レポート52:自由人達の散策。つまり、遭遇。
やはりいた時間が長いのは偉大なもの。
私達が職人について聞きに行っている間にモノリスちゃんがお話したお陰で、カキュウくんも元気になった。…なったのはいいんだけれど。
「見て見て!即席の防壁作れる魔道具だって!!」
「君の倉庫で同じことできるだろう…?」
「僕のあれは倉庫から出してるだけ!これは圧縮した素材を引き伸ばしてるんだよ。全く違う。」
「そういうものなのかい…?」
「おお!柄が伸びる槍とは面白い!!どのくらい伸びるのだ!?」
「13kmや」
「フレード!!勝手に武器屋に行かない!」
「マスター。あちらに魔道具屋が。」
「モノリスちゃんはカキュウ君を止めて??」
元気になった途端これだ。
フレードはトンチキ武器に興味を示す。まあそれはいいとして、問題はカキュウくんだ。
童心に帰る…って言うのかは知らないけれど、やけにテンションが高い。ノームの術式が気に入ったのかな?そのせいであっちにフラフラこっちにフラフラ…気が付けばいなくなって…
「…居なくなって?」
フレードの尻尾を捕まえながら辺りを見回す。
いない。レザーコートの術式オタクも。鉄仮面な従者ちゃんもいない。
「止めてって言ったのに…!」
~置き去り地点から100mと少し離れた路地裏~
「やっぱり質がいい魔導具は見てて面白いな。」
杖の先端に浮かぶ球体を杖を振ることで自在に操る魔導具。(ワイヤレスけん玉とでも呼ぼうか。)を指揮するように降っていると遠心力諸々で案外勢いずいたそれが角から飛び出してきたノームの額にぶち当たる。
それは見事にクリーンヒットした結果、足は進むが頭は仰け反る。予測される結果は後頭部強打。現実は加速で滑り込んで受け止めた為セーフ。
「すまない。大丈夫か?」
「ミ゜」
「ダメそうか。」
「だっ…だだ…っ大丈夫です!」
大慌てで立ち上がるノーム。身長150cm程。短髪にくすんだ灰色の髪の毛。受け止めた時に落ちた背の丈の半分くらいの、パンパンに膨らんだリュックを背負うがふらついている。
「…名前は。」
「え?あ…僕のですか?クノムって言います。」
「クノムか。悪かったな。周りみてなかった。」
「いえいえ!!僕頑丈なので!!」
「…それ重いだろ。どこ行くか知らないけど、迷惑料として持つよ。」
「いえっ!師匠の工房はここから遠いので…デートのお邪魔をする訳には…!!」
「いいえ。私はマスターの妹ですから。問題ありません。」
「マス…?」
「まあ気にするなってことだ。」
「…いいならお言葉に甘えて…」
降ろされたリュックを持ち上げ「重っ」
「あ…金属とか色々入ってるので…無理そうなら無理しないでくださ」
「どいてください貧弱マスター」
「誰が貧弱じゃ。」
と言いつつどくと、とても軽々とリュックを片手で持ち上げて背負う。
「…重くないの?」
「無いですよ。この程度、許容積載範囲の5%適度です。」
「…なああれ何kgあるの?」
「えっと……20kgはあるかと。」
「…20kgで5%ってことは…20×20=400kg…??」
もしかして1番フィジカル強い疑惑を感じながらもクノムの案内でクノムのお師匠様とやらの職場へ向かうのである。
…今度から前衛後衛について考えるべきかもしれない




