表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/60

闘技場

歓声が、近づいてくる。


ざわめきが、地下にまで響いていた。


その中で、二人のミツバチは短く言葉を交わす。


「ネクトリア」


ヴェスピナが振り向く。


「お前は、こいつを助ける方法を探せ」


視線の先――檻の中。


そこには、巨大な七面鳥がいた。


「ウチはイレアと合流する」


「わかった!」


迷いはなかった。


ネクトリアは即答する。


次の瞬間、ヴェスピナは駆け出していた。


地下へ。


岩を削った通路を、凄まじい速度で駆け抜ける。


風が唸る。


足音が弾ける。


そして――


視界が、開けた。


巨大な空間。


闘技場。


(イレアの魔力が……ここで消えてる)


その瞬間だった。


「さぁ皆さん!!」


闘技場に、声が轟く。


「今回の挑戦者は、かなりの腕前です!!」


観客席から歓声が爆発する。


「数々の獰猛な魔獣を相手に、ここまで生き残ったのは――彼が初めてかもしれません!!」


(――ッ!!)


ヴェスピナの目が、見開かれる。


この声。


聞き覚えがある。


視線を上げる。


闘技場の上空。


そこにいたのは――


収穫祭で、七面鳥を逃した屋台の主人だった。


「あの野郎……」


低く、吐き捨てる。


そして視線を、闘技場へ。


その瞬間。


さらに、息が止まった。


そこに立っていたのは――


かつて拳を交わした相手。


「……食材」


巨大な七面鳥。


全身はボロボロ。


それでも――立っている。


「食材!!!」


思わず叫んでいた。


その声に、観客の一人が笑う。


「おいおい、ねーちゃん。食材って……」


酒を片手に、にやつく。


「あいつはまだ負けてねーよ」


「ゆっくり楽しもうぜ!!」


「うるせぇ!!黙ってろ!!」


怒鳴り返す。


だが――


食材は、何も言わない。


ただ。


一点を、じっと見つめていた。


その先。


巨大な鉄格子。


――ギィィィ……


重い音を立てて、ゆっくりと開く。


そして。


中から現れたのは――


巨大な、トカゲ型の魔獣だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