第1章
「人は誰でも過ちを犯すものであり、些細な過ちで他人を裁いてはならない。」――作者不詳。
瑞原(封筒を開けて読み上げる):「宮村佐々木の兵役登録最終結果。軍名はフレイム・宮村。」
瑞原(考え込むように間を置く):ついに届いたわけだけど、なぜ軍名まで記載されているの?
彼女は再び読み返す。
瑞原:「血液検査とDNA検査の結果、パニック状態になると血液から微量の煙が発生することが判明した。調査の結果、これは伝説の『火の剣』である可能性が指摘された。B-112部隊に空きがあり、彼は正式に入隊した。」
水原さんは、すべてを読み終えると、少し動揺してしまった。
悲しむべきか分からない。
喜ぶべきか分からない。
望んでいないのに、同時に望んでいる。
彼女は立ち尽くして考え込み、時間が過ぎていった。
宮村さんがトイレから出てきて、そんな状態の水原さんを見つけた。
宮村(タオルを巻いたまま):水原さん、どうしたの?
水原勝樹(ようやく口を開いて):あなた……兵役審査に合格したんだ。
宮村(驚きと喜びを込めて):本当?!
瑞原さんも一緒に笑おうとするが、まだ彼のことを戦争や紛争などの文脈で考えることはできず、まだそんなことを考える段階には至っていない。
瑞原:あ、うまくいってよかった……嬉しい……
宮村:声の調子がちょっと元気がないけど、大丈夫?
瑞原:脱水症状かもしれない。ちょっと水を飲んできて……
宮村(微笑みながら):わかった!
翌日、宮村さんと水原さんは本部へ向かう。
瑞原さんは任務に向かう。
そして宮村さんは受付で正式な入隊手続きを行う。
受付係:ええと、手紙に「合格」と書いてあるから、特に言うことはないですね。
彼はロッカーから制服を取り出すために立ち上がる。
受付係:服のサイズは?
宮村:分からない。
受付係:ああ、子供ってのはみんなバカだな。
いくつか服を試着した後、ようやく宮村さんは軍服を身にまとうことになった。
受付係:まあ、君は特別な兵士だから特別な制服を用意しているんだけど、今のところマフラーしかできてないから、これを受け取って。
宮村さんはマフラーを受け取って巻いてみると、着心地が良く、とてもカッコいいと感じた。
宮村:ありがとう! いつも身につけておくよ!
宮村さんはそのまま部隊へ向かうが、突然看護師に発見され、彼女に飛びかかられる。
看護師:入隊できたのね!
宮村(少しかすれた声で):勘弁してくれよ、俺、12歳なんだ!(重さでバランスを崩す)体はまだ成長途中なんだ!
看護師はようやく彼から降りた。
宮村:他の人にもこんなふうにするの?
看護師:いいえ、ただ、12歳で軍に入隊する子はあなたが初めてで、私の息子を思い出させるんです、あの……
宮村:お子さんがいるんですか?
看護師:ええ、あの子はあなたにすごく似てるんです!
宮村:それなら、私に対してそんな親しみを寄せてくれるのも納得です……
看護師:それじゃあ、軍隊での活躍を祈ってるわ……
宮村:ありがとう!
宮村さんは別れを告げ、まっすぐ部屋へと歩いていく。中に入ると、部屋は広大で、何人もの大人が彼を怪訝そうな目で見つめていた。そして、水原さんのほかに、もう一人の十代の少年がいた。
10代の少年(宮村さんのシャツの襟を引っ張って):今さら子供まで徴兵するんですか?
宮村:お、落ち着いて!
宮村:リー、彼を傷つけないで!
リー:あんた、このガキを知ってるの?
宮村:しばらく面倒を見てた子なんだ。入隊したかったみたい!
リー(フレイムを放す):わかった。
リーは落ち着きを取り戻し、元の場所に戻る。
宮村:大丈夫……
平川さんがドアを開けて現れる。
平川:Hello! Ola!Hallo!Ciao!Ni hao!
フレイム・ミヤムラ:英語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、中国語で「こんにちは」って言ったのに、自分の国の言葉だけ忘れたじゃないか!
平川:そんなの細かいことさ。
平川さんは、よりプロらしい姿勢を見せる。
平川:みんな、見ての通り、新しいスター、宮村さんが加わったよ!彼は伝説的な才能の持ち主なんだ!
