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創世神話 前編

一応まだ本編前です

あともう2、3話くらい後に始まります

『あの出会いの日から、私たちは夜中に会うようになった。今では滑らかに話せるようになっている。いつもお兄ちゃんは優しいし、ライトは面白い。二人と喋ったり遊んだりしてると時間がどんどん溶けていく。だが、彼らは大神の子として認められ、生きることを望まれている人たちで、私は存在を消され、死ぬことを望まれている人だ。属性以外の全てにおいてきれいに正反対である。そもそも2人は王子、王太子としての責務がある。いくら夜だけと言っても毎日来られるはずがないのだ。そう、2人が最近、この部屋に来ないのだ。ついでに言えば警備が多少強化された。とりあえず寂しいので、今こうやって手記を書いてい』


 って、うるさいな!? こっちは大人しくノートに手記という名の日記を書いてんのに、何があったの?


《おい、あっちだ!》

《援軍を呼べ!》

《さっさと捕まえろ!》


 何かが逃げ出したのかな? きいてる限りじゃ結構ヤバいっぽいけど...。


〉ピロンッ メールガ届キマシタ


 メール? 誰からだろ?


「やっほー! カリナ、元気してるー? クロナだよっ! なんか開かずの部屋のニュースがすごいことになってるけど、なにか知ってる? 情報持ってたら教えて! 添付されてるのが、私がみたニュースだよ!」


 クロナちゃんか! ところでカリナは私のネット上の名前だ。そして、クロナちゃんは私の友だちで、ネットのことをいろいろ教えてもらった恩人的存在だ。本人曰くネカマ? らしい。ネカマはネット上で女の子のフリした男の人らしいけど、よくわからない。ちなみに、私は最初は本名のカレンでやってたのだが、クロナちゃんに危ないからやめておけと言われて今のカリナに変更した。だから、クロナちゃんは私の本名を知っている。名前が似ているのは、クロナちゃんがつけてくれたからだ。

 で、開かずの部屋のニュース? えっと?


[開かずの部屋の付近に、人が居た形跡が発見された。]


 ......。え? 嘘? なんで?


[専門家によれば、足跡が発見されたあたりから扉の前までのホコリが妙に少ないこと、ホコリの様子から考えられる日時の衛兵の記憶が飛んでいることなどから、開かずの部屋に何者かが侵入しようとした可能性は非常に高いとのことだ。騎士団長は、「警備の強化と犯人の捜索に努めてまいります」と語った。]


 嘘だ。なんで、気づかれたの? ってことは、もしかして、今逃げてるのって...!


〉ピロンッ メールガ届キマシタ


 まただ、今度は...。


「悪い、うっかりして開かずの部屋に行っていた件がバレた。幸い俺達とは思われていないようだが、この様子じゃいつバレてもおかしくない。そういうわけだから、しばらくはそっちに行けねぇ。本当にすまん」


 お兄ちゃん! え? じゃあこのドタバタは?


「P.S 多分ライトがそっちに行ってる。匿ってやってくれ」


 あっ、じゃあ、ライトが追われてるってことか! ってそうじゃないっ! なんで追われてんの!? 馬鹿なの!?


バタンッ


「ごめん、姉ちゃん! 少しの間匿って!」

「えっ、あっ、うん!」


 とりあえずほとぼりが覚めるまではこのままかぁ。まあしょうがない、諦めるとするか。


「ところでなんでライトは追われてたの?」

「えっと、それなんだけど、姉ちゃん俺達と逃げ出さない? って思って、その話を姉ちゃんにしようと」

「...。えーっと、それはどういうことで?」

「あの、姉ちゃんて創造神でしょ? ってことは、世界とかもつくれるってことじゃん?」

「そうだけど...」

「だったら、もう新しい世界つくっちゃって、そっちに移っちゃおうよってこと」

「それはいいけど、その場合の移住者ってお兄ちゃんたちだけ? それとも他に候補がいるの?」

「そこに関しては、兄貴にきいたほうが早いと思う。もともとこの話考えてたのも兄貴だし」

「そっか、じゃあ今から連絡してみるね。ありがとう」


 そっか、私が新しい世界をつくる...。それいいかも、っていやいやいや! 私が新しい世界をつくる!? 冗談か!? 正気か!? そもそも新しい世界をつくるにはいろいろな手順をしっかり踏まなければいけない。それは自分がその世界に住む場合でも同じ、いや、そっちのほうが気をつけてつくらなくては、到底神が直接住んでも問題ない世界など作れない。でも、こんな提案をするってことは、お兄ちゃんは私のことを考えてくれてるってことだ。やっぱり優しい。そんなはずはないのにやっぱりここまで来ると裏があるとか考えちゃう。いや、そんなはず無いんだけどね? って、こういうのをフラグを立てるとか言うのか。気をつけないと...。

 っと、お兄ちゃんへの連絡とクロナちゃんへの返信しなきゃね。えーっと、なんて書こう? とりあえずお兄ちゃんには創造云々の話を確認するとして、クロナちゃんにはなんて返事したらいいのかな? 私がその開かずの部屋の住人だってのは伏せたほうがいいんだよね? ってなると、結構当たり障りのない内容になっちゃうなぁ。っていうかこの程度、あの情報通のクロナちゃんだったら集めてそう...。

 結局、それぞれの返信内容はこうなった。


to お兄ちゃん

「連絡ありがとう! とりあえず私も気をつけるね! あ、ライトはいま部屋にいるから安心してね。ところで、ライトからきいたんだけど、なんか新しい世界を作って移住する? みたいな計画があるんだってね? 細かいことはライトもわからないって言ってたんだけど、詳細教えてくれる? もし実現できそうだったらしたいから」


to クロナちゃん

「記事見たよー。開かずの部屋って毎年何人か近づこうとする人いるもんね。でも、今回みたいに部屋の前まで、っていうの、結構珍しいよね? 私って結構情弱だから詳しいこととかはよくわからないんだけど...。私がわかる(っていうか想像できる?)のはそれくらいかな。これ以上はちょっとわかんないかも」


 良し! 宛先も間違ってないよね、うん! 大丈夫! 送信っと! 後はそれぞれの返信を待つだけだね。

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