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拾われたのは俺の方だった  作者: Aramaki_mai
第3章 帰る家を選ぶ
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第23話 ピアニストの名前

挿絵(By みてみん)

翌日の朝、工場門の横に見慣れない馬車が止まっていた。灰色の上着を着たロベールが事務棟へ入っていく。


昼前には、レオンはもう一度、工場長室の前に立っていた。


「入れ」


工場長室には、デュラン工場長とロベールがいた。


机の上には封筒が一つ。さらに、その横に、新聞の切り抜きが置かれている。新聞はきれいに四角く切られ、端に薄い折り目があった。何度も読まれ、何度も畳まれた跡が残っている。


レオンは椅子の前で足を止めた。


デュラン工場長は椅子に座っていなかった。机の前に立ち、いつもの煙草にも火をつけていない。


「レオン・メレルさん。前回お伝えした、ミラさんの身元照会について、追加の資料が届きました」


「追加」


レオンはその言葉を繰り返した。工場なら、追加はたいてい部品か仕事だ。どちらも重い。役所から来る追加は、紙一枚の軽さなのに、扱いが難しい。


ロベールは机の上の新聞切り抜きを指した。


「アメリカからの照会に関係する資料です」


「アメリカ」


「はい。ニューヨークで行われた慈善演奏会の記事です。大統領府が関係する催しで、戦争孤児の支援を目的としたものです」


レオンは眉を寄せた。


「大統領府?」


「そうです」


「俺の部屋、三階ですよ」


ロベールは一拍置いた。


「場所の高さの話ではありません」


デュラン工場長が、火のついていない煙草を指で押さえた。


「レオン。話を上へ逃がすな」


「逃がしてません。落ちてきたものが大きすぎるんです」


ロベールは、二人のやり取りには乗らなかった。新聞切り抜きをレオンの方へ向ける。活字は細かく、途中に写真が一枚あった。暗い紙面の中に、黒い燕尾服を着た男が写っている。椅子に腰かけ、両手を鍵盤の上に置いていた。


レオンは写真を見た。


工場の男たちは、手袋をはめ、爪の間に油を残し、煙草の灰を払うような手をしている。その男の手は、新聞の写真の中でも白く見えた。指が長い。部品を置く手ではなさそうだった。


