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COSKILLER (コスキラー)―CKR(シクル)―  作者: 黒薔薇
男性コスプレイヤー失踪事件 
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22/54

残されたメッセージ

西館へ駆け込んだCKRの六人は、

すぐに周囲へ散開した。


「Joker、出口を」


「了解!」


「Knightは非常階段」


「任せろ!」


「MirageとDollは休憩スペースを」


「分かった。」


「Maskは監視カメラ」


「解析します。」


Heroは美月と共に中央通路を進んだ。


人混みは相変わらず混雑している。


楽しそうな笑い声が響く一方で、

Heroの視線は一人ひとりの顔を鋭く見極めていた。


その時だった。


『Hero』


Maskの声が通信機から聞こえる。


「どうした?Mask」


『白い女性らしき人物を確認しました。』


「場所は?」


『三階へ続く非常階段』


Heroはすぐに走り出す。


「美月、俺の後ろから離れるなよ?」


「は、はい!」


二人が非常階段へ駆け込む。


だが、

そこには誰もいなかった。


「……遅かったか…」


Heroが辺りを見回した、

その時。


「Hero!」


Dollが階段下から声を上げる。


「こっち!」


駆け寄ると、

Dollの手には小さな封筒が握られていた。


「階段に落ちてたの…」


Heroは白い手袋をはめ、

慎重に封を開く。


中には一枚の写真


そこに写っていたのは――

天宮奏斗だった。


眠っているように静かに目を閉じていて

怪我をしている様子はない。


両手を膝の上に置き、

まるで誰かの撮影に応じているかのような姿だった。


美月の目が大きく見開かれる。


「お兄ちゃん……!」


思わず写真へ手を伸ばしかけるが

Heroが美月の手を掴み、首を横に振った。


「まだ触るな。」


Maskも合流し、

写真を確認する。


「撮影日は今日ですよ!」


「え?」


Mirageが驚くと

Maskは写真の端を指差した。


「この背景

今日限定のイベント装飾です。」


「つまり……」


Heroが小さく呟く。


「奏斗は今日、この会場にいたっていうことだ。

少なくとも、この写真が撮られた時点では…」


美月の瞳に涙が浮かぶ。


「生きてる……」


「お兄ちゃん、生きてるのね……!」


その言葉に、

六人の表情も少しだけ和らいだ。


だが。

Jokerだけは写真の裏面を見ていた。


「……ねぇ?」


全員が振り向く。


「裏に何か書いてある。」


Heroが写真を裏返すと

そこには、

綺麗な文字でこう書かれていた。


『一人増えれば、一人返してあげる。』


沈黙が流れる。


Knightの眉がぴくりと動く。


「交換条件……か?」


Mirageが険しい表情になる。


「まさか」


Dollは美月を抱き寄せた。


「美月ちゃん…

今日は絶対、一人にならないで!」


美月は震えながら頷いた。


「……はい」


Heroは写真を見つめたまま考え込む。


「犯人は俺たちの動きを把握している。」


「それだけじゃない。」


Maskが静かに続ける。


「この封筒…

指紋がありませんよ…

完全に拭き取られています。」


Jokerが苦笑する。


「用意周到だね。」


「それに…」


Maskは封筒の内側をライトで照らした。


「微量ですが、ラメが付着しています。」


「ラメ?」


Mirageが首を傾げる。


「コスプレ用のメイクラメです。」


「かなり特殊な色ですね…

安い市販品ではありません。」


Heroが顔を上げる。


「追えるか。」


Maskは頷く。


「衣装制作者か、特殊メイク専門店の

どちらかに絞れます。」


その時

会場アナウンスが流れた。


『まもなく、メインステージで

コスプレコンテストを開始いたします。』


Jokerが顔を上げる。


「コンテスト?……」


Mirageも何かに気付く。


「待って!

奏斗さんも毎年出場してたのよね?」


美月はすぐに答えた。


「はい。

兄は毎年、

この時間にステージへ出ていました。」


Heroの目が鋭くなる。


「犯人が奏斗を狙った理由…

その答えが、あのステージにあるかもしれない。」


彼は五人を見回した。


「次はメインステージだ!

犯人も、必ず来るだろう…」


六人は静かに頷き、

人で埋め尽くされたメインステージへ

向かって歩き出した。


その背中を、高い照明ブースの上から

一つのカメラが静かに見つめていることを、

まだ誰も知らなかった。


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