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とある少年の日記

 ...。いや、嘘だろ...。あいつは人を疑うってことを知らねぇのか? 普通はいくら友人とはいえ送られてきたアドレス信用して開くとか、あんましねぇだろ...。もし俺に悪意があったら? ならあいつの世話なんかしていない? ネカマだと公表していない? いやそういうことじゃなくてだな...。俺が言いたいのはあくまでもそうやって人を簡単に騙す奴らがいるってことだ。ついでに言えば、そういう奴らほど、俺のように善人を装って近づき、最終的に傷つけるやつが多い。いや、これだとまるで俺が悪人みたいだな。俺は純粋に善意でやってるんだが。まあそれは置いといて、特にSNSはそういうのがゴロゴロしている。正直吐き気がするレベルだ。いや、俺も廃人だから人の事は言えないんだが...。


〉新着メール from カリナ

「記事見たよー。開かずの部屋って毎年何人か近づこうとする人いるもんね。でも、今回みたいに部屋の前まで、っていうの、結構珍しいよね? 私って結構情弱だから詳しいこととかはよくわからないんだけど...。私がわかる(っていうか想像できる?)のはそれくらいかな。これ以上はちょっとわかんないかも」


 あいつから送られてきたメールはまるであの部屋についてよく知っているかのような情報が紛れていた。例えば、今回の事件について、部屋の前まで近づくのは珍しいといっているところ。今まで、開かずの部屋に近づいた人たちの「部屋まで近づいた距離」は公表されてこなかった。つまり、今回の犯人以外が「部屋の前まで」近づいたことは、これまでにもあったかもしれないのだ。そもそもあの部屋自体いつからあるのか、なぜあるのかなど、わかっていない情報や不確定な情報が多すぎる部屋なのだ。今までに近づいた全員が扉の前まで行っていても王宮側が隠蔽していた可能性だって十分に有り得る。それなのに、断言しているとまでは言い難いがはっきりと「珍しい」と言い切っているのだから、かなり怪しいだろう。

 そもそもの話、あいつは何者なんだ?


 俺があいつと最初に出会ったのは、とあるゲームだった。無料で公開され、ネット対戦などができるそのゲームに、あいつは本名で参加していた。幸いチームは俺とあいつしかおらず、俺が気づいた時点であいつにチャットで教えたから事なきを得たものの、そこに至るまでにあいつは個人情報をペラペラ喋っており、到底ネットの海に解き放たれても大丈夫とは思えなかった。しかも、ちょくちょく言葉に不自然なところがあるのだ。もうその時点で、俺の警戒心はMAX。当たり前だ。こんなやつと一緒に行動していたら身が持たない、というか俺まで巻き込まれる。だが、あいつをそのまま放っておけばそれこそろくなことにならない。仕方がないから、とりあえず俺にわかる範囲で徹底的にネットリテラシーその他を叩き込んだ。ついでに俺がネカマだということも明かした。その後で色々聞き出そうとしたが、流石に色々叩き込まれた後にそんな個人情報ダダ漏れなんてことになるわけもなく、それは断られた。いや本当にあの短期間でわかってくれてよかった。対戦には負けたけど。 ...。いや、いくら相手チームにはチャット内容は公開されないとはいえ、全然事なきを得られてないのか? まあ今更だが。


 っと、気づいたら説明口調になってたな。まあ、こんな引きこもりゲー廃なんかの日記、読むやつもそうそういないだろうけどな。いやー、にしても本当にデジタルは便利だよな。こういうのだって写真付き&音声入力で一発だもんな。マジ神。もう俺の生涯の伴侶パソコンでいい気がする。いや、駄目だろうけど。てかそんなこと言ったらそれこそ本当にお見合いとか持ちかけられそうなんだけど。あー、マジでやだ。本っ当にマジでやだ。だってあいつら自分の欲望とかミエミエなんだもん。あのギラギラした目嫌い。つーか疲れる。いや本当は貴族の嫡子がそんなこと言ってちゃいけないはずではあるんだけどさあ、やっぱ限度ってものがあると思うんだ。別に俺だって暇なわけじゃない。ネトゲやソシャゲはやらなければいけないことだ。絶対に。ってかこれ、親にバレたらサイアクじゃね? フツーに俺の本心書かれてるし。や、これ聞かれた時点でアウトか。

 もう完全に愚痴だよな、これ。でもさ、正直13歳なんてこんなもんだよな? そういえば、カリナって何歳なんだろ。もしかしたら俺より年上かもしれないんだよな。実際にあってみたいけどあいつ外出られないらしいし...。まさかあいつのパソコンハッキングするわけにも行かないだろ? もし俺より上でかつ怖い人だったらどうしよう...。いや、もう考えるのはやめよう。正直ミンチとかみたいな想像しかできん。怖い。いやきっと大丈夫な人だよ? でもさ? 確証はないわけで。ってだから、このことを考えるのはやめようって。もうスマホの電池も少ないし。はい! この話終わり!

 そういえば、なんか誰かからメール来てたっけ。え? アキト? アキト・クラウディオ!? 嘘だろ、しかも機密って...。うん、もう録画はやめよう。怖い。マジで。

 んじゃ、よいしょっと。


カチッ ジジジ...プツッ

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