リー:あのガキ、一体何者なんだ?
平川:彼は『火の剣』の血筋を受け継いでいるんだ。史上最強の能力だよ!
皆、宮村さんを決して好意的とは言えない、むしろ少し威圧的な眼差しで見つめている。
リー:君が嘘をつくのは何度も見てきたけど、今回は度が過ぎてるぞ!
大人1:あんなガキがそんな力を宿すわけがない!
大人2:ライフルを構えることすらやっとだろう!
宮村(少し怯えながら心の中で):誰も信じてくれない……
リー:あのガキに特別なところなんてあるわけないよ、せいぜい雷のおならくらいだろう!
兵士たちは皆、大爆笑し始める。一方、宮村さんと水原さんは、誰も宮村さんの潜在能力を信じてくれないことに、少し気まずさと悲しさを感じている。
平川:ふざけるのはもういい。戦闘中に燃焼する細胞が存在することは、科学者たちによって確認されている。
平川さんは眼鏡を直した。
リー(背景):そんなに凄いのなら、さあ戦ってみろよ!
宮村(怯えて):私……?
瑞原:リー、お願いだからやめて!
リー:落ち着けよ、俺は拳でやるんだ。剣を使う理由なんてないだろ!
平川(がっかりした様子で):そんな……なんてみっともない。
リー:今度は何?
平川:何でもない、何でもないよ。行ってもいいぞ。
宮村(平川さんを見つめながら心の中で):待って、あいつ、僕と戦わせてくれるの?でも……「火の剣」をまともに使いこなせないのに……
リー:わかった。(ミヤマさんの方を向いて)今夜。野原で。絶対に来いよ、さもないと剣で手を切り落とすからな。
宮村さんは、どうにかして宮村さんを庇おうとしている。リーと対立したくはないが、それでも宮村さんを一人にしておきたくないのだ。
瑞原さんの家。
瑞原さんと宮村さんは休んでいる。
宮村:「初日はあまり良くなかったね……?」
フレイム・宮村:「俺にはどうでもいいよ。まだ大したことじゃないと思ってるし。」
瑞原:「大したことだよ! ひどく怪我するかもしれないし、あいつの体格は異常だぞ!」
宮村:「分かってるよ……」
瑞原:「しかも、それが今日なんだし!」
宮村:絶対に勝つから。大したことじゃないよ、信じて。
瑞原(無知な様子):「大したことじゃない」か。
夜。陸軍訓練場。
リーが少し遅れて到着する。
リー:ほらね、俺から逃げ出すかと思ったよ。
宮村:逃げ場なんてないし、逃げたくもない。
リー:ほら、カッコつけようとしてるやつ!
宮村さんは何も答えない。
リー:先に攻撃させてやるよ。
宮村さんはリーの願いに応え、攻撃を仕掛ける。
リーはその攻撃を予測してかわし、すぐに彼の腕をつかんで地面に叩きつけた。
リー:「これでも攻撃って言うのか?」
宮村さんはそれを無視しようとするが、感情に支配されてしまっている。リーに踏みつけられながら、必死に逃げようとしている。
瑞原さんが止めようとするが、群衆が彼女の声を遮る。
リーは宮村さんの髪を掴んで引き起こし、何度もパンチを浴びせ始める。
鼻から口へと血がゆっくりと流れ落ちる中、宮村さんはまだ逃げようとしている。
パンチの数があまりにも多く、瑞原さんにとっては大きな苦痛だった。彼女は止めることも、介入することもできず、ただ見守るしかなかった。
宮村(叫ぶ):もういい!
その叫び声に皆が戸惑う。とりわけリーは。
リー:ん?
宮村さんはなんとか逃げ出し、チュン・リーに一撃を食らわせる。まだ制御できていなかったため、「火の剣」は混乱状態にあった。
リー(痛みに耐えきれず大声で叫ぶ):痛い! 何てこった!
宮村さんも手首に痛みを感じ、叫ばないように必死に耐えるが、小さな悲鳴が漏れてしまう。その痛みは耐え難いものだった。
宮村さんはあまりにも辛かったため、そのまま気を失ってしまった。
宮村(目を開ける):あ、あ……ここはどこ?
宮村は、巨大な黒い霧に全身が覆い隠された女性の姿を見る。
宮村:そ、あなたは誰ですか?
