第二十二話 家族を守るということ(中編)
第二十二話 家族を守るということ(中編)
しばらく歩いて着いたのは、近所にある神社、『天斬神社』だった。
「空和には話してなかったわね。この地域はね、四家の家系の人が悪いものから守っているの」
「……それって、人とか?」
母さんが突然、土地について話し始める。
「主にはね。四家は九条家、鷹宮家、祓霧家、そして……」
母さんは神社の前で振り返る。
「私達神代家よ」
ほんとに何言っているのだろう。
「へぇ……剣士の家系じゃなかったんだ?」
「それはお父さん側。お父さんは婿養子でね、神代は神主の家系なの。
……今は表立ったことは何もしてないわ」
頭の中が??で埋め尽くされる。
正直、何のことだかよくわからない。
何だか壮大な話を聞かされた気もしたが、母さんはそれ以上は教えてくれない。
聞いても混乱するだけだ。
「あらら、空和にはまだ早かったかしら。
別に重要なことでもないし、覚えなくてもいいわよ」
とりあえず、重要じゃないってことを覚えておこう。
「そろそろ時間ね。美雨、着替えておいで」
「はーい」
美雨が着替えにいき、俺は母さんに質問する。
「結局、ここで何してるんだ?」
「今日はちょっと特別なんだけど、いつもは美雨に神主のノウハウを教えてるの」
「え?!美雨が次の神主なの?」
「あっ、別に空和に能力がないってわけじゃないのよ?ほら、空和は剣の稽古で忙しいし……」
跡継ぎのことについては何とも思ってないし、めんどくさそうだと思ったが、今の年齢で、もう跡継ぎとして頑張っている美雨に驚いた。
――――――――
神社の中に入ると、巫女服の可愛らしい美雨がいた。
いつもとは違う、少し引き締まった顔で大人と話している。
「特別な日って言ってたけど、何するんだ?美雨がいつもと違う表情をしてるし」
「見てからのお楽しみ。ほら、こっちに来て」
母さんに連れられて、神社の奥に来る。
奥の部屋、そこにあったのは……。
「……これ、父さんの刀?」
いつも父さんが家で持ち歩いている、とても見覚えのある刀……と、見覚えのない刀があった。
「そう。神代家で認められた者が所有者になる、この神社の御神刀――『天断』と『天祓』」
奥で鎮座している二振の刀は、とても神々しく、畏怖を覚えた。
「……そんなだいじなものを、父さんはいつも持ち歩いているの?」
「普段は所有者が持ち歩くんだけど、今日みたいな祭事の時だけ、神社に置くの」
俺は全く理解ができなかったので、少し聞き流していた。
「じゃあもう一振の刀は?」
「あぁ、これはね……」
「神代さん、もう始まります」
大人の人が母さんを呼んでいる。
「あら、もうそんな時間?――じゃあ空和は外の舞台近くで待っていて。美雨の可愛い姿が見れるわよ」
妹の可愛い姿なんて言われたら、見過ごすわけがない。
俺はすぐに神社の外に向かった。
――――――――
俺は舞台の外で、美雨と母さんが美しい舞を披露しているのを眺めていた。
器用に模造刀を使い、二人は観客を魅了している。
そんな至福の時間を過ごしている時――
何もないはずの舞台裏に男が向かっていくのを見た。
「……なんだあいつ?」
関係者か何かだろうか。
それにしては挙動がおかしい気がする。
……後を追ってみるか。
正直、この最高な時間をずっとカメラに押さえておきたいところだが、流石に気になった俺は、その男の後をこっそりついて行った。
読んでいただきありがとうございます。
情報量にびっくりしたと思いますのでまとめます。
神代家…神社の家系。由緒ある家で、地域(京都の設定)の南を守護していた四家の一柱。神代空和の家は普通の家だが、本家(祖父母の家)はしっかりと大きい。
九条家…政治家の家系。元々は地域の北を守護していた四家の一柱、由緒ある家。
鷹宮家…鷹宮の実家。ネタバレになるから今は詳しく説明しないけど、由緒ある家系で、四家の一柱。西の守護をしていた。
祓霧家…祓霧澄乃の実家。西の守護をしていた、神代家と同じで特殊能力の持つ家系。澄乃は知る人ぞ知るキャラクターですが、多分知らないでしょう。だって読者数8人ですし。制作中断して大改変予定なので、乞うご期待です!
天斬神社…神代家の守護する刀の神社。御神刀の天断と天祓を祀っている。まあまあ大きく古い神社。参拝客も多い。
天断…天斬神社の御神刀。現時点での所有者は神代の父親の神代玄真。
天祓…天斬神社の御神刀。天断の対となる刀。今後登場あり。
情報まとめてみました。わかりにくいところがあればコメントで教えていただけると助かります。
暁のエーヴァルⅠで必要な情報は、神代家と鷹宮家と天斬神社と天断だけなので、それ以外は忘れてもなんとかなります。
では今後ともよろしくお願いします。