ロベールが言った。


「アドリアン・ベルフォール。現在、ニューヨークで活動しているピアニストです」


「ピアノを弾く人なんですか」


「はい」


「俺は車の少しを作る人です」


「比べる必要はありません」


「向こうは音楽で、こっちは油です」


「職業の優劣の話ではありません」


デュラン工場長が低く言った。


「お前がそこで負けた顔をするな」


レオンは写真から目を離さなかった。


「まだ勝負が何かも分かってません」


ロベールは封筒から別の書類を取り出した。新聞より厚く、役所の印が押されている。


「ベルフォール氏は、戦争中に妻のクレールさんと娘から離れています。クレール・ベルフォールさんの死亡記録は確認されています。娘については、長く行方不明扱いでした」


レオンの手の中で、帽子のつばが少し曲がった。


「娘」


「はい」


「その娘が、ミラかもしれない」


「可能性は高いです」


部屋の外では、工場の音が続いている。鉄板を置く音、台車の車輪、機械の唸り。いつもなら体の中まで入ってくる音なのに、その時は窓の向こうで遠く回っているだけだった。


ロベールは続けた。


「ベルフォール氏は戦後、アメリカへ渡りました。今は演奏家として名を知られています」


ロベールは切り抜きの端を指で押さえた。


「いくつかの慈善演奏会にも出ています。その場で、行方不明の娘を探していることが関係者に伝わりました」


「演奏会で、迷子の話まで遠くへ行ったんですか」


「そういう言い方もできます。今回の照会は、そこから大使館を通ってこちらへ来ています」


「ずっと探してたんですか」


レオンの声は、自分で思ったより少し小さかった。


「少なくとも、捨てた記録ではありません。探していた記録です」


捨てた記録ではない。


探していた記録。


捨てた男なら責められた。探していた父なら、責める前に長い時間の穴が残る。レオンは怒りの置き場を失った。


その男が、ミラの父親かもしれない。


デュラン工場長が言った。


「施設の記録と照合する。ベルナールさんのところへ行くぞ」


レオンは顔を上げた。


「今からですか」


「お前も聞いておけ。早退扱いだ」


ロベールが封筒を革鞄へしまい、三人は養子支援施設へ向かった。


ベルナールは、三人が来ることを予想していたように玄関で迎えた。


痩せた体に黒い上着。穏やかな顔。けれど、その目はレオンより先に、ロベールの革鞄を見た。


「連絡は受けています。こちらへ」


面談室の壁際には、子ども用の低い椅子が残っていた。レオンは、五歳の子を受付係だと思った最初の日を思い出した。


ベルナールは棚の奥から古い帳簿を出した。表紙は擦れ、角が丸くなっている。何人もの子どもの名前がそこに挟まれてきたのだろう。彼はページを慎重に開き、指で行を追った。


ロベールが、持ってきた書類を机に置く。


「こちらが今回届いた資料です。母親の名はクレール・ベルフォール。保護された時期、年齢、出身地の記録も一致しています」


ベルナールはしばらく黙って帳簿を見ていた。


その沈黙のあいだ、レオンは帽子の縁を握っていた。工場長が横に立ち、ロベールは書類から目を上げない。誰も急かさなかった。


やがて、ベルナールが静かに言った。


「……あります」


レオンは顔を上げた。


「父親欄に、アドリアン・ベルフォールの名が残っています」


「本当に父親なんですか」


レオンは聞いた。


ベルナールは答えを急がなかった。


「この場で、私が血のつながりを証明することはできません」


「はい」


「ですが、偶然と言えるほど低くはありません」


その言い方は、断言ではなかった。けれど、逃げ道でもなかった。


帳簿には、レオンがいなかったミラの時間がある。知らなかった時間を、なかったことにはできない。ミラはレオンの部屋へ来る前から、ミラだった。


ベルナールは帳簿を閉じた。


「ミラに、伝える必要があります」


ロベールが頷く。


「手続き上も、本人への確認は避けられません。ただし、すぐに何かを決める段階ではありません」


「すぐじゃないなら、少し勝ちですか」


レオンは言ってから、自分であまり勝っていない声だと思った。


ベルナールがレオンを見た。


「勝ち負けの話にすると、ミラが賞品のようになります」


レオンは帽子の縁から手を離した。


「今のは、言い方を間違えました」


「分かっているなら、次は言う前に止めてください」


「最近、止めるものが多いです」


「必要なことです」


ベルナールは机の上の新聞切り抜きに視線を落とした。


「これは、ミラにそのまま見せるのですか」


ロベールが答える前に、レオンが言った。


「見せない方がいいですか」


「新聞は、大人にも重い紙です」


「俺にはかなり重いです」


「なら、五歳の子にそのまま持たせないでください」


レオンは黙った。


ベルナールは声を荒げない。だからこそ、言葉がよく刺さる。


「話す順番を間違えると、子どもは自分が移される荷物だと思います」


荷物。


その言葉で、レオンは施設の玄関を思い出した。ミラの古い茶色の鞄は、片手で持てるほど軽かった。あの時、荷物はこれだけですか、と言った自分に、ベルナールは静かに目を向けた。