その存在は答えることなく、ただ彼に近づいてくる。
存在:目を覚ませ。我が子よ。
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「母親とは、最悪の日でも自分の子を受け入れてくれる人のことだ。そうでなければ、母親とは見なされない」――作者不詳。
宮村さんは目を覚ます。
瑞原:あ、あ、フレイム、大丈夫?!
宮村:俺、生きてる…?(傷ついた箇所を確認する)
宮村:うーん、大丈夫みたい……
瑞原(安堵して):よかった、目が覚めてくれた。すごく心配してたんだ……
宮村:ごめん……君の言うことを聞くべきだった……考えもせずにやってしまった。
瑞原:大丈夫、落ち着いて……
宮村:チュン・リーは、大丈夫?
瑞原:彼は回復したよ。少し火傷はしているけど、大丈夫だ。
宮村さんは、リーに殴られたことを知っていながらも、思ったほどひどい怪我ではなかったことにほっとしている。
瑞原:痛みはありますか?
宮村:いいえ、大丈夫です。
瑞原:じゃあ、ついてきてくれる?君の軍人人生にとって重要な場所へ連れて行きたいんだ。
宮村(嬉しそうに):もちろん!
彼は立ち上がり、瑞原さんが言った場所へと彼女についていく。宮村さんは背中に少し痛みを感じていたが、それほどひどくはなく、普通に歩くことはできた。
瑞原さんは、彼が本当に大丈夫かどうか確かめるように、しばらく彼を見守っていた。
歩き終えてようやくその部屋に着くと、瑞原さんがドアを開けた。そこには平川ソラがいた。
平川:おや、戻ってきたじゃないか!
宮村:ソ、ソラ?
平川:うん、ここにいるよ!
宮村さんは少し戸惑っていた。
平川:さて、そう言えば、君の制服はもう出来上がってるよ。
宮村(興奮して):わ、僕の制服?!
平川:そう、坊や。これで君専用の軍服を着られるよ!
平川さんはロッカーの一つを指さした。
平川:あそこにありますよ!
宮村さんは平川さんが指さした場所へ行き、引き出しを開けた。
そこには制服が入っていた。シャツは少し濃い赤色で、伝統的な軍服を彷彿とさせる黒い模様が入っていたが、これは専用のものだった。
軍用の専用マスクもあり、丈夫な素材で、手触りも良かった。
マフラーは改修されており、色はオレンジのままであったが、素材は以前よりはるかに丈夫になり、マフラーには黒で国連の紋章が描かれていた。
宮村さんはすべてを見て、大いに興奮した。
宮村:うわっ! すごい!
平川:国連が作ったんですが、たった2週間で作ってくれました。
宮村:「2週間」って、最近入隊したばかりじゃなかったっけ?
平川:2週間、寝てたんですよ。
宮村:寝…寝ていたの?!
平川:さあ、トイレの横にある更衣室に行って着替えてきて。
宮村:わかった!
宮村さんはユニフォームを持って、更衣室で着替えるために走り去った。
しばらくして、宮村さんが戻ってくる。
彼はマフラーと、みんなが作ってくれた残りの制服を持って戻ってきた。
平川:「ほら、めっちゃカッコいいじゃん!」
宮村:「ひ、本当? ありがとう!」
瑞原:「フレイム、似合ってるよ!」
宮村さんは微笑む。
宮村:みんな、ありがとう……このユニフォーム、すごく気に入ったよ……
平川(くすくす笑いながら):どういたしまして!(姿勢を正して)うーん……ふと考えたんだけど……剣とか、特定の武器を使いたい?
宮村:特に予定はないよ。素手での戦いが好きだから。
平川:本当に? その戦い方はすごく難しいよ。
宮村:僕はその方が好きだし、その方が得意なんだ。
平川:じゃあ、好きなのを選んで……
水原勝樹:宮村九、行こう。
宮村:わかった
二人はその場を去り、平川さん一人を残して、その直後、平川さんも用事を済ませに外へ出かけた。
彼らが隠れ家に到着すると、そこにはすでにチュン・リー・ブラッドボーンと他の面々がいた。
宮村さんはリーを見て少し驚いたが、不機嫌そうに見えたり無知なふりをしたりしないよう努めた。
リー:おい、フレイム!
