仮面たちの救出
朝
廃スタジオの外には、
すでに何台もの警察車両が集まっていた。
救出された人々は一人ずつ事情を聞かれ、
救急隊の確認を受けている。
その中で、
レイは湊の隣に座っていた。
毛布を肩に掛けながら、
朝焼けの空を見つめる。
「……本当に、終わったんだね」
湊が静かに頷く。
「ああ…」
レイは小さく笑った。
「配信……またできるかな?」
「できるさ!」
湊は優しく答える。
「やりたくなった時に、また始めればいいから…」
「……うん。」
少し離れた場所では、
CKRの六人が立っていた。
Jokerが大きく伸びをする。
「いやぁ……さすがに疲れたぁ」
Knightが呆れたように笑う。
「お前、途中からずっと喋ってただろ?」
「喋るのも仕事なの♪」
Mirageが苦笑する。
「はいはい。」
Dollは救出された人々を見ながら、
ほっと息を吐いた。
「みんな無事で、本当によかった。」
Maskは端末を確認する。
「警察への資料提供も完了しました。」
Heroは何も言わず、
廃スタジオを見つめていた。
そこには、
NoFaceが残していった白い仮面が落ちている。
Heroはそれを拾い上げると、
静かに呟いた。
「……終わりだな」
そして六人は、朝の街へ歩き出した。
三週間後のCKR事務所では
以前と変わらないミシンの音が響いていた。
Dollは衣装を縫い、
Mirageはウィッグを整えている。
Knightはイベント用の機材を点検し、
Jokerはソファでスマートフォンを眺めていた。
「レイちゃん、活動再開したって!」
Dollが顔を上げる。
「本当?」
「うん!」
Jokerが画面を見せる。
そこには、
笑顔を取り戻したレイの姿が映っていた。
『また少しずつ、活動していきます!』
Mirageが微笑む。
「よかった♪」
Knightも頷く。
「湊も写真を再開したらしいぞ!」
「二人とも、少しずつ戻ってきてるのね♪」
その会話を聞きながら
、Heroは窓の外を眺めていた。
NoFace事件から三週間
ようやく、CKRにも平穏が戻っていた。
――その時
**ピコン**
Maskの端末が鳴った。
「……依頼です。」
Jokerが振り返る。
「また?」
「はい。」
Heroが尋ねる。
「内容は?」
Maskは画面を確認する。
しかし、
そこに表示されていたのは、
これまでの匿名相談とは違う名前だった。
**黒曜会**
Knightの表情が変わる。
「……裏社会の組織か?」
Maskは頷く。
「依頼内容が届いています。」
Heroが画面を見ると
そこには、
短い文章だけが表示されていた。
『こちらの人間が一人、消息を絶った。
警察には頼めないのでCKRに依頼したい。』
事務所の空気が静まり返る。
Jokerが小さく笑った。
「……今度は、そっちから来たか♪」
Heroは画面を見つめる。
そして――
「詳しい話を聞こう。」
六人の表情が変わった。
表ではコスプレイヤー
裏では、誰にも知られない顔を持つ者たち
その二つの世界が交わる、
新たな事件の幕が――
静かに上がろうとしていた。




