それは後で教えたげるね。初めから、そんな空気が重いし,嫌じゃん?というわけで!!まずはそんな未来の人々のためにこの日本の素晴らしいモノを伝授しましょう!!」


『ニホン』というのは島国の一つ

そう、さっき例に挙げた赤い塔があるところのことだ

『ニホン』とこの旧人類の扱う言語、『ニホンゴ』ここから推測するにこの旧人類は『ニホンジン』なのだろうか

だが、情報とかなり見た目が違う気がするが…

見れば、その旧人類の長い髪の色は白髪で瞳の色は赤い

髪の色は髪染めだと思えば納得が行くが目の色はカラーコンタクトの一種…とは到底考えにくい

…と、そんなことを考えているうちにその旧人類はどこかへ歩き出していく



「僕の名前…何て興味ないと思うけど、もしなんかの資料とかにまとめているとかの場合、是非とも「ニンゲン」と呼んで欲しいな。僕は「ニンゲン」だからね。それ以上でもそれ以下でもないからさ」


旧人類はその映像機器に話しかけてくる

これは…どうした方がよいだろうか

この旧人類の要望に応え、以降呼び名を「ニンゲン」で統一するか…

はたまたこのまま呼び方を旧人類のままでいくか…

…よし、決めた。私は「ニンゲン」でいくことにする。それがあの生物の本望ならばそれにこたえぬ義理は無いし、そもそも、「ニンゲン」と呼んで損することはないだろう


「さっきも言ったけど、人類滅亡しちゃったとかいろいろ気になってるとは思うんだけどさ、君たちにはそんなことより、僕たち…って僕は作ってないけど、その「ニンゲン」たちが作った素晴らしい作品達を知ってもらいたいんだ」


その「ニンゲン」はそう言いながら、「あれを見て」と言いたげに無言で遠くを指をさす

指の先にはさっきから話に何度も出ている赤い塔があった


「これは『東京タワー』。ここ日本の首都『東京』にあるでっかい塔でおそらく日本一有名な塔じゃないかな」


日本の首都の『トウキョウ』はなんかの文章の中にあった気がする…

『トウキョウ』にあるから『トウキョウタワー』…安直な名だな…

それより驚いたのは『トウキョウ』の町並みは今の苔むした感じではなく、我々の技術をはるかに凌駕する建造物がいろいろあったことだ

この情景からかつての『トウキョウ』が栄えていたということが事実が嫌でもわかる

だからこそ私は悔しい。この人々の叡智が簡単にも崩れてしまったというこの事実が

「ニンゲン」はその白い髪をたなびかせながら『トウキョウタワー』の下まで行った

そして、『トウキョウタワー』の下から上までの光景を見せてくれた


「いやぁ、東京タワーはやっぱりでっかいねぇ…まぁ、僕の心の方がでかいけど」


計測の結果『トウキョウタワー』は333mあるからまぁ、巨大であることには変わりないか

いや、そんなことどうだっていい

大事なのはそこの『トウキョウタワー』の近くの至る所に転がっていたものだ

さっきは遠くから出見えなかったが…そこには…たくさんの旧人類の”死体”が転がっていた

私は今何を見ている?この光景はあまりに異質である。

まず、一番初めに思った疑問はその死体は綺麗すぎることである

初めはただ、眠っているのではないかと疑うほどに体の状態がきれいであった

というもの、見れば、その転がっている死体にはほとんど傷が無いのだ

と…なれば、旧人類が滅んだ原因は出血など外側からではなく。毒など中から蝕んでいくようなものだったのだろうか?

ただ、そんなことよりもっと疑問に思ったのはその「ニンゲン」は顔色変えずにずっと口角を上げ続けていたことだった

普通同類の死体を目撃したら、病んだり、絶望したりしそうだが…

苦笑いや笑顔を作っている様には到底思えない。むしろ…いや、まさか…そんなはずはないだろう

それと、死体の状態からこの映像は旧人類が滅んでから直近約1~2日といったところか?


「見てもらえばわかると思うけどさ、そこら中に死体が転がっているんだよねー。まぁ、見ていて心地の良いものではないかな」


そう、切なそうな顔をしながらそんなことを言う「ニンゲン」

うむ…やはり私の考えは無礼で間違っているのだと気付かされた



「みんな~みんな~中身をさ~♪見ずに外見だけを見てる~♪」

次の映像はその少女は歌を歌いながら山道を歩いていた

というのも彼女は録画を一度停止して、再度回し始めたみたいだ

おそらく、充電とかそこらの関係だろう

理由はこの録画機器が見つけられたとき、起動しなかった原因は壊れていたのではなく、充電が切れていたからだ

そこから察するにまぁ、こんな世界な人類がいない世界で充電などできるはずもないので節電している…と言ったところだろう

なにやら気分がよさげに歌を歌っているが…この歌の歌詞…なんなんだ?これは?


