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COSKILLER (コスキラー)―CKR(シクル)―  作者: 黒薔薇
黒曜会の者からの依頼
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41/54

7人の仮面のイベント


翌日――

CKR事務所兼アトリエでは朝から、

いつも以上に慌ただしい空気が流れていた。


ミシンの音や

ドライヤーの音に

工具の音


そして、Jokerの声


「これ、絶対俺に似合うって!」


「似合うかどうかは着てから言ってくれないかな?」


Dollが呆れたように返す。


今回の任務は、

いつもの潜入とは少し違っていた。


黒鉄迅を探すため――

七人全員が

コスプレイヤーとしてイベントへ参加する。


もちろん、

ただ楽しみに行くわけではない。


イベント会場には、

迅と交流のあったレイヤーやカメラマンが

多数集まる。


その中に、

迅の失踪に関わった人物がいる可能性がある。


だからこそ、

今回は表の顔を最大限に利用する必要があった。


Mirageは鏡の前でウィッグを調整していて

その隣では、

昨日加入したばかりの紗夜が衣装を確認していた。


Dollがふと尋ねる。


「そういえば……紗夜ちゃんって、

コスプレイヤーとして活動してる時の

名前は何ていうの?」


紗夜が顔を上げる。


「あ……」


少しだけ考えたあと、微笑んだ。


「夜凪(よなぎ)です」


Jokerが振り返る。


「夜凪?」


「はい」


紗夜――いや、

夜凪は頷いた。


「コスプレネームは

アルファベット大文字で『YONAGI』

普段はその名前で活動しています。」


Mirageが笑う。


「じゃあ、

イベントでは紗夜じゃなくてYONAGIね♪」


「はい。」


Jokerがニヤッと笑う。


「了解。じゃあ今日からYONAGIちゃんで♪」


Knightが呆れた顔をする。


「切り替え早すぎだろ…」


「こういうの大事じゃん?」


Dollも微笑む。


「確かに大事!

イベント中に本名で呼んだら怪しまれるものね…」


Maskも頷いた。


「今回の潜入では、

全員がコスプレネームで統一しましょう。」


Heroが振り返る。


「そうだな」


そして紗夜を見る。


「イベントでは『YONAGI』と呼ぶ。」


「分かりました。」


紗夜――YONAGIは静かに頷いた。


「私も、

皆さんの名前は普段通りコスプレネームで呼びます。」


Jokerが笑う。


「それなら完璧だね。」


Heroはテーブルの上に広げられた

イベント会場の資料を見る。


「ここから先は、白石紗夜という人間はいない。」


「いるのは――」


一拍。


「コスプレイヤーのYONAGIだ。」


YONAGIの表情が引き締まる。


「了解。」


その瞬間、

CKRの空気が変わった。


裏社会の人間としてではなく

一人のコスプレイヤーとして

七人は新たな舞台へ向かう。


そして――

コスミカル東京…当日


会場には朝から、

大勢のコスプレイヤーとカメラマンが集まっていた。


色とりどりの衣装を着て

派手なウィッグを被った人たちがいて

たまに大型の武器を持ったり

背負ったりする人もいた。


会場全体から

笑い声やシャッター音も沢山聞こえる。


一見すれば、

どこにでもある華やかなコスプレイベントに見えるが

その中には――黒曜会の人間や

黒鉄迅を消した何者かが紛れ込んでいる。


Heroは会場へ入る直前に、

全員を見る。


「ここからはCKRじゃない…

俺たちはただのコスプレイヤーだ。」


Jokerが笑う。


「了解♪」


Dollが頷く。


「分かってる♪」


Mirageがウィッグを直す。


「準備完了よ♪」


Knightは周囲を確認する。


「問題ない」


Maskは端末をしまう。


「情報収集を開始します。」


そして――


HeroがYONAGIを見る。


「YONAGI」


「はい」


「迅を見つけるぞ!」


夜凪は静かに頷いた。


「……必ず見つけます!」


七人は会場へ入っていく。


華やかな世界の中では

誰も、彼らが裏社会に生きる人間だとは知らない。


そして――誰も知らない。


この会場そのものが、

黒鉄迅を消した何者かによって、

すでに仕組まれていることを


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