五歳の子どもが持って出られるものは、多くありません。


あの言葉が、また戻ってくる。


ベルナールは続けた。


「ミラは、あなたの都合で部屋へ来た子です」


レオンは返事ができなかった。


「ですが今は、あなたの部屋で朝を迎え、学校へ行き、毎日そこへ戻っています」


ベルナールは一度言葉を切った。


「そこへ、遠い国から父親の名前が届いた」


「大人の事情としては重要な知らせです。けれどミラにとっては、自分がまたどこかへ動かされるかもしれない知らせです」


レオンは、机の上の切り抜きを見た。


新聞の中の男は、何も言わない。探していた記録がある。捨てたわけではない。それでも、ミラが聞くのはそこだけではない。


「俺が、勝手に決める知らせじゃないです」


「それを、ミラにも分かる形で言ってください」


「分かる形」


ベルナールは目を細めた。


「あなたの得意ではないところです」


デュラン工場長が横で短く息を吐いた。


「否定できるか、レオン」


「今は無理です」


「なら、無理な顔のまま行くな」


レオンは帽子を見下ろした。


「どういう顔で行けばいいんですか」


ベルナールが答えた。


「ミラが聞いても、戻される話ではないと分かる顔です」


レオンは少し考えた。


「難しい顔ですね」


「難しい話です」


施設の玄関で、ベルナールがレオンを呼び止めた。


「全部を上手に言う必要はありません」


「ただし、怖がっている子の前で、自分の怖さだけを先に出さないでください」


「覚えます」


ベルナールは小さく頷いた。


「そうしてください」


レオンはいつもより少し早く学校の門へ着いた。


ルノー先生が教室の入口から出てきた。名簿を胸元に抱え、レオンを見る。


「知らせが来ました」


ルノー先生の視線が鋭くなった。


「ミラさんに関わることですか」


「はい。家で話します」


「分かりました。明日の朝、必要なら様子を教えてください」


予備学級の入口から、ミラが鞄を抱えて出てきた。レオンを見つけると、一度立ち止まる。いつもより早い時間にいることに気づいたらしい。


走らない。けれど、歩き出すまでの間は少し短くなった。


「今日は、早いです」


「時計に勝った」


「時計は、負けますか」


「今日は負けてくれた」


ミラはレオンの顔を見た。


「何か、来ましたか」


レオンは一度、目をそらした。


「来た」


「足音ですか」


「足音じゃない」


「じゃあ、知らせですか」


「そうだ。家で話す」


ミラは頷かなかった。


ルノー先生が教室の入口からこちらを見ている。いつもの帰りの風景だ。けれど、ミラの指は鞄の取っ手を少し強く握っていた。


「戻る話ですか」


「違う」


レオンは早く答えた。


早すぎたと思い、少し声を落として言い直す。


「戻す話じゃない。聞く話だ」


「聞く話」


「俺が勝手に決めない話」


ミラはレオンの顔をもう一度見た。


それから、小さく頷いた。


帰り道、ミラはあまり話さなかった。レオンはその歩幅に合わせた。


公営労働者アパートの中庭では、テレーズが布を絞り、ルルが木の匙を持ってトトを追っていた。


テレーズがレオンを見るなり、手を止めた。


「今日はまた、役所に踏まれた顔だね」


「俺、顔に足跡まで出ますか」


「出てるよ。しかも乾いてない」


エリーズはミラを見ると、「手を洗ってから上がりなさい」とだけ言った。


いつもの中庭だった。


レオンは、そのことに少し救われた。ここには水桶と洗濯物と、匙を持った二歳児と犬がいる。


レオンが階段へ向かう時、テレーズが低い声で言った。


「湯がいるなら言いな」


「湯?」


「顔を洗う湯だよ。あんたの顔じゃなくて、話の前に手を温める方」


レオンは少し遅れて頷いた。


「あとで借りるかもしれません」


「かもしれない時は、早めに言うんだよ」


「それ、最近いろんな人に言われます」


「言われるだけのことをしてるんだろ」


三階の部屋に入ると、外の声が少し遠くなった。


寝台が一つ。床の上の古い外套。小さな机。椅子が二つ。壁際の簡易台所には黒い鍋が置かれている。棚には皿が二枚あり、その上の古い薄板には、ミラの賞の紙が洗濯ばさみで留められていた。


