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COSKILLER (コスキラー)―CKR(シクル)―  作者: 黒薔薇
男性コスプレイヤー失踪事件 
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16/54

残された足跡

重苦しい沈黙が部屋を包む。


画面に並ぶ五人のプロフィールを見ると

どの顔にも共通しているのは、

イベントで見せる華やかな笑顔だった。


その笑顔が、

ある日を境に途絶えている。


それを見て

Heroが静かに口を開いた。


「……Mask」


「はい。」


「失踪した五人の共通点を洗い出せ。」


「了解。」


Maskの指が再びキーボードを走る。


その間に、

Mirageが美月へ視線を向けた。


「お兄さんが最後に参加したイベントの名前は?」


「『コスモクロスフェスタ』です。」


「会場は?」


「東京国際展示ホールです。」


Knightが腕を組む。


「かなり大規模だな?

参加者は一万人を超えていたはずだ…」


Jokerが天井を見上げる。


「そんな人数の中から、

一人だけ連れ去るなんて……普通じゃないね。」


「普通じゃないからこそ。」


Heroは短く言った。


「これは…計画的だ…」


その言葉に、

美月の肩がびくりと震えた。


その様子を見た

Dollはそっと美月の前へ紅茶を置く。


「大丈夫よ…

私たちが、お兄さんを探すからね?」


美月は唇を噛みしめながら、

小さく頷いた。


「……お願いします。」


その時だった。


「出た!」


Maskが画面を見つめたまま言うと

全員の視線が集まる。


「失踪した六人には、

もう一つ共通点があります。」


「何だ?」


Heroが促す。


Maskは一覧を拡大した。


「全員、男性コスプレイヤーで…

そして、

容姿端麗で人気が急上昇していた人物ばかりです。」


Mirageが眉をひそめる。


「女性レイヤーは一人もいない……のね?」


「そう。」


Maskは頷く。


「さらに…」


画面を切り替える。


「失踪する一週間ほど前から、

全員が同じ人物と頻繁に接触しています。」


「誰?」


Jokerが身を乗り出すと

Maskは首を横に振った。


「まだ名前までは分からない。」


「イベントの写真には毎回写っていますが、

顔が帽子やウィッグで隠れている。」


Knightが低く呟く。


「レイヤーか?」


「その可能性が高いと思う。」


Heroは少し考え込むと

そして静かに言った。


「現場へ行くぞ!」


「イベント会場か?」


Knightが尋ねる。


「ああ。」


Heroは美月を見る。


「会場で、

お兄さんが最後に会った人を

探し出せるかもしれない。」


美月は力強く頷いた。


「私も一緒に行きます!」


「危険かもしれないわよ?」


Mirageが言うが

それでも

美月は首を縦に振って


「兄を見つけられるなら……

何でもします!」


その瞳には、

不安と決意が入り混じっていた。


Heroは数秒、

美月を見つめる。


そして


「……分かった。

ただし、一人では動くなよ?」


「必ずDollと一緒に行動するように…」


「はい。」


Heroは五人を見回した。


「準備しろ!」


「今回は仕事じゃない。」


一拍置く。


「誘拐犯狩りだ!」


その一言で、

部屋の空気が変。

Jokerが笑みを浮かべる。


「久しぶりに潜入だね?」


Mirageは棚からウィッグケースを取り出し

Knightは車のキーを指先で回した。


Maskはノートパソコンを閉じ

Dollは美月に安心させるように微笑む。


そしてHeroは、

壁に飾られた六つの仮面を見つめた。


「仮面を被るぞ?」


その言葉を合図に、

CKRの新たな任務が静かに始まった。


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