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その②
僕は目の前を通るカラコンの派手な広告トラックを見ながら思った。昔ならここで何か喋ってただろうなぁと。「カラコンって禁止されたんじゃなかったっけ?」とか、せいぜいそんな程度。その程度。その程度の事だとしても、とにかく何かは話してたような気がした。
内容なんてどうでもいい。
彼女の反応が欲しかった。彼女の声が聞きたかった。今僕は何も喋らない。別に彼女の声が聞きたくないワケではない。気持ちが醒めたとも思わない。だけど特に何も話そうとしないんだ。「そんなくだらない事言ってどうすんだ?」と問いかける自分が、自分にブレーキをかける。口を開くのが面倒になっていたのかもしれない。
そうだ、自分は彼女に質問されてたんだっけ?「何考えてるの?」って。何も答えてないや。
僕は一瞬、「別に…」と答えそうになる。ただ、出来ればそれは避けたかった。それはあまりにも空白過ぎ、虚し過ぎ、僕はその言葉から流れる冷たく乾いた感触に耐えられそうになかった。まだそこまで気持ちは冷め切ってなかった。
久しぶりに何か話さなきゃと感じた。プレッシャーに近い何か。
僕は咄嗟にこのように答えた。今になって思えば相当無理があり、見当違いな発言だが。
「アリっているじゃない?」
は?
彼女は怪訝そうな表情を見せた。
僕は続けた。
(続きます!)