ミラはまず、賞の紙を見た。


それから、自分の椅子に座った。鞄は膝の上に置いている。レオンは外套を脱ぎ、帽子を机の端へ置いた。ロベールから預かった封筒と新聞切り抜きを、外套の内側から取り出す。


レオンは封筒を机の上に置いた。


ミラがそれを見る。


「それが、来たものですか」


「そうだ」


「開けると、戻せますか」


レオンは息を止めかけた。


「戻せないものもある。でも、今日は開ける前から、お前に話す」


ミラは鞄の取っ手を握ったまま、静かに座っていた。


レオンは、ベルナールに言われた順番を思い出す。自分の怖さだけを先に出さない。


「ミラ」


「はい」


「遠いところから、お前の話が来た」


「わたしの話ですか」


「そうだ」


「強いものですか」


「強い。けど、お前を負かすためのものじゃない」


ミラは首を傾げた。


「負かすためではない」


「うん。お前をどこかへ動かすと決めたものでもない」


レオンは封筒から新聞切り抜きを出した。写真が見えるように、机の上へ置く。ミラは椅子から少し身を乗り出した。文字はまだ読めない。けれど、写真に大人の男がいることは分かる。


「この人ですか」


「うん」


「誰ですか」


レオンは一度、喉の奥で言葉を止めた。


「お前のお父さんかもしれない人がいる」


部屋の中で、黒い鍋の蓋が小さく鳴った。中に何も入っていないのに、外の階段の音か、建物の軋みが伝わったのだろう。


ミラは新聞の写真を見ていた。


レオンの顔は見ない。泣きもしない。怒りもしない。学校で先生の話を聞く時のような顔に近かったが、それより少し奥へ引っ込んだ顔だった。


「お父さん」


「そうだ」


「この人が」


「かもしれない」


レオンは机の木目を見た。もう一つの名前も、隠していいものではなかった。


「それから、お母さんの名前も分かった。クレール・ベルフォール」


ミラは初めて、新聞の男から目を離した。


「お母さんは、どこですか」


「記録では、戦争の時に亡くなってる」


ミラの手が、膝の上で重なった。泣かなかった。頷きもしなかった。


「名前は、残っていますか」


「残ってる」


「クレール」


ミラは一度だけ、その名を声にしてから、新聞の男へ目を戻した。


「この人は、遠いところですか」


「アメリカだ」


「アメリカは、ここより遠いですか」


「遠い」


「学校より?」


「ずっと遠い」


「海より?」


「海の向こうだ」


ミラは新聞の写真から目を離さなかった。


レオンは、アドリアン・ベルフォールの名前をどう言うか迷った。今この部屋に置くには、少し大きすぎる音に思えた。


「名前は、アドリアン・ベルフォール」


それでも言った。


「アドリアン」


ミラは小さく繰り返した。知らない名前を、口の中で確かめるように。


「ピアノを弾く人だそうだ」


「ピアノ」


「大きい楽器だ。鍵盤を押すと音が出る」


「押すと、できるんですか」


「車よりは、たぶん難しい」


「レオンさんは、車の少しを作る人です」


「またそれか」


「施設で言いました」


レオンは口の端をゆがめた。


「余計なことばかり残るな」


ミラは写真の男の手を見た。


「この人は、音の少しを作る人ですか」


「たぶん、音をたくさん作る人だ」


「たくさん」


ミラはそこで黙った。


レオンは椅子に腰を下ろした。自分の椅子が少し軋む。ミラの椅子は、それより小さい音を立てる。二つの椅子が向かい合っている。机の上には、遠い国から来た名前がある。


しばらくして、ミラが聞いた。


「迎えの足音は、聞こえませんか」


レオンは返事に詰まった。


足音。


「……聞こえないと思う」


「知らせは、来ました」


「うん」


「足音は、来ません」


「そうだな」


レオンは膝の上で手を組んだ。油は洗ったはずなのに、爪の間に黒い筋が残っている。


