第九話 ナニ部?
「あー!
ボスとジョームがパスタ食べてるー。」
「ブッ。」
ミーナの言葉にサブローとジョーがむせぶ。
「ちわー。」
「んちわー。」
若い男たちがやって来る。
ハリーは腕時計を見る。
12時43分。
「あ!
ボス、ジョーム。
ちわっす!」
「ちわっす!」
「ちわっす!」
リクの挨拶。
それに続く男たちの声。
「あれ?
今日パスタあるんすか。
メグさん、オレ、パスタで。」
「オレも。」
「オレも。」
「もう!
ほら、サブロー!
こーなっちゃうじゃないの!」
「う、ワリィ。」
「もう、パスタなんて一度に作れないんだから。」
メグは男たちに謝る。
「ごめんねー、あれは試作の麺なんだって。
二人の分しか無いのよ。」
サブローは立ち上がる。
口がもぐもぐしている。
ゴクン。
「あー、ワリィな、みんな。
今度、麺茹で機の導入、検討するわぁ。」
「え、マジっすか!」
リクの目が輝く。
「まだ約束はできないけどな。」
「あざっす!」
男たちは料理を受け取る。
ご飯を皿に盛る係。
コップに水を注ぐ係。
大きなトレーで運ぶ係。
「ねぇ、ミーナさん。」
ルカが尋ねる。
「生産管理部って•••。」
「うん。」
「ナニ部?」
「•••え、生産管理部よ?」
二人は見つめ合う。
「•••あ、そっか!
生産管理部って、体育会系だったのね。」
「ん、あー、あははっ。
うん!
そっち。
完全にそっち系!
ミーナは、その部活のマネージャー。」
「じゃーリッくんは、キャプテンっぽいね。」
「あ、リッくんてね、テニス部キャプテンだったんだって。
それっぽいよねー。」
「えー!ほんとに?
私もテニス部マネージャーやってた!
女子部だったけどー。」
「えー!
すごい偶然ー!」
二人は盛り上がる。
ハリーは微笑みながらつぶやく。
「•••それ、ナニ繋がり?」
⸻
梅雨の時期。
なかなかやまない。
女子トーク。
「あー、さて、そろそろ戻ろうか。」
ハリーは腕時計を見る。
1時4分。
チッ、チッ、チッ。
秒針の音。
スマートフォンを見る。
再び腕時計を見る。
「どうかしたんですか?」
ルカが覗き込む。
スマートフォン。
13:06。
ハリーは盤を見つめる。
チッ、チッ、チッ。
秒針が動いている。
3秒、4秒、5秒。
三本がほぼ重なる。
頭がゆっくり上がる。
目がどこかを見つめる。