「この歌詞はねぇ…僕のオリジナル曲!!いるでしょ?人を見た目だけで判断する人。僕、ああいう人嫌いなんだよね~。中身で勝負しろってもんだい!!」


と、そんなことを考えていたら歌詞の意味を明かしてくれた。

どうやらオリジナル曲みたいだ

だが、ポップなメロディーに対して、歌詞はやや暗めな気がしなくもない

そんなことを思っていたら、また、彼女は指をさす


「見て見て!!あれが日本で一番有名な山!!富士山!!」


『フジサン』というの大体『ヤマナシ』と『シズオカ』という地名の大体境界線にある山のことだ

『フジサン』は様々な文章の中から出てくる言葉であるので、とても有名な山の名前だ。

また、『フジサン』は旧名なので現在は”不死之山ふしのやま”と呼ばれているが、あまりにも有名なので『フジサン』の名で呼ぶ人の方が多いと聞く


「このスケールと青とてっぺんの白!!いやはや…いつ見ても見事であるなぁ!!」


この「ニンゲン」の言う通り、それについては私も同感である。

『フジサン』という山は世界的に見てもかなりきれいな山だとは思う

私もできれば、『フジサン』を眺めながら茶の一杯でも飲みたいものだ

と、思っていると突如として画面が荒ぶる

荒い呼吸音と風を切る音…そこから察するに「ニンゲン」は『フジサン』へ向け、走っているのだろう

でも、何の意味が?


「はぁ…はぁ…富士山を見るとなんだかさ!!山頂くらいまで走りたくならない!?もし、雲まで届いて、やがて、雲と同化しちゃったらどうなるんだろう!!的なさ!!」


…ならない

と言うかその前に凍えて死んでしまうだろう。その服装じゃ



映像は移り変わりまた別の場所を映し出す


「見て~これはね…”土偶”!!日本の建造物とかではないけど…僕たち「ニンゲン」の遥か昔の人々が作った作品の一つだ!僕、土偶結構好きなんだよねぇ…見てよ!!この顔!!すごくかわいいと思わない!?」


『ドグウ』?

聞いたことのない言葉である。

だが、見た目的にこれは…土か?粘土か?はたまた、泥?

土や泥などをこねたりして作った人形のようなものというわけだろうか

あれだ…偶像と言うのか

土の偶像だから字としては”土偶”。といった感じになるんだろうか?

…あと、かわいい…だろうか…

ふむ…まぁ、言われてみればかわいくない…こともない…?


「このかわいらしい顔よ!!ふはははは!!よぉし…なでなでなで~」


と、「ニンゲン」は土偶を撫でている

…なんだかテンションがおかしくはないだろうか?

まぁ、話せる人がいない分、土とはいえ人の形をしている分話した方が楽になるのだろうか。

ほらあれだ、留守番中の少女が人形ごっこしているときに人形に話したりするのと似たような理由だ

「ニンゲン」は今までにないくらいの笑みを見せながら土偶の頭?に当たる部分を撫で続けている。

…小動物を見ているみたいだ。少しかわいく見える

と、考えていると「ニンゲン」はその土偶を脇にはさみながらまた歩みだす

いや…流石に邪魔だろうという考えは胸に秘めておくとしよう



「あつぅい…僕、熱いの苦手なんだよねぇ…」


と、突如として言う「ニンゲン」

私自身も暑いのは苦手だ

寒いのは服を着こめばどうにでもなるが、暑いとなればそうともいかない


「あとね~お酒とかも苦手なの~一口飲んだらすぐに昇天しちゃう」


昇天とはまた…

ずっと思っていたが、この「ニンゲン」はとても面白い言い回しをすることが多いなと感じる

だからだろうか、これだけ長い映像でも見ていて飽きないと感じることができる

きっと、人との関わり方がうまいのだろう

…だが、飽きないだけであって、実を言うと体の方は結構限界が近い

特に目。疲労感が取れない

まぁ、長時間ずっと、スクリーンを見続けていたらそうなるか

今日はもうキリのいいところで終わりしよう

私は映像の続き自体も気になるし、何故。旧人類が滅びてしまったかなどいろいろ気になることもあるがが、一番はこの「ニンゲン」がどのような行動をとるのか…それが楽しみであり、だからこそ、この映像を楽しんでみたいのだ。


「やっと、付いた!!旅の目的地は目的地はここだよ!!」


と考えていた時、「ニンゲン」は遠くを指さす

あれは大仏…この見た目の大仏と言えば…


「あれはね!!奈良の大仏!!ここが目的だったの!!」


そう、『ナラ』という地名にある大仏だ

『ナラ』の大仏も『フジサン』と同じくらい有名なものであり、人気のあるものだ

それにしても『トウキョウタワー』みたいにちゃんとした名前があるのかと思いきや、どうやらこれは普通に『ナラ』の大仏と言うらしい…


「本当は奈良の大仏って名前じゃないんだけど…ごめん!!正式名所忘れちゃった!!」


いや、普通に正式名所がわからなかったみたいだ

と、そんなことを考えていると「ニンゲン」は大仏の左手にあぐらをかいて座った

土偶は抱きしめるようにして前で持っている


「さぁ、未来人君。ついに話してあげようか。いったいこの世界で何があったのか」


…ついにか

私はそこで映像を止める

きっとこの先は重要な情報や話がたくさん出てくる

しかし、この疲れ聞いた脳ではその数多の情報を処理するのは不可能だろう

だから、私は一度、映像の視聴を中断したのだ

私はパソコンを閉じる


「続きはまた明日だな」


私は好奇心からくる笑みを止められなかったのだが、これは果たしていけない事なのだろうか?


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