「この人は、探していたそうだ」


ミラは写真の男を見たまま、尋ねた。


「探す人は、歩きますか」


「歩くと思う」


「靴を履きますか」


「履くんじゃないか」


ミラは自分の足元を見た。革靴のつま先は、学校から帰ったので埃をかぶっている。椅子に座ると、足は床に完全には届かない。靴の底が、床の上で揺れていた。


「帰り方が分からない日は、靴は履きません」


その言葉は、レオンの中へまっすぐ落ちなかった。


施設で、帰り方が分からず靴を履けない日があったのかもしれない。レオンは、そこを聞かなかった。


「今日は、どこかへ行く日じゃない」


レオンは言った。


ミラがこちらを見る。


「今日は?」


「今日は、ここで飯を食う日だ」


「明日は?」


「学校へ行って、俺が迎えに行く日だ」


「その次は?」


「その次も、朝起きて、パンを割って、先生に直される日かもしれない」


ミラの眉が動いた。


「先生は、毎日直しますか」


「俺が曲がれば直す」


「曲がらなければ?」


「たぶん、褒めないで普通に進む」


ミラは新聞の写真をもう一度見た。


「この人は、来ますか」


「分からない」


「でも、お前が何も言わないうちに、俺が決める話じゃない」


「レオンさんが?」


「俺が」


「役所は?」


「役所にも、俺が勝手に決めないって言う」


「工場長さんは?」


「たぶん、俺より先に怒る」


「ベルナールさんは?」


「俺の言い方を直す」


「先生は?」


「明日の朝、必要なら直す」


ミラは小さく息を吸った。


泣いてはいない。けれど、息が浅い。レオンはそれを見て、封筒へ手を伸ばした。


「新聞は、今日はしまう」


「しまうと、なくなりますか」


「なくならない。けど、机の真ん中に置いておくものでもない」


「この人も、しまいますか」


「写真はしまう。名前は、しまっても残る」


ミラはその言い方を考えていた。


「名前は、残ります」


「そうだな」


「賞の紙も、残っています」


レオンは棚の方を見た。


古い薄板に留められた賞の紙は、夕方の薄い光の中で少し白く見える。洗濯ばさみは相変わらず一つだけ傾いているが、紙そのものは曲がっていない。


「残ってる」


「椅子も」


「ある」


「鍋も」


「ある。中身はまだない」


「中身は、これからですか」


「これからだ。豆のスープなら、遠い国から来た名前にも負けないくらい薄い」


ミラの口元が、かすかにゆるんだ。


「負けますか」


「味では負けるかもしれない。でも、量で少し粘る」


「粘るスープ」


「今のは悪い言い方だな。食べる前に信用を落とした」


ミラの指が、鞄の取っ手から離れた。


レオンは新聞を封筒に戻して机の端へ寄せ、黒い鍋を取った。いつもの薄いスープを煮始めた。


ミラは椅子に座ったまま、自分の靴を見ていた。


やがて、片方の足を床へ下ろす。靴の底が木の床に触れた。もう片方も、ゆっくり下ろす。


立ち上がるのかと思ったが、ミラは立たなかった。


ただ、足を床につけたまま、レオンの方を見た。


「今日は、靴を脱ぎます」


「うん」


「ここで?」


「ここで」


「朝になったら、履きます」


「学校へ行くからな」


「迎えは?」


「行く」


ミラは頷き、靴紐を解いた。片方ずつ脱いで、入口にあるレオンの靴の横へそろえる。


鍋の中で水が温まり、玉ねぎの匂いが部屋に広がった。遠い国から来た名前は机の端にあり、二足の靴は扉の内側に並んでいた。


読んでくださり、ありがとうございます。

レオンとミラの生活が少しずつ変わっていく様子を、気軽に楽しんでいただければ嬉しいです。

よろしければ、最後までお付き合いください。


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