表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暁のエーヴァルⅠ〜その手は、狂騒を鎮めるために。〜  作者: かとくら(かず)
第二章 鷹宮編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/30

第二十四話 鷹宮邸

第二十四話 鷹宮邸

「お~い。着いたぜ、隊長。起きろよ」


 俺は鬼塚に起こされて目を覚ます。

 ……暖かい夕食の夢を見ていた。こびりついていた過去の残像を振り払うように、俺は重い瞼を押し上げた。


「おはよう、鬼塚。……そう言えば、二人はどうした?」


「おはようさん。二人はもう先に行ったぞ。早く行こうぜ」



 ――――――――



 目の前にそびえたつ鷹宮邸は、想像を絶する威容を誇っていた。

 ……単にデカいの一言では片づけられない、歴史と権威が凝縮されたような巨大な門構えだ。


「わぁ……おっきい!ねぇねぇお兄ちゃん!この家、おじいちゃんの家みたいだよ!」


 美雨が俺のところまで報告に来る。

 

 美雨がここにいる理由は、結局、九歳の妹を一人残していく不安に打ち勝てず、半ば強引に同行させたのだ。

 ……表向きには「放置できない」だが、本音は俺の目が届く場所に置いておきたかった。


 俺は、美雨のメンタルが羨ましい。

 そんなやりとりをしながら、俺たちは鷹宮に連れられて屋敷に向かった。



 ――――――――



「「「おかえりなさいませ」」」


 数人のメイドさんらしき人と、執事っぽい人が俺たちを出迎えてくれた。


「三人とも。ようこそ我が家へ。歓迎しますよ」


 鷹宮が前に出て、手を大きく広げる。


「お前ってさ、何者なんだよ。お坊ちゃんなのはわかるんだけどさ。なんでお前の家はこんなに金持ちなんだ?」


 そんな質問をすると、鷹宮は心底不思議そうな顔で俺を見る。


「おや?もしかして聞いていないのですか?それは意外でしたね。神代家なら知っているものと思っていましたが……」


 九歳の妹が、哀れみすら含んだ「正気を疑う目」で俺を見つめてくる。


 ……やめてくれ、その純粋な瞳が俺のメンタルを無慈悲に削っていく。

 

 てか美雨は知ってるのかよ。

 なんで俺は知らないんだよ。


「お兄ちゃん忘れたの?

 ほら、昔お母さんが四家について話してくれたじゃん」


「それは覚えているけど、あまり詳しくは覚えてないな」


 美雨が呆れている。


「もういいよ。お兄ちゃんは別に知らなくても大丈夫だし」


「それ、母さんにも言われた気がする」


 俺が昔の記憶をなんとか辿ろうとしていると、鷹宮が話し出す。


「……四家は政治・裏・神事・霊の各分野でこの地を支配しています。私たちが担当するのは『裏』……すなわち、表に出せない汚れ仕事。だからこの屋敷も、地図上では空白扱いなんですよ」


「お兄ちゃんは知ってるはずだけどね」


 初耳どころか、寝耳に水だ。……母さん、俺にだけ情報を制限しすぎてやしないか?


 というか、俺でもわからないのなら、鬼塚ももちろんわからないわけで……


「うおっ!この庭、すげー広いな!遊び放題じゃねぇか!」


 鬼塚は遠くの方で庭を見てはしゃいでいた。

 流石は未成年男子。行動力が半端じゃねぇ。


「さ。四家の話なんてどうでもいいんです。私たちがここに来た理由、忘れてませんよね?」


「もちろん。バカンスに来たんだから楽しまないといけないよな!」


「隊長、冗談はいい加減にしてください」


「はい、すんません」


 冷え切った笑顔を向けられて、俺は謝ることしかできなかった。


「もちろん。訓練だろ?それくらい分かってるさ。

 ……鬼塚は知らないが」


 遠くで蝶でも追いかけていそうな鬼塚の後ろ姿に、俺は深いため息とともに「……あいつ、絶対バカンスだと思ってるぞ」と確信を込めてつぶやいた。


「……と、とりあえず!部屋まで案内しますのでついてきてください」

ちょっと説明寄りになっちゃったけど、大丈夫かな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