レポート51:メンタルヘルスもお手の物。
「…マスター」
「なんだ。」
土都、王城。(組屋敷と呼ぶらしい。以下組屋敷とする。)
そのうちの借り受けた一室。壁画を見て以来期限の悪そうな過求になるべく触れないようにしていた皆の中で、モノリスが切り出す。
「お出かけ、しませんか?」
「…なんで。」
「マスター、随分と土都に来てから技術に興味を示していたようですし。それに…左腕の義手も壊れたままですよね?」
「……そうだな。」
一応無いと見た目的にあれかと思いつけている義手。動かそうとしてもろくに動いてくれないから腕と呼ぶよりはなんかぶら下がってる鉄の塊。
「新しいの…買わないとな。」
「…なにか気になることでも?」
「ああ…壁画の事だ。」
「…親についてですか?」
「それも気になるが…」
思い出される壁画。その中に描かれていた推定自分らしき存在。
「…あれには生身ではなく義手でかかれていた。だが…腕を失ったことは生まれつきではなくドラゴンによる…いわば偶然のはず。」
「たしかに…そうですね。」
「予測や有事の備えではなく…未来予知ができていた?」
「未来予知…ですか。」
だとしたら対応がずさんすぎるような気もする。そうでなくともなにか支援などがあってもいいはずだ。
「…もし未来が予知されているとした場合にはなりますが。この状況もその想定内なのではないでしょうか?」
「というと?」
「マスターがこの土都にたどり着き、壁画を見る。ここまでをセットした場合恐らく腕の破損も想定の範囲内かと。」
「…なるほどな?この土地を…武装の補給点として配置されてると?」
「あくまで予想にはなります。ですがもしそうだとすれば…ここは1度、武装の強化に振り切ってもいいかと。」
「…そう、するか。」
モノリスの気遣いに少し、気が楽になった気がする。
親について、神の子とかいうゴタゴタなんで知ったことか。大目標を定め、それを達成する。今までとあまりやることは、変わらない。
「そんじゃまずは…組頭?とかいったか。あいつに腕のいい職人教えてもらおうぜ。」
「それについてはウィーネとフレイドが既に向かっています。」
「気配がしないと思ったらそういうことか。なら俺達も合流しよう。」
意気揚々、善は急げとスライド式の扉をいき良いよく開けて飛び出したが最後。
目の前にトカゲ顔。ぶつかる頭。
「ってぇ!!」
「おお!びっくりしたぞ!?もう体調はいいのか!」
「っーっー〜!」
「どこか痛むのか!?」
「あたま…」
「頭痛か!?」
「お前のせいだクソ硬い鱗持ちやがって!」
「前を確認しない貴様が悪いのであろう!!」
「コラ、2人とも。喧嘩しないの!」
出会い頭に鱗VS生身の頭突き勝負。そりゃこっちの方が頭が痛い訳で。ウィーネに怒られながらも額を確認される。なんだか最近こいつ保護者じみてきたな?などと思っていれば痛いの痛いの飛んでいけされた。
子供扱いかよ。
「それで、職人の方はどうなった?」
「一応腕利き…最高峰レベルのを教えていただけはしたんだけれども……」
「頑固者というか、気性難らしくてなぁ…」
「…ふん。むしろその方がいいものができるさ。」
コートを引っ掴んで…あ。破れてる。
脳内の買い物リストにコートを修繕するようのものも付け加えていざ街に繰り出すのであった。