宮村さんは彼の呼びかけを聞き、彼を見つめる。
リー:さっきの件、ごめん。俺の行動は子供っぽかった。
宮村:い、いいえ、謝らないでください。あのパンチを食らわせたのは私の方ですから……
リー:今、わかったよ。君は本当にあの伝説の能力を受け継いでいたんだな。
リーは少し息をついた。
リー:その力について、少し情報があるんだ。多くはないけど、僕が知っていることはこれくらいだ。
宮村:ま、本当か? ありがとう、これはお礼をしなければな……
リー:いや、僕がやったことの代償を払っているだけさ。
ミヤマさんはしばらく黙り込んだ。
リー:『火ノ剣』。これは、ある男が剣を振り上げた際に幻覚を見たという、戦時の敵たちによって名付けられた能力だ。
彼は少し息をついてから、話を続けた。
リー:ある説によると、戦国時代、首を切られた兵士がいたが、血が思ったほど流れ出なかったという。その剣士が斬った相手は、熱で皮膚が「くっついて」しまったのだと人々は言っている。
リーは話を締めくくった。
リー:以上です。聞いてくれてありがとう。
宮村さんは戸惑いながらも、いくつかの疑問は解消されたようだが、なぜ自分だけがこのような力を継承したのか、まだ理解できていない。
宮村:ありがとう、いくつか疑問が解消されたよ。
リー:君は勝木の友達だよね?
宮村:うん。
リー:じゃあ、君も僕の友達だね。
それを聞いた皆はリーがこれほど親しみやすい態度を見せたことがなかったため、違和感を覚えた。
リーは周囲の視線に気づいていたが、気にする様子もなく、平静を保とうとした。
水原勝樹:あ、仲直りしてくれてありがとう!
リー:勝樹、新しい友達ができたみたいだね。
リーは微笑みを浮かべ、フレイムを引き寄せて力強く撫でた。
宮村さんはこの瞬間を嬉しく思った。友達ができるなんて滅多にないことだったからだ。彼はいつも変わり者で、いつも自分の隅っこにこもっていたのだから。
数時間後、夕暮れ時になり、宮村さんが帰ろうとしたところ、途中で平川さんに遭遇した。
平川:ちょっと、ちょっと待って!
宮村:どうしたんですか、平川先生?
平川:特殊部隊の兵士は、これからは専用の部屋が使えるようになったんだ。つまり、家に帰ったり、一般の兵士たちと同じ部屋で寝たりする必要がなくなったってことさ!
宮村(困惑):それって、かなり大きな特典ですよね?
平川:こういう人材はめったにいないから、僕は彼らをかなり優遇してるんだ。
宮村:そうか……
平川ソラ:もうすぐ君も初めての任務に就くことになるから、準備しておいてね!
宮村さんは自分の部屋へ向かう。その部屋はリーさんの部屋の隣にあり、途中でリーさんと出くわす。
リー:やあ、フレイム!
宮村:やあ、元気?
リー:もちろん!
宮村:この特別な部屋って、新しいの?
リー:そうみたい。普段は外に出て家に帰れたけど、今は自分の部屋があるんだ。
宮村:カツキは?
リー:もう部屋にいるよ。
フレイム・ミヤムラ:なるほど。
リーは鍵を開けて部屋に入る。
リー:おやすみ!
宮村:おやすみ!
宮村さんは平川さんから渡された鍵を取り出し、ドアの鍵を開けようとする。何度か鍵を回した後、ようやく開けることに成功し、中に入るとすぐにドアに鍵をかけ、ベッドに倒れ込んだ。
宮村(心の中で):なんて疲れる一日だったんだ……明日はサブクエストがある。時間とともに上達できるだろうか……?
せめて、時間とともに成長できればいいんだけど……
少し眠ってみよう。
目を閉じて、考え事をやめるだけだ……
しばらくして、彼はようやく眠りにつく。自分にとって快適で安心できる姿勢で。
周囲に微風が感じられる。柔らかく、いい匂いのする風だ。
彼は少し気になり、目を開ける。
宮村(目を開ける):あ、あ……ここはどこだ?
宮村さんの目の前には、巨大な黒い霧に全身が覆い隠された女性の姿があった。
宮村:そ、あなたは誰だ?
その存在は答えることなく、ただ彼に近づいてくるだけだった。
存在:目を覚ませ。我が子よ。




