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その③

彼女の怪訝そうな表情は十分理解出来る。ただ、僕としては交差点に群がる人の群れを見て、なんとなくアリを想像したんだ。


僕としては、意味は通ってる。一般の人はどうだか分からないが。



僕は発言を絞り出した。



「アリって科学的には解明されてない部分が多いんだ。まず特筆すべき点は、アリ…というより昆虫全般に言える事なんだけど、ヤツら脳は空っぽのハズなんだ。そもそも脳のキャパが少ない。サイズも小さい。


その大半は "本能のみ" と言われており、複雑な記憶とか判断は出来るハズが無いんだ!


しかりアリは複雑な社会を構成している。複雑な行動をしている。信じられない程高度な巣を作り、子育てを行い、アリ社会全体の循環を確実に続けている。


脳がカラっぽのハズなのに…だ!


ただ、脳のキャパが少なくても複雑な行動が起こせる唯一の方法があるんだ!それはコンピューターで言うところの、『中央集約型電算処理システム』に近いシステムを利用するという方法の事だ!!!


まず、複雑な計算や判断は高い情報処理能力を持つ "誰か" が一手に引き受ける。つまりコンピューターで言うところの "マザーコンピューター" に該当するものだ!


そのマザーコンピューターに該当する "誰か" が判断や行動を決定し、それを『各アリ』に信号として送る。電波か何かで。


そ『各アリ』(それぞれのアリ)は、その信号を受け取り、それに従って行動をする。各アリは信号を送ったり受けたりするだけだから、彼らに複雑な脳は要らない。言われた事に従えばいいだけであれば、複雑な脳は不要だからだ。



ただ、問題は、"誰がその信号を送っているのか?" という点。一体誰だ?




女王アリ?




違うな。女王アリでも、アリはアリ。ヤツにそんな複雑な事はできない。






実はオレなんだ。






オレは全世界のアリに信号を送る、いわば「アリ☆キング」なんだ!


だから僕は今、全世界のアリ達に対して、信号を送っている!信号を受け取っている!僕が無言だったのは、そのアリ達の信号を受け取り、瞬時に脳でそれを処理していたからサ!」



(続きます!)

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